ハーレーダビッドソンの公式カスタムコンテスト「バトル・オブ・ザ・キングス」で、2年連続で優勝したハーレーダビッドソン静岡。彼らがXL1200CXロードスターをベースとしたカフェカスタムを製作した。上質さを感じさせるそのスタイルのカギとは?
●文:青木タカオ ●写真:磯部孝夫 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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その高貴な佇まいから感じられるのは、スポーツライディングへの探究心と王者の貫禄
現行スポーツスターファミリーにおいて、もっとも運動性能に長けるスポーティなモデルがXL1200CXロードスターだ。倒立式フロントフォークを標準装備し、前輪ブレーキもダブルディスク仕様。ファクトリーカスタムとなってバラエティーに富んだ兄弟車たちと比較すると、純粋に走りを楽しめる”らしさ”ほとばしる由緒正しい血統と言えよう。
そんなロードスターのスポーツ性能に磨きをかけ、全体の上質感も高めたのがこのカフェレーサーだ。製作したのは、ハーレーダビッドソン正規ディーラーがカスタムの腕を競うコンテスト「バトル・オブ・ザ・キングス(以下、BOTK)」で、2年連続優勝という快挙を成し遂げているハーレーダビッドソン静岡。もちろん、コンテストへのエントリー期間に重ならない時にも、こうして数々のマシンをビルドアップし続けている。こうした経験で培われた技術やセンスが、BOTKでの栄冠に結びついているのだ。
同店フロアマネージャーで、カスタムの指揮をとる渡辺廣彬氏はこう言う。
「ブラックにこだわりました」
ローランドサンズデザインのパーツ群と純正パーツ&アクセサリーが、これほどにまで見事なマッチングを見せるとは。全身を黒で統一したが、それぞれで光沢があったり、つや消しになっているなど表情が異なり、決して単調ではない。
そこへきての手描きのゴールドラインが見事に映えている。フューエルタンクに施されたハーレーダビッドソンロゴも同じ金で筆が滑るようにして描かれ、しっとりとした大人っぽさの中にゴージャスさが漂う。新車でありながら伝統の重みさえ感じるのは、紛れもなくハーレーであるからだ。
セパレートハンドルにバックステップ、そしてシングルシートとテールカウル。カフェに集うロンドンの若者たちがレーシングシーンに憧れ、スピードを求めた末に構築されたスタイルだが、ハーレーダビッドソンでありながら、これほどまでに似合ってしまうのはなぜだろう。
前例はH-D創業者の孫ウイリー・G・ダビッドソンによって1977年に生み出された。XLCRだ。
やはり黒づくめで、スピード感あふれるフォルムに敏感な若い世代が魅了された。このカフェレーサーは現代版解釈であり、歴史に名を刻んだXLCRへのオマージュなのかもしれない。
エンジンや足まわりに大きな手を加えているわけではない。しかし、この自分だけの1台という唯一無二の感覚は格別なものがあり、これぞディーラーカスタムの真骨頂ではないかと思う。
「細いスポークが立体的に交差するこのホイールは素晴らしいですよね」
渡辺氏がメーカーのつくるスタンダードをリスペクトしていることがよくわかる言葉だ。要らぬところは触らない、スタイリングで勝負しているのだ。ウイリー・Gがそうだったように。
ハーレーダビッドソン純正パーツ&アクセサリーにラインアップされるカフェカスタムシリーズは、ロードスターやアイアンなどスポーツスターの可能性を無限大に拡げている。上半身が前傾となるアグレシッブなライディングポジションをもたらすセパレートハンドルとバックステップがマシンのムードを一変し、スパルタンなイメージをかもし出す。そこにノスタルジックなカバー類をエンジンにアクセントとして用いて、70年代のヨーロッパのエッセンスも追加されているから不思議だ。エレガントさがありながらも、速さでも負けないというプライドの高さ。きっと欧州スポーツを好むライダーもハッとさせられるだろう。10年後、いや30年後の姿も、このまま美しいに違いない。
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