
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:ヤマハ
ヤマハ発動機と三菱重工業は、200kgの貨物を搭載可能な中型マルチコプター型無人機(以下、中型無人機)の開発に向けた共同研究を行っていることを発表した。
パワーユニットには、ヤマハが2023年にコンセプトモデル「αlive RX」として発表した高性能レンジエクステンダーをベースとした「小型軽量発電ユニット」を搭載した、ハイブリッドタイプの中型無人機の飛行試験を実施。両社は、このハイブリッド化により中型無人機の航続距離を大幅に延長することを目指し、今後も共同研究を継続していく方針だ。
α live RXは2023年5月に発表され、『人とくるまのテクノロジー展2023』に出展された。MT-09の3気筒エンジンに類似しているように見えるが、トランスミッションの代わりにモーターを内蔵している。
このハイブリッドシステムは、エンジンで発電した電力を利用して各ローターを電動モーターで回転させる方式を採用している。ヤマハは、長年培ってきたエンジン技術やモーター技術の新たな活用先としてマルチコプター型無人機に着目し、この分野での研究開発を進めてきた。一方、航空機の開発・製造で豊富な実績を持つ三菱重工も中型無人機の開発を進めており、両社の強みを活かせることから2024年3月に共同研究契約を締結するに至った。
本共同研究の目標は、発電ユニットを用いることで航続距離200km、最大積載量200kgという高い性能を持つ中型無人機の実現性を確認することにある。三菱重工は、これまでの航空機開発・製造で培った技術を基に、ハイブリッドタイプ中型無人機の設計・製造、そして試験を担当。ヤマハは、二輪車事業や四輪車向けエンジン事業で培った小型でハイパワーなエンジン技術と、最新の電動モーター技術を融合させ、小型軽量発電ユニットの研究開発を推進する。
4月中旬には、三菱重工業の研究施設内において、同社製の中型無人機にヤマハ発動機が開発中の発電ユニットを搭載しての飛行試験が行われ、初浮上に成功した。
なお、本研究で開発された試作機は、6月4日から6日にかけて幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される展示会「Japan Drone 2025」の三菱重工業ブースにて展示される予定だ。そこでは、共同研究で開発中の発電ユニットのベースとなったコンセプトモデルも併せて紹介される。
今回の共同研究は、両社の技術力を結集することで、物流やインフラ点検、災害対応など、様々な分野での活用が期待される高性能な中型無人機の開発を加速させるものと注目される。特に、エンジン発電による航続距離の延長は、従来のバッテリー式ドローンの課題を克服し、より広範囲での活動を可能にするため、その実用化に大きな期待が寄せられている。
ヤマハ発動機「ドローン用シリーズハイブリットコア コンセプト SHEV」 今回初公開となった「ドローン用シリーズハイブリットコア コンセプト SHEV」は内蔵する水平対向エンジンで発電機を回し、その電[…]
開発したのはスズキ育ちのエンジニア 内燃エンジンを搭載したドローンこそが未来を切り拓くのか? そう思わずにはいられない無人航空機が公開される! 同社は2021年10月には先行開発機の「AZ-500」を[…]
川崎重工は、大型ハイブリッドドローン試験機の浮上試験に成功したと発表した。これは全長約7m×全幅約5m×全高約2m の大型ドローンで、200kg以上の貨物を搭載し、100km以上の航続距離がある「空飛[…]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA] | メカニズム/テクノロジー)
ヤマハ発動機と三菱重工業は、200kgの貨物を搭載可能な中型マルチコプター型無人機(以下、中型無人機)の開発に向けた共同研究を行っていることを発表した。 パワーユニットには、ヤマハが2023年にコンセ[…]
ヤマハ発動機は、5月21日(水)~23日(金)にパシフィコ横浜で開催される国内最大級の自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2025 YOKOHAMA」(主催:公益社団法人自動車技術会)に出展し、同[…]
完全なオートマチックとして走ることができ、ハンドシフト操作も可能 ヤマハは次世代シフトテクノロジー「Y-AMT(ヤマハ オートメイテッド マニュアルトランスミッション)」を6月に発表。クラッチレバーと[…]
