
日産自動車が今春、将来的な車種展開と新技術に関する概要を発表した。公開された情報には、今後登場する新型モデルやマイナーチェンジモデルに加え、2025年度から2026年度にかけて導入が予定されているパワートレーンの詳細が含まれている。世界的に高まる、パワートレーンの多様化への迅速な対応が、今回の発表の主な目的と見られている。
●文:ヤングマシン編集部
新型”日産リーフ”は、北米市場投入後に日本国内でもデビュー
日産が明らかにした今後の車両投入プランによると、2025年度から2026年度にかけて多岐にわたるパワートレーンを搭載した新型車が登場する見込みだ。
ハイブリッド車(第3世代e-POWER&プラグインハイブリッド)、次世代電気自動車(EV)、先進的なガソリンエンジン車などがそれにあたる。
その第一弾モデルとなるのが新型”日産リーフ”であり、まず米国とカナダに導入された後、日本国内でも2025年度内に登場する。欧州やオセアニアなどその他の地域にも広く展開される予定である。
特筆すべきは、3代目となる新型リーフのボディスタイルが、これまでのハッチバック型からトレンドのクロスオーバーSUVへと刷新される点だろう。
この3代目は”日産アリア”から採用された”CMF EVプラットフォーム”や、EV用の3-in-1パワートレーン(モーター/インバーター/減速機をモジュール化)がもたらす効率的なエネルギーマネジメントを得ることで、走行性能の向上や現行車比での大幅な航続距離の改善が見込まれるという。
その他にも、19インチのアルミホイールやパノラミックガラスルーフも初採用とのこと。最初に投入される北米仕様車はNACS充電ポートを搭載し、日産のEVとしては初めて、テスラスーパーチャージャーネットワークヘのアクセスにも対応する。その詳細については2025年半ばに発表される予定である。
クロスオーバーSUVとして生まれ変わる新型リーフ。
画像はチーフパフォーマンスオフィサーのギョーム・カルティエ氏。「日産は市場戦略を見直し、お客さまのニーズによりお応えするため市場毎に最適な商品戦略を導入します。パワートレーンの多様化と新型車を通じて、幅広い選択肢を提供したいと考えています」と語った。
燃費性能が大幅向上するという第3世代e-POWER
今回の発表でもうひとつ注目したいのは、大幅な進化を遂げた第3世代e-POWERシステムだ。
日産によれば、この新システムは効率性を徹底的に追求し、従来型(第2世代)と比較して高速走行時の燃費を最大15%向上させることを目指しているという。
新設計の1.5L専用エンジンを核に、モーター/インバーター/減速機に加え、発電機と増速機を統合した新しい5-in-1パワートレーンを採用。これにより、軽量化と小型化というメリットも享受できると見られている。
この新パワートレーンは、2025年度後半に欧州で発表される新型”キャシュカイ”への搭載を皮切りに、2026年度には北米市場で発売が予定されている次世代”ローグ(日本名エクストレイル)”に搭載。
そして日本のユーザーが待ち望む”新型大型ミニバン”、4月22日に一部デザインが公表された新型エルグランドにも搭載される予定だ。
こちらは4月から日産の新社長に就任した、イヴァン・エスピノーザ氏。「今後2年間で新型リーフや新型マイクラEVを含む魅力あふれる商品ラインナップを構築します。さらに、SUVのラインナップを刷新し、次世代e-POWERでは新次元の洗練された高効率な走りを実現します。私たちは最高の日産を体現する商品たちで、世界中の熱いファンの皆様にワクワクする体験をお届けすることをお約束します」と述べた。
地域ごとの最適化戦略:グローバル展開の詳細
米国・カナダ
北米市場においては、次世代EVおよびハイブリッド技術を搭載した10車種以上の新型車とマイナーチェンジ車を投入(インフィニティモデルを含む)。
2025年度、新型”日産リーフ”を米国とカナダで最初に発売する。また、北米で販売中のSUV”ローグ”に、ブランド初のプラグインハイブリッドモデルを追加。
同年後半には、ベストセラーのコンパクトセダン”セントラ”の次世代モデルを発表する。さらに、ミドルサイズSUV”パスファインダー”と3列シートのラグジュアリーSUV”インフィニティQX60″をマイナーチェンジし、フルサイズSUV”インフィニティQX80″に新しいスポーツパッケージを追加する。
2026年度には、4代目新型”ローグ”の生産を開始。同モデルには、e-POWER技術が北米ユーザー向けに初搭載されるほか、高効率なガソリンエンジンモデルとプラグインハイブリッドモデルも投入する。
