〈連載〉岡崎静夏がじっくり乗ってみました!

岡崎静夏のホンダ クロスカブ110試乗インプレ〈後編〉【どこに行こう、何しよう】

岡崎静夏のホンダ クロスカブ110試乗インプレ〈後編〉
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【岡崎静夏(おかざき・しずか)】チャーミングな笑顔でも中身はスパルタンな「バイクフリーク」。’09〜’10年、MFJレディースロードレースで2年連続王者に。全日本はGP-MONOを経て’12年からJ-GP3に参戦中。

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走り出してみると、トコトコとゆっくり走るのにピッタリです。というか、トコトコ走ることしかできません(笑)。110cc、8psですから、それはそうですよね。エンジンを高回転域までガンガン引っ張って怒濤の加速……というタイプではないのは、スペックからも明らかです。

じゃあ不満かというと、そうじゃないところがカブの素晴らしいところ。車体の軽さとパワーのバランスがちょうどいいんでしょうね。交通の流れには無理なく乗れるし、加速しようと思えばちゃんと加速するし、フツーの感覚で走っている分にはなんの問題もありません。

「トコトコ走っているだけで楽しいクロスカブ110ですが、タフさや積載性を生かしてプラスαの遊びをしたくなる。オーナーさんのアイデア次第でいろんなスタイルに様変わりしそう」(岡崎さん)

そして、四六時中バイクとレースのことで頭の中がいっぱいの自分にとってすごくうれしいのは、ギアがあること!(笑) ロータリー式はちょっと慣れが必要ですが、クラッチ操作なしでカシャンカシャンとギアを変えられるのはやっぱり楽しい!

「シフトダウンの時は、ペダルを踏んでギアを落としつつ軽くアクセルをあおるとスムーズだし、エンブレも調整できるぞ」とか、走りながらいろいろ発見できるのがたまりません。

なおかつ、エンストの心配がないのもイイですよね。「細道に分け入ってみようかな」とか「Uターンしてみよう」とか「ちょっとだけオフロードも走っちゃう?」とか、いろんなことにチャレンジしたくなります。

そうなんです! クロスカブ110がイイのは、移動するだけじゃなくて、プラスαの楽しみ方ができること。そして、「バイクを楽しんでるんだな」という雰囲気が、外から見てもよく分かることです。

たとえば、1時間ぐらい走ってライダーズカフェに行き、店先にクロスカブを置いてお茶してても絵になる感じ。分かりますかね(笑)。配達途中に立ち寄ったのとはひと味違って、ツーリングを楽しんでる様子が伝わってくる絵なんですが……。

個人的には、タンデムしやすそうなのも高ポイント! オプションのピリオンシートを付けて、ガールズタンデムツーリングなんて、ちょっとオシャレだと思いません? ライダーとタンデマーの間にほどよい距離感があって、快適なふたり乗りが楽しめそうです。

いやー、でもやっぱりリヤキャリアにクーラーボックスを積んでバーベキューしたくなるかな〜。何人かでバイクで出かけるバーベキューも盛り上がるだろうな〜。

……という具合に、「何して遊ぼっかな」と考えがふくらむクロスカブ110。早く何も心配せずに出かけられる日が来てほしいなぁ……。

クロスカブ110のインプレッションまとめ

  1. スタイリング
    オシャレなイマドキのバイクらしさがたっぷり。実用性だけじゃないカブワールドの広がりを感じさせてくれます。
  2. スポーツ性
    私、知ってます。カブでハードにオフを楽しむマニアがいることを。「あえて」のコアな遊びに応える耐久性が◎。
  3. ツーリング
    どこに置いても、ただの買い物じゃない「遊び感」が漂うのがクロスカブの良さ。近場でもツーリングになります。
  4. 街乗り
    低速トルクがあるので発進がラク。フロント荷重が掛かりすぎておらず気軽に扱えるのもメリット。さすがカブ!
  5. コストパフォーマンス
    遊び道具として「ちょっと買っちゃおうかな」と思える範囲。幅広い用途に対応する使い勝手で結果的にオトク!
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