’70sスタイルを完全再現

超端麗! ホンダ渾身の空冷ネオクラシック・ハイネスCB350 DLX/PRO登場〈前編〉

’20年にはCBR1000RR-RやCT125ハンターカブなどの意欲作を送り出し、勢いに乗るホンダ。’21年も数々のブランニューを放つ。中でも話題騒然なのが空冷単気筒ネオクラシック「ハイネスCB350」。ファイター系全盛の時代に反し、本格的な懐古フォルムと最新デバイスを融合した快作だ。


●文:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:Honda Big Wing India

王族マハラジャのごとき高貴なるオーラの最新CB

ホンダが誇るビッグブランド=CBの名を冠した最新マシンは、アッと驚くネオクラシックモデルだった…。

インドの現地法人がティーザー動画で予告していた’20年9月30日に電撃発表された「ハイネスCB350」は、新開発の348cc空冷単気筒に加え、クラス唯一のトラクションコントロールや音声入力対応のスマートフォン接続機能など現代的なアイテムを投入。世界最大の2輪市場=インドのシェア拡大を見据えた、まさに意欲作である。

【HONDA H’NESS DLX】丸眼1灯に空冷フィンを刻む心臓、リヤ2本サスで往年のCBスタイルを構築。ライト下はインド特有のフロントナンバー用ホルダーだ。●予想国内価格帯:55~60万円 ●予想国内登場時期:’21年春

【HONDA H’NESS DLX PRO】CBらしさを織り込みつつ、力強く、高級感溢れるフォルム。前後フェンダーなど各部のメッキも眩しい。ハンドルはアップライトだ。

造り込まれたサイドカバーのエンブレム。ホンダの”H”を強調、”Highness”→”H’ness”とあえて表記されている。

スタイルも特筆モノだ。生誕から60年が経過したCBの歴史に発表会で触れたとおり、実にクラシカルかつ正統派ネイキッドのデザイン。優美なタンクとエンジンを際立たせながら、前19&後18インチの大径タイヤで全体のシルエットも均整が取れている。

曲線美が特徴のタンクとサイドカバー、テールカウルを持たないメッキ調のリヤフェンダーからは、同排気量帯である’70年代のCB350フォアやCB400フォアの面影を感じさせる。とはいえ特定の車両ではなく、過去の様々なCBのエッセンスを取り込んだ普遍的なスタイルと言えよう。加えてヘッドライトやウインカー、テールランプをLEDで統一。懐古的でありながらモダンな雰囲気を醸し出す。

王族の”殿下”を意味する「Highness=H’ness」と車名に込めたとおり、インドの王族=マハラジャのごとき威厳や高貴さを意識しているのは確実。”インド生産”と聞くと品質を心配する向きもあるだろうが、質感は高そうだ。

インドのバイク市場は200cc以下が主流で、350ccクラスは高級モデルの位置付け。ロイヤルエンフィールドやJAWA(ヤワ)といったクラシカルな350ccが本作のライバルだ。また、ホンダはインドでのシェアを年々伸ばしており、首位のヒーローモトコープを猛追中。これら強敵に対し、ホンダは入魂のハイネスCB350で真っ向勝負を仕掛ける。CBブランド60年の歴史と風格、そして最新装備により、シェア拡大に弾みをつけることは必至。ヤングマシン独自情報によれば、国内仕様導入の可能性も濃厚だ!

【基本版と上級版の2グレード展開】通常版「DLX」と上級版「DLXプロ」を設定。後者はHSVCS(ホンダスマートフォンボイスコントロールシステム)などを備え、現地価格はDLX比で5000ルピー(約1.3万円)高の19万ルピー(約27.5万円)。

【6色展開でシートも2色あり】プロにツートーンの3色、DLXにソリッドの3色を用意。ツヤ消し黒×銀/赤/ツヤ消し緑には、ブラウンシートが備わる。

【灯火系は当然フルLED】クラシカルな装いながら、灯火類はすべてLED。テールライトはCB750フォアなどを彷彿とさせる形状で、中央が円形&放射状に光る。ウインカーもリング状の発光だ。

【シンプル計器に情報集約】メーターは、アナログ速度計に反転液晶パネルを融合し、右側にインジケーターをまとめた新作。液晶部にはギヤポジションのほか、平均燃費/バー式の燃料計/バッテリー電圧/走行可能距離と豊富な情報を示す。

計器の右側には、トラコンのオン/オフ、ハイビーム、ABSの状態を表示。サイドスタンドが降りた状態の警告灯は珍しいが、親切設計だ。

【スマホ接続で機能拡張。音楽もナビも声で操作】DLXプロはクラスで唯一、スマホとのブルートゥース接続機能を搭載。左手元のファンクションスイッチ、または自前のヘッドセットから音声入力でアプリ(電話/音楽再生/メール/ナビ/天気予報)を操作できる。音声入力は視線移動がなく、安全なのがポイントだ。メーター右側にはUSB電源まで完備し、バッテリー切れの心配も不要。

HSVC(ホンダスマートフォンボイスコントロールシステム)はホンダ自家製で、世界初搭載。試作の専用アプリも披露。

日本仕様は’21春、55~60万円と予想

日本導入は未発表ながら、発売の可能性は高そう。気になる価格は、インドでDLXが18.5万ルピー(約26.8万円)、DLXプロが19万ルピー(約27.5万円)。同じくインド生産となるジクサーSF250の国内仕様から考察すると、ヤングマシン予想で55万~60万円か。

ハイネス350と同じくミドルクラスの空冷ネオクラシックモデル「SR400」とスペックを比較。

’21年の新車として話題を集めるホンダ ハイネスCB350。次ページではエンジンとシャーシについてさらに解説する。


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