
スポーツスターに魅了される者が後を絶たない。その魅力とは一体何か…!? ひとつには“カジュアル”であることが挙げられる。後に(1990年代)ヤマハTWを軸にしたストリートバイクブームが起きるが、渋谷やウラハラ(裏原宿)ではいち早くスポスタに乗るコアなバイカーが現れている。ヘヴィでゴージャスであることがハーレーのアイデンティティと信じていた世代がまだ少なくなった時代に、軽快な4カムスポーツがストリートで存在感を強めていく。そんなシーンへのオマージュが、表紙を飾ったライダーが着るVANSON(バンソン)には込められている。
●文:青木タカオ(ウィズハーレー編集部) ●外部リンク:amazon
感度の高い若者たちが乗ったスポーツスター
アメカジ(アメリカンカジュアル)の影響を受けつつ、ストリートで発展したファッションスタイルが、1980年代後半にブレークした“渋カジ”だ。シンプルで飽きのこない定番アイテムをコーディネートし、格式張らない。
それまでの若者たちは、DCブランドに熱狂していた。日本のデザイナーたちが流行のイニシアチブを握り、アーティスティックで革新的、過剰ともいえる奇抜なデザインで、めまぐるしくトレンドは変化していく。その反動だったのかもしれない。ティーンエイジャーらの間で、カウンターカルチャーとして生まれたのが、ベーシックで普遍的なスタイルのアイテムたちを組み合わせ、その名の通りカジュアルに着こなす渋カジであった。
感度の高い子たちがいち早くスーツを脱ぎ捨て、デニムのジーンズやスニーカー、あるいはブーツに履き替えた。そしてスタジャンなどともに支持されたアウターが、革のシングルライダースだ。なかでもパッチで彩られたVANSON(バンソン)の人気は群を抜く。
その頃、シングルやツインに乗る中免ライダーらから密かに羨望の眼差しが向けられたのが、スポーツスターだった。カジュアルかつベーシックで普遍的なスタイルは、従来のハーレー像にはなかった新しいスタイルであった。
そんなシーンと時代背景に迫りつつ、いま誕生したひとりのビギナーに巻頭特集ではクローズアップする。
彼女が選んだ最初のオートバイはXLH1000(1975年式)だ。右チェンジだったシフトペダルはリンクを介して左へ移され、ドラム式だったフロントブレーキは1973年からディスク仕様になっている。比較的扱いやすいショベルスポーツと言える。
初期XR750のシルエットに心奪われる。スポーツスター乗りたちがカスタムしたのは、ダートトラックで無類の強さを誇ったレーシングマシンXR750のスタイルだった。オレンジの外装やアップマフラーがスポーツスターにはよく似合う。
サンダンスSUPER XRまで!
GNC(グランドナショナルチャンピオンシップ/全米選手権)で無類の強さを誇ったレーサーが、ジェイ・スプリングスティーンそしてスコットパーカーだ。ウィズハーレーでは2人の偉業を貴重な画像とともに紹介する。
そして、国民的英雄でもある両雄をリスペクトしつつ、誕生したサンダンス SUPER XR1200DT JEY&SCOTTYにもクローズアップした。
最新2025モデル詳細解説
ハーレーダビッドソン2025年モデルを徹底解説し、全機種オールカラーを完全コンプリート。毎年春に発売する『ウィズハーレー』は、刷新されたばかりのラインナップが一目瞭然となっているから「見やすく便利」「保存版としても残しておきたい」と、とくに好評を博している。
今回のニューラインナップでは、クルーザーモデルすべてがミルウォーキーエイト117を搭載し、3タイプの新型パワーユニットが登場しているので見逃せない!
細部の変更も見落とさないのは専門誌ならでは。詳細をしっかり解説し、新車で愛車を選ぶときはもちろん、数年後に中古車を購入するときにも役立つので、イヤーブックとしてぜひ本棚に並べておいてほしい!!
ハーレーにも出たぞ“RR”
超弩級「RR」がついにハーレーからもセンセーショナルなデビューを果たした。ハーレー史上最強の純正パワーユニット「スクリーミンイーグル131」(排気量2146cc)を搭載しているから、腰を抜かす!
肉抜きされたスイングアームやカーボンの外装はバガーレーサー譲り。公道仕様であることは間違いないが、その価格は!? 日本導入は…!? 誌面にて詳細を明らかにしよう!!
正体不明のレインボカラー
筑波サーキットにてシェイクダウン。AMFレインボーカラーを見にまとった正体不明のカフェレーサーは、ウィズハーレー編集部が購入したX500だ!
ストレートでスロットルを全開にし、はばかることなくパラレルツインが限界を迎えるまで確かめ、コーナーではステップを路面に擦り付けるほど車体を寝かし込み、運動性能を試してみた。
カスタムしたX500の初走行。トラブルに見舞われる。
ウィズハーレーVol.23は3/24発売!
カリフォルニアハイウェイパトロール(CHP)ターボ仕様やパンヘッドのスプリンガーなどカスタムも誌面に次々に登場。ブレイクアウトやローライダーS/STのカスタムパーツ情報も満載だ。
また、アメリカンレーシングの聖地デイトナでは KING OF THE BAGGERS、盛り上がりを見せるスーパーフーリガンレースが開幕。両レースでハーレーが表彰台を独占した模様をレポートしている。
いま中古車市場で人気のロードキングにも注目。ツインカム/エボリューション/ショベルヘッドなど、絶版ハーレーに興味がある人も読み応えたっぷりの内容に。そして今号もまた、夜道雪×ハーレーの連載コスプレグラビアもお見逃しなく!!
動画にて最新号ダイジェストをご覧あれ!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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