欧州ヤマハが2020モデルを発表

2020新型Tricity300(トリシティ300)が発表 スペックも判明

2019年11月4日、ヤマハが欧州で2020年モデルを発表した。XSR900のRZカラーや排気量アップのTMAX560などと並び、注目したいのが新登場のTricity300(トリシティ300)だ。

エンジンと出力はXMAX300と同じ、車重は60kg増しに

10月23日からの東京モーターショーにも出品されたトリシティ300(下記動画参照)は、欧州での発表まで詳細は明かされなかったが、今回、プレスリリースが配布されることになった。XMAX300と共通の292cc単気筒は、最高出力20.6kW(28ps)/7250rpm、最大トルク29Nm(2.9kg-m)/5750rpmと全く同じスペックのまま。一方車重はトリシティ300の239kgに対しXMAX300は179kgと60kg増しとなっている。ちなみに燃料タンク容量はともに13Lだ。フロントに重量物があるLMWの車重が増すは当然で、同様に同じエンジンのMT-09に対しNIKENは70kg増しになっているが、ヤングマシンでサーキットテストしたところ、タイム差はほとんどなくコーナリングスピードはNIKENの方が勝っていたという記録が残されている。トリシティ300は、ライダーが乗車した時に前後重量配分が50:50になるように設計されており、これはNIKENと同じ手法。さらにNIKENと同じアッカーマンジオメトリーも採用しているので、スポーツ性と安定性の両立においてはかなり高いレベルに到達していると予想される。そして、XMAX300と同様にトラクションコントロールも採用していることも明らかになったので、安全性においても抜かりなしと言えるだろう。

【YAMAHA Tricity300 2020欧州仕様】カラーバリエーションは3色でこちらはTech Kamo。
【YAMAHA Tricity300 2020欧州仕様】こちらはIcon Grey。
【YAMAHA Tricity300 2020欧州仕様】こちらはGunmetal Grey。

前輪のトレッドは470mmでナイケンより幅広

欧州では4輪免許で乗ることができるトリシティ300のトレッドは470mmと発表された。同じLMWのNIKEN(ナイケン)の410mmより60mmも幅広となっている。これでより安定感が得られるとともに、フロントフォークが内側に設置されているために抑制されるバンク角が増すことも期待できるだろう。注目のチルトロック機構は、前輪の上にあるパラレログラムリンクをディスクブレーキと同じ機構が電気的にロックすると説明されている。シート高は795mmと決して低くない車体で、停止中に足を着かずにすむのはありがたい装備だろう。今回発表された装備やスペック面で推測するに、トリシティ300はナイケンに迫るスポーツ性とトリシティ/155と同等以上の利便性を備えた真の万能マシンと言えそうだ。

フロントホイールは14インチでナイケンやXMAXの15インチよりも小径。日本仕様は2輪免許用にトレッドが狭められるという情報だ。
左ハンドル部にチルトロックと思われるスイッチがある。
メーターはシンプルな液晶ディスプレイ。奥にチルトロックと思われるインジケーターが光ってる。レッドゾーンはXMAX300と同じ9000rpmからとなっている。
ジェットヘルメットが2個収納されていることからシート下収納スペースはMAXと同程度と思われる。書類カバンも置けそうだ。
エンジンはXMAX300と同じ水冷4スト単気筒SOHC4バルブ292cc。ユーロ4準拠なので規制対応は来年XMAX300と同じタイミングで実施するのだろう。現状ミドルトリシティは300cc版しかないという情報で、国内向け等に250cc版が用意されるかは不明だ。

関連する記事/リンク

関連記事
2019/10/26

昨年秋のEICMA2018でコンセプトモデルの3CTとして発表されたヤマハのLMW第4弾。3CTあらためトリシティ300は、11月にイタリアで開催されるEICMA2019での詳細な内容発表に先立ち、東[…]

関連記事
2019/09/05

トリシティ125、155に続くLMWシリーズ第3弾として、2018年9月に受注開始となったヤマハのナイケン。初の派生モデルである“GT”は、大型のハイスクリーンや厚みを増した専用シートをはじめ、グリッ[…]

YAMAHA NIKEN GT
関連記事
2018/10/10

2018年9月27日に、NIKEN=ナイケンの試乗インプレッション第一弾をお送りしたばかりだが、今回は3輪LMWを初めてサーキットに持ち込んでMT-09と比較した。 スペックで比較すればナイケンが圧倒[…]

001-20
関連記事
2018/04/13

まだ誰もその走りを体感したことのないNIKEN=ナイケン。フロント2輪のスポーツバイクは一体何を目指して開発されたのだろうか? そして、どんな走りを見せるのか? 2018年3月7日にヤマハが新たに公開[…]

001-6
関連記事
2018/04/16

2018年4月5日に国内で公開されたヤマハ発動機の特許「傾斜車両」には、フロントにダブルウィッシュボーン式サスペンションを装備した3輪バイクの発明が掲載されていた。その中の図面の一部はどう見ても201[…]

001-のコピー