また、新型クロスオーバークーペ”インフィニティQX65″を発売し、ミドルサイズクロスオーバーセグメントに2列シートモデルを提供する。
北米市場に向けては、10車種以上の新型車とマイナーチェンジ車が投入されるという。
こちらは北米向けインフィニティモデルのティーザー画像。
ラテンアメリカ
ラテンアメリカ市場においては、強靭なピックアップトラック、スタイリッシュなコンパクトSUV、そして手頃な価格のセダンを投入し、”エクストレイルe-POWER”の展開を強化する。
2025年度には、コンパクトセダン”ヴァーサ”を改良し、新型コンパクトSUVと3列シートのラグジュアリーSUV”インフィニティQX60″を投入する。
2026年度には、進化したデザイン、インフォテインメントシステム、先進的な運転支援技術を搭載するフルサイズピックアップトラック”フロンティア/ナバラ”を投入する。
また、”エクストレイルe-POWER”モデルをラテンアメリカ市場に導入し、ミドルサイズクロスオーバークーペ”インフィニティQX65″を発売することでラインナップを拡充する。
ラテンアメリカ向け投入モデルたちのティーザー画像。
日本
日本市場において、コアセグメントモデルの刷新と次世代電動パワートレーンの導入を推進する。
2025年度には、日本市場向けに新型”日産リーフ”を投入する。また、新型軽自動車を含む多様な新型車とマイナーチェンジ車を投入する計画である。
2026年度には、第3世代e-POWERを搭載した新型大型ミニバンを投入する予定であり、詳細については今年後半に発表される。
欧州
欧州市場において、日産は現地生産の電動車を4車種投入する。
2025年度には、コンパクトEVの新型”マイクラ”を年内に販売開始する予定であり、新型”日産リーフ”、そして第3世代e-POWER技術を搭載したコンパクトクロスオーバー”キャシュカイ”を投入する。
2026年度には、新型”ジューク”EVをラインナップに追加する。
画像は新型”マイクラ”。
欧州向けモデルのティーザー画像。
中東
中東市場において、NISMOモデルとインフィニティモデルの追加を行う。
2025年度には、”Z NISMO”とマイナーチェンジした3列シートのラグジュアリーSUV “インフィニティQX60″を投入する。
2026年度には、スタイリッシュな2列シートのミドルサイズラグジュアリークロスオーバー新型”インフィニティQX65″を追加する。
インド
インド市場は世界で最も急成長している市場のひとつであり、日産は商品ラインナップの強化と輸出の拡大を図るとのこと。
今後2年間で、チェンナイ工場で生産される2つのモデルを投入予定であり、インドでの国内販売と輸出はそれぞれ年間10万台を目標とする。
2025年度には、多目的車(MPV)を投入する。
2026年度には、5人乗りコンパクトスポーツユーティリティビークル(CSUV)を投入する。
コンパクトスポーツユーティリティビークル(CSUV)。
多目的車(MPV)。
2台を合わせたティーザー画像。
オセアニア
オセアニア市場において、日産はEV2車種、1トンピックアップ、新型パトロール、そして第3世代e-POWER搭載車を投入する。
2025年度には、クロスオーバーEV”アリア”の販売をオーストラリアで開始する。
2026年度には、右ハンドル市場で初となる新型”パトロール”、日産と三菱自動車のパートナーシップを活用した新型1トンピックアップ、そして新型”日産リーフ”や第3世代e-POWER技術を搭載したコンパクトクロスオーバー”キャシュカイ”などの新型車を投入する。
アフリカ
アフリカ市場の一部地域においては”マグナイト”、”パトロール”、およびSUVを投入する。
2025年度には、アフリカの左ハンドル市場で、スタイリッシュなコンパクトSUV”マグナイト”の販売を開始し、エジプトで新型”パトロール”を投入する。
2026年度には、南アフリカで新型”パトロール”を投入し、新しい5人乗りSUVも一部のアフリカ市場に投入する。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(自動車/クルマ)
先代のヨーロッパとは似て非なる生い立ち ロータス・エスプリは言うまでもなく名作「ヨーロッパ」の後継モデルとして、1976年に発売されました。ロータス創設者のコーリン・チャップマンは、新時代のスーパーカ[…]
365GTB/4 デイトナ:275GTB/4を引き継ぎつつ大幅にアップデート 1968年のパリ・モーターショーでデビューした365GTB/4は、それまでのフラッグシップモデル、275GTB/4を引き継[…]
