
トヨタ・ガズーレーシング(TGR)が進化型GRヤリスの国内導入を発表、国内仕様車は5月6日に発売される。価格は356万〜533万円。また、東京オートサロン2025で発表したコンセプトモデルを具現化したメーカーオプション「エアロパフォーマンスパッケージ」も発表。2025年秋以降の発売を予定している。
●まとめ:ヤングマシン編集部
進化したGR-DATの採用:より深化したスポーツドライビングの実現へ
進化型GRヤリス2024年モデルで初搭載されたGR-DAT(GAZOO Racing Direct Automatic Transmission)は、2ペダルならではの操作性と、走りの両立を軸にした改良を実施。
進化型GRヤリスは、3グレードで構成。最上級の「RZ“High performance”」が533万円(8速AT・GR-DAT)498万円(6速MT)、「RZ」が483万円(8速AT・GR-DAT)448万円(6速MT)「RC」が391万円(8速AT・GR-DAT)356万円(6速MT)になる。
具体的には、Dレンジ走行中のパドルシフト操作でダウンシフトが可能な車速領域を拡大することで、操作に対する応答性を向上。低い速度域でも素早いシフトダウン(2速から1速へ)が可能となったという。
GR-DAT。
また、パドル操作から実際に変速が完了するまでの時間が短縮されたことで、ドライバーの意図がよりダイレクトに車両の挙動に反映され、一体感のあるドライビングフィールを実現。マニュアルモードのスポーツモード選択時には、エンジン回転数がレッドゾーンに近づくにつれて、よりダイレクトでリニアな変速フィーリングとなり、限界域でのコントロール性を高めている。
さらにアクセル全開加速時のシフトアップタイミングの最適化も重要な進化点のひとつ。エンジン回転数の上昇が鈍くなる登坂勾配で、シフトアップのタイミングをわずかに遅らせることで、シフトアップ後もエンジンの高出力を維持しやすくなり、坂道での力強い加速性能が向上している。
クルマとの一体感の進化強化:コントロール性と快適性のバランス感覚を強化
シャシー部品の締結ボルトの一部に、従来よりも締結剛性の高い特別なボルトを採用。この改良により、ステアリング操作に対する車両の応答性を高めるとともに、高速走行時の直進安定性を向上させ、ドライバーとクルマの一体感をより深化させることに貢献する。
このシャシー締結部の改良に伴い、サスペンションセッティングも再調整され、ショックアブソーバーの減衰力特性が見直すことで、コントロール性能と快適な乗り心地の向上が図られる。
ほかにもEPS(電動パワーステアリング)は、ステアリングを切った量に対して、よりリニアで自然な操舵感が得られるようにチューニングを実施。
RZ“High performance”グレードは、サーキットでの限界走行性能を最大限に引き出せるセッティングへ、RZグレードは、ワインディングロードからサーキット走行まで、幅広いシーンでGRヤリス本来の俊敏なハンドリングパフォーマンスを存分に堪能できるセッティングに設計されている。
装備設定の見直し:縦引きパーキングブレーキの設定を拡大。トヨタセーフティセンスも全車標準化へ
2024年モデルではRCグレードのみにメーカーオプション設定されていた縦引きパーキングブレーキが、全グレードで選択可能。より本格的なスポーツドライビングを楽しむための選択肢を拡大させている。
さらに、従来モデルではRCグレードにオプション設定だったトヨタセーフティセンスが、全車標準装備になっている。
GR-DAT搭載車のフットレスト拡大も実施。
「エアロパフォーマンスパッケージ」をメーカーオプションとして設定
「エアロパフォーマンスパッケージ」は、モータースポーツの知見が惜しみなく投入されたメーカーオプション。
エンジンルームの熱を効率的に排出することで冷却性能を向上させる「ダクト付きアルミフード」などの妥協することなく調整を重ねた計6アイテムすべてを同時装着することで、GRヤリスの冷却性能と空力性能を、さらに向上させることが可能。RZ“High performance”とRC対象のメーカーパッケージオプションとして、2025年秋以降の設定を予定している。
【ダクト付きアルミフード】
GRMNヤリスで採用されたカーボン製フードと同形状になるダクト付きフード。今回はアルミ素材が用いられる。高速走行時にエンジンルーム内の熱を排出し、冷却効果を高める効果をもたらしてくれる。
【フロントリップスポイラー】
スーパー耐久で培った空力技術が注がれたチューニングパーツ。フロントリフトを抑制することで接地感と空力バランスを向上させている。当初はこのパーツを除いた5つのパーツでパッケージを検討していたが、プロドライバーの大場選手からのフィードバックをもとに追加採用されたパーツになる。
【フェンダーダクト】
ホイールハウス内に溜まる空気を後方へ排出することで、ノーズダイブ時のステアリングフィールとコーナー進入時の操縦安定性の向上が見込まれる。
【可変式リヤウイング】
大型リヤウイングを装着することで、高速安定性の向上とブレーキング時のスネーキングを抑制する。ウイング角を可変できるので、走行シーンに合わせて角度調整が可能。
【燃料タンクアンダーカバー】
スーパー耐久参戦車の燃料タンク下部をフラット化にするアイデアを市販モデルにも流用。車体下部の空気の流れを最適化することで、ダウンフォースや空力性能の向上が期待できる。
【リヤバンパーダクト】
リヤバンパーのパラシュート効果を抑制することで、空気抵抗(Cd値)を低減させる。スーパー耐久の過酷な環境でリヤバンパー脱落を経験したことで開発されたパーツになる。
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