●文:ヤングマシン編集部
ホンダは、3月にタイで行われたオンラインライブで2021年モデルのスーパーカブC125を発表。これが新型エンジンを搭載するとしていたが、スペックなどの詳細が判明したので改めてお届けしたい。
エンジンはグロムや新型スーパーカブ110などとベースを共有か
タイで続けざまに発表された新型モンキー125、CT125ハンターカブの新色に続き、スーパーカブC125の新型も発表された。一見するとニューカラーを設定しただけにも思えるが、ニューエンジンを搭載した新型となっている。
新しいエンジンは、日本でも正式発表された新型グロムと同じボアストローク[50.0×63.1mm]を採用し、圧縮比も新グロムと同じ10.0:1となっている。となると、すわ! 5速エンジンか!? と先走りたくなるが、これは従来と同じ4速トランスミッションを踏襲。おそらくは、自動遠心クラッチのロータリーミッションゆえに、5速化するとせわしなくなってしまい、バイク本来のキャラクターに合わなくなってしまうからだろう。
また、車体寸法は全長/全幅/全高/ホイールベースといった数値が従来からほぼ変わらず。日本仕様との比較では、表記方法が5mm単位の日本仕様と細かい表記のタイ仕様といった違い程度のようだ。ただし唯一、最低地上高については125mmの現行日本仕様と136mmの新型タイ仕様とハッキリ違っており、これはエンジンサイズやマフラーの取りまわしによる変化と思われる。
車重は現行日本仕様110kgに対し新型タイ仕様は109kgだが、測定方法や細かい仕様の違いなどの影響と思われ、エンジンの変更が直接的に影響しているかどうかは判然としない。
エンジンの形状の違いについては3月の記事に準じるが、右側から見るとエンジンオイル給油口の位置やカバーの形状が明らかに異なっている。左側の外観では、昨秋タイで発表された新型スーパーカブ110のロングストロークエンジン(47.0×63.1mm)とカバー形状のスターターモーター部分が酷似しているのが見て取れる。
ジワリと始まった横型シリンダーエンジンのモデルチェンジは、スーパーカブ110から新型グロム、そして今夏には日本でも発表される見込みの新型モンキー125へと展開してきている。
ただし、これはあくまでもタイ仕様における話。日本ではクロスカブ110のニューカラー(青)登場も近いとされており、タイで新型スーパーカブC125と同時に発表されているCT125ハンターカブはエンジンに変更が加えられていないことからも、少なくとも遠心クラッチのカブ系に使用するエンジンの更新を、ホンダはそれほど急いでいないように思える。
新ロングストロークエンジンの採用は、高効率化したベースを多機種展開で共用することによって、規制対応とコスト抑制を同時に行うのが主な目的だろう。したがって、新型グロムや新型モンキー125(タイ発表)のように“5速化”といったトピックがなければ、急いでモデルチェンジする必要性はそれほど高くないはずだ。63.1mmのロングストロークを生かした150cc化などがあるなら、その限りではないが……。
日本におけるスーパーカブ/クロスカブ/ハンターカブシリーズについては、新型エンジンにこだわって2022(2023?)年モデルを待つよりも、欲しい時に気に入ったカラーを買う、という判断で問題なさそうだ。いずれにせよ、日本仕様についての続報は入り次第お届けしたい。
Honda Supercub C125[2021 Thailand model]
タイで発表された新型スーパーカブC125。一見するとニューカラーの設定だけだが……。
スーパーカブC125【国内2020年モデル】:初代C100へのリスペクトから生まれたプレミアムモデル
1958年に発売された初代スーパーカブC100の誕生60周年を記念して、’18年に登場した「スーパーカブC125」。初代のスタイルやカラーをオマージュするが装備は最新。エンジンはモンキー125と同系の横置き空冷単気筒で、WMTCモード66.1km/Lの好燃費を誇る。切削仕上げが美しいC125専用キャストホイールにはチューブレスタイヤを履き、フロントブレーキは油圧式ディスク。”かもめハンドル”に埋め込まれた前ウインカーやレンズが飛び出したリヤウインカーなど灯火類はフルLEDで、スマートキーによるアンサーバックで自車位置を知らせる機能も装備する。コンパクトなリヤキャリヤもボディ同色にペイントするなど、とことん質感を高めたスペシャルなカブだ。
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