シトロエンが欲しがったミウラの対抗馬 1966年のジュネーブ・モーターショーで発表されたランボルギーニ・ミウラは世界中に衝撃を与えたこと間違いありません。当時、マセラティを所有していたシトロエンも同様[…]
ポルシェ911 カレラ「フラットノーズ」ワイドボディコンバージョン(1974) クレーマーレーシング風935仕立て マグナス・ウォーカーが初めて手に入れたポルシェは、1992年、彼が25歳の時に買った[…]
実は9000台程度しか生産されなかったレアモデル 実のところヨーロッパは、1966年から1975年の間に9000台程度が製造されたにすぎません(諸説あります)。ロータスの会社規模を顧みれば、それでも多[…]
最新の関連記事(YMライフハック研究所)
【おさらい】ライダーが「吉方位」を気にするべき理由 「吉方位」とは、「その方角へ向かうことで良いエネルギーを吸収し、自分自身のパワーをフルチャージできる場所」のこと。 適切なタイミングで吉方位へ走り、[…]
先代のヨーロッパとは似て非なる生い立ち ロータス・エスプリは言うまでもなく名作「ヨーロッパ」の後継モデルとして、1976年に発売されました。ロータス創設者のコーリン・チャップマンは、新時代のスーパーカ[…]
365GTB/4 デイトナ:275GTB/4を引き継ぎつつ大幅にアップデート 1968年のパリ・モーターショーでデビューした365GTB/4は、それまでのフラッグシップモデル、275GTB/4を引き継[…]
シトロエンが欲しがったミウラの対抗馬 1966年のジュネーブ・モーターショーで発表されたランボルギーニ・ミウラは世界中に衝撃を与えたこと間違いありません。当時、マセラティを所有していたシトロエンも同様[…]
実は9000台程度しか生産されなかったレアモデル 実のところヨーロッパは、1966年から1975年の間に9000台程度が製造されたにすぎません(諸説あります)。ロータスの会社規模を顧みれば、それでも多[…]
人気記事ランキング(全体)
憧れの名車を「手元」に置くという贅沢な解決策 ホンダが誇るファンバイク、モンキー125といえば、倒立フォークや12インチのブロックタイヤを備え、コンパクトながら本格的な走りが魅力だ。2026年モデルで[…]
50㏄原付一種と同じルールで走る新原付 はっきり言って、ちょっと侮っていました。だってスペックだけで想像したら、スーパーカブ110を遅くしたのが、新基準原付となるスーパーカブ110 Lite。私は大型[…]
水冷4ストローク60度V型2気筒エンジン搭載 車体構成の最大の見どころは、ヒョースンが長年熟成を重ねてきた水冷4ストローク60度V型2気筒エンジンの存在だ。排気量248.4ccのこのユニットは、Vツイ[…]
ヤマハ AG200(1985年2月発売)「AGはAGRICULTURE=農業の略」 直訳すると車名は「農業200」だが、いわゆる農耕地での移動や運搬に使われるバイクのこと。ホンダのCTシリーズと成り立[…]
不朽の名車KATANAのレプリカで、尖ってないスポーツモデルをリリース! スズキといえばKATANA……国産4メーカーが揃ってビッグバイクへチャレンジして肩を並べた1970年代を過ぎて、スズキはスペッ[…]
最新の投稿記事(全体)
ライダーを笑顔にするSP忠男のスピリットを纏う 1976年の創業以来、常にライダーが心地よく走るためのマフラーを生み出し続けてきたSP忠男。その象徴とも言えるのが、創業者・鈴木忠男氏が自らのヘルメット[…]
全長55mmの空間に広がるモーターサイクルの世界観 この個展の最大の魅力は、実車の構造を熟知した開発経験者ならではの視点で造り込まれたミニチュア作品の数々だ。全長約55mmという極小のスケールでありな[…]
エリミネーター専用の小型フォグランプが登場 人気の400ccクルーザーであるエリミネーターの弱点ともいえる夜間走行時の視界を劇的に改善する、SP武川製の専用LEDフォグランプキットが発売された。消費電[…]
30か月の試行錯誤が生んだ「ライダー専用」の結論 株式会社アールエスタイチは、新型エアバッグベスト「T-SABE(ティーセーブ)」を2026年4月24日より発売すると発表。自動車安全システム分野で世界[…]
まさに「白き処刑人」。ヴェノムの対極を行く迫力の意匠 今回モチーフとなったのは、ヴェノムから派生し、シンビオートの天敵として誕生した「アンチヴェノム」だ。 反転の美学: ヴェノムの漆黒とは対[…]
- 1
- 2
















































