【憧れのスーパーカー】フェラーリ、ポルシェも!大人も欲しくなる「ジュニアカー」が本気すぎる

【憧れのスーパーカー】フェラーリ、ポルシェも!大人も欲しくなる「ジュニアカー」が本気すぎる

日本ではあまり馴染みがないものの、欧米では「ちびっ子むけジュニアカー」というのが昔から盛んに作られています。このジュニアカーというのは、足こぎ式のオモチャではなく、小型エンジンを搭載し、本物そっくりなボディが架装されていることが少なくありません。なにを生意気な、と考えがちですが、あちらは貴族がお城に住んでいるお国柄。自分ちにミニコースがあるご家庭むけと思えば、少しは悔しさも収まるはず(笑)。そんなジュニアカーの中でも、とりわけイケてるマシンをご紹介してみましょう。


●文:石橋 寛(ヤングマシン編集部) ●写真:RM Sothebys

【フェラーリ F40】?!

スペチアーレといいながら、400台限定が最終的には1352台(諸説あります)もロールアウトしたF40。ですが、最強で最速の棺桶とあだ名されたほど事故が多いクルマで、現存台数は半分以下とも言われています。

だからというわけでもないでしょうが、Fレーサー社はちびっ子向けF40の製作に踏み切りました。

鋼管フレームにFRPボディ、270ccの単気筒エンジンを搭載し、さすがに2ペダル仕様ながら、4輪ディスクブレーキ、前後ウィッシュボーンの独立懸架サスペンションという凝った造りが自慢です。

当初はオリジナル同様クローズドボディ一択でしたが、35mph (56km/h)という最高速から「大人も乗れるようにして! 」とのリクエストが殺到。

そこで、オープントップが用意され、ちびっ子と親御さんが一緒に乗れるようになったのだとか。

これだけの仕上がりですから、新車価格も堂々の3万ドル(約450万円)。ちょっとした乗用車が買える金額ですが、大金持ちには関係なし(笑)。

ブラック&オープンボディはわずか10台のみの限定でもちろん完売。おいそれと「40歳の誕生日プレゼント」とかってわけにはいきませんね。

良くできてるを通り越して、惚れ惚れするような完成度をみせるFレーサー製F40。ブラックボディでオープントップは10台ほどしか作られなかったレアモデル。

ジュニアカーだけに270ccとミニサイズながら、マウントはご覧の通り本家同様のミッドシップ。もちろん、エンジンフードも透明なアクリルという凝りっぷり。

堂々としたリヤスタイルからはちびっ子向けとは思えないオーラが漂います。星形がコピーされたホイールにもご注目!

子供ならばふたり、大人であってもオープントップゆえにどうにか乗りこめそう。スパルタンなコクピットもF40のイメージ通りの仕上がりです。

【フェラーリ 365 GTB/4 デイトナ スパイダー】?!

実車であれば今や数億円の価値があるデイトナスパイダーですが、やっぱりジュニアカーでも人気があるようで、オークションの指し値は当時3万2400ドル(約500万円)となかなかのもの。

製作はジュニアカーの老舗、ハリントン社によるもので、スチールフレームに150ccエンジン、4輪独立懸架に加えディスクブレーキを装備と、ちびっ子向けとは思えない仕上がりです。

また、ミラノのボラーニ社も驚くようなスポークホイールの出来栄えは、「子供乗せるなんてもったいねーや」の声もあがるかと。

実車をモチーフにしたレザー「バケット」シートも上質なもので、これだけで軽自動車1台ぶんぐらいの請求書が届きそう(笑)。

さらに、アメリカ仕様のリトラクタブルライトでなく、初期デザインに忠実なアクリルカバーというのもフェラーリ好きなパパなら感動もの。

ただし、V12を収めた長くて優美なボンネットラインだけはちびっ子むけにデフォルメされたようで、いくらか寸詰まりなところはご愛敬。

オープントップなので無理すれば大人も乗れそうですから、シャレでマイアミバイスを気取るというのもアリかもしれません(笑)。

本物は数億円はするデイトナスパイダーもジュニアカー界隈では人気モデル。老舗のハリントン社によるスケールダウンは、特徴をよく捉えています。

ふたり乗り用シートながら、レザーのステッチはフェラーリそのもの。子供のころから本物を知る、というビリオネアならではの教育向け(笑)。

単気筒ミニエンジンながら、マフラーは4本出しというこだわり。テールエンドの意匠、ランプの色と配列も本物さながらです。

圧巻はボラーニホイールを模したホイール。ジュニアカーは数多くありますが、ここまで再現したモデルはハリントン社ぐらいでしょう。

ポルシェ自らが再現した【936】?!

フェラーリの2台はどこかしらオモチャ感が漂っていますが、ポルシェのレーシングカーはちょっと本物と見分けにくいほどのリアル感!

それもそのはず、ジャッキー・イクスとデレク・ベルがドライブした1981年のル・マンで優勝した936をポルシェ自らが再現した100台限定モデルなのです。

とにかくどこからどう見てもリアルマシンの精密なスケールダウンであり、ペレスコープ(潜望鏡)の吸入口や、エアロディッシュホイール、はたまたスポンサーロゴなどはポルシェフリークでなくともしびれるようなカッコよさ。

極めつけは、ジュニアカーのためだけに作られたサービスマニュアル&パーツリスト。現在でもパーツが手に入るかどうか分かりませんが、ポルシェの市販車と等しいプロトコルにはさすがとしか言いようがありません。

206ccの単気筒エンジン(さすがにポルシェ製ではなさそう)は5psを発揮して最高速は35mph。ラックアンドピニオンステアリング、ディスクブレーキ、リミテッドスリップリアアクスル。4輪コイルサスペンション、調整可能なリアウィング、ヘッドライトとテールランプの点灯など、もはやジュニアカーの域を完全に越えています。

これこそ、裏庭にサーキット作れる家のご子息むけ。メンテナンスにバイザッハのエンジニアを呼びつけたりしてるのかと思うと、悔し涙も浮かんでくるというもの(笑)。来世は大金持ちのせがれに生まれ変われるよう祈るのは、決して筆者だけではないでしょう。

ポルシェ本家が100台限定で製作した936のジュニアカー。言われなければ、実車と見紛うほどのリアリティ。さすが、ポルシェならではの再現度です。

コクピットまわりを見て、ようやくジュニアカーと気づくはず。生意気なことに、ラックアンドピニオンのステアリング、前後1速ずつのMTを搭載。

3ペダルもリアル同様オルガン方式というこだわり! ジュニアカーもポルシェが作ると凄まじいことになる、というサンプルです。

よりによって、ジュニアカーのためのサービスマニュアルとパーツリストまで! 普通の市販車と同じ扱いというのもポルシェらしいこだわりでしょう。

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