完全なオートマチックとして走ることができ、マニュアル操作も可能 ヤマハは欧州で次世代シフトテクノロジー「Y-AMT(ヤマハ オートメイテッド マニュアルトランスミッション)」を発表。最大の特徴はクラッ[…]
[A] 人力(キックスタート)でエンジンを始動するのに必要な装備 デコンプレバーは、“エンジンを始動するのに必要な装備”…なのだが、そう言われてもよくわからないので、順を追って解説しよう。 まずは少し[…]
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA] | ニュース&トピックス)
ヤマハ発動機と三菱重工業は、200kgの貨物を搭載可能な中型マルチコプター型無人機(以下、中型無人機)の開発に向けた共同研究を行っていることを発表した。 パワーユニットには、ヤマハが2023年にコンセ[…]
1980年代の鈴鹿8時間耐久の盛り上がりを再び起こしたい 設楽さんは、いま世界でもっとも伸長しているインドに2018年から赴任。その市場の成長ぶりをつぶさに見てきた目には、日本市場はどう映っているのだ[…]
ヤマハ発動機は、5月21日(水)~23日(金)にパシフィコ横浜で開催される国内最大級の自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2025 YOKOHAMA」(主催:公益社団法人自動車技術会)に出展し、同[…]
都市型イベント「My Yamaha Motorcycle Exhibition」開催へ ヤマハは、2025年9月20日に桜木町駅前(神奈川県横浜市)にて「My Yamaha Motorcycle Ex[…]
ヤマハ限定・秋のモーターサイクルショー?! スーパースポーツ「YZF-R」シリーズ、スポーツネイキッド「MT」シリーズ、スポーツヘリテージ「XSR」シリーズなどヤマハのバイクを展示&跨り体験、さらに電[…]
人気記事ランキング(全体)
情熱は昔も今も変わらず 「土日ともなると、ヘルメットとその周辺パーツだけで1日の売り上げが200万円、それに加えて革ツナギやグローブ、ブーツなどの用品関係だけで1日に500万円とか600万円とかの売り[…]
660ccの3気筒エンジンを搭載するトライアンフ「デイトナ660」 イギリスのバイクメーカー・トライアンフから新型車「デイトナ660」が発表された際、クルマ好きの中でも話題となったことをご存知でしょう[…]
CB1000 SUPER FOUR BIG-1の400cc版でスタート、1999年のHYPER VTEC搭載で独り舞台に! 2019年モデル発表後、期間限定で2022年まで販売され惜しまれつつホンダの[…]
1980年代の鈴鹿8時間耐久の盛り上がりを再び起こしたい 設楽さんは、いま世界でもっとも伸長しているインドに2018年から赴任。その市場の成長ぶりをつぶさに見てきた目には、日本市場はどう映っているのだ[…]
カワサキUSAが予告動画を公開!!! カワサキUSAがXで『We Heard You. #2Stroke #GoodTimes #Kawasaki』なるポストを短い動画とともに投稿した。動画は「カワサ[…]
最新の投稿記事(全体)
専用ロゴがファン心をくすぐる 1975年に初代GL1000が誕生してから50年が経つホンダのプレミアムツアラー、ゴールドウイング。2018年のフルモデルチェンジでは、フロントにダブルウィッシュボーンサ[…]
電子の力で瞬時に冷却する「ペルチェ素子」を採用 このベスト最大の売りは、その冷却システムに「ペルチェ素子」を採用していること。これは、半導体の一種で、電気を流すと素子の片面が熱を吸収(冷却)、もう片面[…]
凛としたトラディショナルをカジュアルクラシックで訴求! ヤマハが1992年にリリースしたSRV250は、1988年のXV250Viragoで開発した空冷250Vツインを搭載、感度の高いトラディショナル[…]
着脱の快感を生む「ピタッ」&「カチッ」を実現する独創的なデュアルロック 今や街乗りでもツーリングでも、すべてのバイクの必須アクセサリーといっても過言ではないスマートフォンホルダー。バイク用ナビやスマー[…]
ホンダCBR600RR(2020) 試乗レビュー 排気量も気筒数も関係ない、コイツがいい! 仕事柄、しばしば「スーパースポーツが欲しいんですけど、リッタークラスとミドルクラスのどっちがいいと思います?[…]
- 1
- 2