コロナ禍が影響して新車の入荷数が増えない一方で、密を避けられる遊びとしてバイクの人気がちょい復活。結果、大量のバックオーダーを抱えている車種も多い。では、注文が殺到する車種はどこに魅力があるのか? ヤングマシンテスターとしておなじみの丸山浩氏があらためて試乗して、売れてる理由を再検証! 本記事では、既存ファンから新規ユーザーまで巻き込んで、バカ売れしている原付二種のハンターカブがターゲットだ。
●まとめ:田宮徹 ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:ホンダ
カブという信頼性も旅の相棒にしたくなる要素
’20年6月の発売時に、事前予約だけでメーカーが年間販売計画に掲げた8000台を超える爆発的ヒットを生んだのがCT125ハンターカブ。もちろん、そのファッション性に惚れたユーザーもたくさんいるが、アドベンチャーモデルとしての高いポテンシャルに注目してハンターカブを選んだライダーも少なくないはずだ。
実際、またがった瞬間からアドベンチャーバイクに通じる雰囲気がある。まずこれをもたらす要因は、ワイドなハンドル。ビッグバイクと比べたらそれほど幅広いわけではないけれど、この車体にこの設定のハンドルが組み合わさると、「なんかアクションしてやるぞ…」とばかりに気分が盛り上がる。試乗しなくても、ディーラー展示車にまたがるだけで”雰囲気”が伝わってくるライディングポジションだ。
エンジンは、長く乗っていても飽きないフィーリング。というより、ライダーをジャマしない。だから、延々と走っていても疲れない。でもそれ以上に着目したいのは”心強さ”だ。カブというブランドに由来する、「コイツなら壊れない/走破できる/低燃費だからガソリンも問題ない」という信頼性は、ど田舎で脇道に入って、あるいは林道を突き進んで、道が狭く細く民家も何もなくなってきたようなときに真価を発揮する。荒れた道をゆっくり進むようなときも、カブ系エンジンなら「絶対にエンストしない」という頼もしさがある。
車体は軽くて、ぬかるんだ道や苔むした小川沿いなどを走ってみたが、コイツならなんとかなる。コンパクトボディだから、もしもそれ以上進めなくなったらUターンすればいいだけのこと。でもこれがビッグアドベンチャーだったとしたら…。なんて考えると、これこそが真のアドベンチャーできるバイク。’60年代ハンターカブからの歴史を無視すれば、コイツはビッグアドベンチャーの”レプリカ”と言うこともできると思うが、レプリカでありながらどこか”本物”の要素、真の実力が備わっている。そして、だからこそ売れるのだ。
原付二種で44万円という価格設定はかなり高めだが、それでもこれだけの数が出るということは、本物の実力が備わっていて、それが自分の価値観に見合うなら、多少高くてもユーザーは選ぶということの証明でもある。そして付け加えるなら、「ひとりでゆっくり、自分のペースで…」というように、旅の景色を思い浮かべやすいのも選ばれる理由ではないだろうか。
売れてる理由その1:スポークホイール&リヤABSレス!
売れてる理由その2:雰囲気と機能両立の本格装備
分析結果:ホンダCT125ハンターカブが売れているのは「現実的に操れるアドベンチャー」だから!
近年のアドベンチャー流行りで、その方向に進むライダーも多いけど、林道を走ったり山を登ったりタフな長旅をするなど、本当にアドベンチャーができるのはじつはコイツなんじゃないか…と乗ってみてあらためて思えた。そして、そういう遊びが”誰にでもできそう”なところも大きな売れている理由だ!
※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
※注:今回の実験は私有地で、管理者の許可を得た上で行っています。通行が許可されていない河川や湖沼、海岸などでの入水走行はしないでください。また、この実験はCT125の渡河性能を保証するものではなく、同[…]
エンジンへの浸水はなかった (前ページより続く) 渡河すればその後の影響も気になる。そこで、実験を行ったCT125ハンターカブを分解検証してみたのだが、車体に関してはほぼ問題なさそう。1回のストップを[…]
トップブリッジによる予想以上のいい仕事 ホンダCT125ハンターカブを駆って、一般的なダート林道はもちろん、ミニモトクロスコース的なセクション、河川敷のシングルトラックや藪漕ぎまで行なってみたが、クロ[…]
車体性能が圧倒的。ただしそのぶんデカイ 見た目からしてCT110(以下:旧型)に比べて大きいCT125ハンターカブであるが、実車を前にすると新型はさらに大きく感じ、存在感がある。旧型にはどこか華奢なと[…]
ホンダCT125ハンターカブ ’19年東京モーターショーでコンセプトモデルが発表されると大反響を巻き起こしたハンターカブ。利便性の高いスーパーカブC125をベースに、オフロードテイスト& 性能[…]
最新の記事
- スズキ「Vストローム250SX」と「Vストローム250」は何が違う? 身近な兄弟車を比較!
- 【2024年11月版】150~250cc軽二輪スクーター 国内メーカーおすすめ7選! 125ccの双子モデルからフルサイズまで
- SHOEIがシステムヘルメットのド定番モデル「ネオテック3」に新グラフィック「ANTHEM」を発表!
- SHOEIが「Z-8 YAGYO」を発表! 百鬼夜行をイメージしたバイクパーツ妖怪が目印だ!!
- 【SCOOP!】ついに「GB500」登場へ?! ホンダが海外で商標を出願!
- 1
- 2