余裕サイズでクルーズ性能も期待

’20ヤマハ・トリシティ300は都市間移動を見据えたLMWクルーズコミューター

'20 ヤマハ・トリシティ300

ヤマハが追究するLMW(リーニングマルチホイール)車の第4弾「トリシティ300」。ベースとなるのはグローバル戦略スクーターのXMAX300だ。車格は全体的に大柄になってはいるが、ハンドル切れ角は72度と街中でのコンパクトな動きにも対応しているのが印象的。都市間も余裕を持って移動できるひとつ上のコミューターを狙っている。

余裕サイズでクルーズ性能も期待

LMW第4弾「トリシティ300」の内容がリアルに分かってきた。まず、ベースとなるのは既報のとおりグローバル戦略スクーターのXMAX300。トリシティ300のエンジンは、これと同じ292ccの水冷SOHC単気筒で最高出力や最大トルクも同じ28ps&2.96kg-mとなっていた。これを振動を最小限に抑えた新開発メインフレームとおなじみパラレログラム式LMW機構の車体に搭載する。

'20 ヤマハ・トリシティ300

郊外での移動や2人乗りも余裕の車格となったトリシティ300。全長はベースのXMAX300より65mm大の2250mm、車重は60kg増の239kgとなっている。新機構のチルトアシストシステムは停止時にボタン操作でブレーキキャリパーとパラレログラムリンクをアクチュエーターでロックし直立を維持。スロットルを開けると自動解除される仕組みだ。

YAMAHA XMAX300

【ベースはXMAX300】XMAXは共通プラットフォームで125、250、300、400が展開する世界戦略モデル。日本版のトリシティ250にも期待大だ。

フロントタイヤ間のトレッドを470mmとたっぷり取って安定感を確保しているほか、排気量に合わせて車格も全体的に大柄となってはいるが、ハンドル切れ角は72度と街中でのコンパクトな動きにも対応しているのが印象的。停止時に直立を維持するチルトロックアシスト機構で取り回しも楽にしている。さらにナイケンで開発されたLMWアッカーマンジオメトリ&乗車状態での前後重量配分50:50の採用で、速度レンジが高くなる郊外での走りも徹底追究。都市間も余裕を持って移動できるひとつ上のコミューターを狙っている。そして、欧州では普通四輪免許で乗れるとしたのが大きな目玉だ。

'20 ヤマハ・トリシティ300

前後タイヤは14インチ。ヘッドライトはLEDで軽量化にも一役買う。スマートキーでメインキーやハンドル&シートロック操作が可能。

'20 ヤマハ・トリシティ300

【LMWアッカーマンジオメトリ採用】左右のフロントフォークを上下のアームでつなぐパラレログラムリンクで車体をリーン。ステアリング部にはナイケンで培われた技術も反映されて、優れたハンドリングを見せる。

'20 ヤマハ・トリシティ300

(左)パワーとエコ性能の両立に優れたブルーコアエンジン。XMAX譲りのトラクションコントロールシステムも装備されている。(右)ホイールはLMWに適した専用設計。ブレーキは前後ともΦ267mmの大径ディスクを採用し、ABSと前後連動ブレーキが標準装備となっている。

'20 ヤマハ・トリシティ300

【タコメーター付きでスポーティ】上部にバーグラフ式タコメーターが付いたスポーティな液晶パネル。トラコンやチルトアシスト、ABSの状態も知らせるほか、外気温が3℃以下になると警告してくれる親切機能も持つ。

'20 ヤマハ・トリシティ300

(左)リヤブレーキは、左レバーのほか右フロアにあるフットペダルでも操作可能。前後連動ブレーキはリヤ側操作時に作動する。(右)シート下は、フルフェイスヘルメット×2個もしくはフルフェイス1個+A4ブリーフケースを収納可能。LEDの内部照明も持っている。

'20 ヤマハ・トリシティ300

【’20 ヤマハ・トリシティ300】主要諸元 ■全長2250 全幅815 全高1470 軸距1595 シート高795(各mm) 車重239kg ■エンジン型式 水冷4スト単気筒SOHC4バルブ 排気量292cc 最高出力28ps/7250rpm 最大トルク2.96kg-m/5750rpm Vベルト無段変速 燃料タンク容量13L ■ブレーキF=Φ267mmディスク×2 R=Φ267mmディスク ■タイヤサイズF=120/70-14 R=140/70-14 ●色:アイコングレー(上)、テックカモ(中)、ガンメタルグレー(下)

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