![ホンダCB72[名車バイクレビュー] 超絶マニアック仕様! 勝負をかけた世界戦略マシン](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/02/RideHi_CB72.jpg)
●文:ライドハイ編集部(根本健)
1960年代にホンダが海外進出で成功したのは、世界GP制覇より前だった!
1959年発表、1960年に発売されたホンダ初のスーパースポーツ「ドリームCB72(シービー・ナナニィ)」。そもそも日本にスーパースポーツが存在せず、国内向け実用車の仕様では海外で見向きもされなかった時代に、世界で大ヒットを飛ばそうと勝負を賭けたモデルだ。
【1960 HONDA DREAM CB72 SUPER SPORT】
そのCB72は、ご覧のようにいま見ても新鮮に思えるフォルムで、いかにもホンダの名を世界に知らしめた名車の佇まい。その技術的なチャレンジの数々とともに、どうしてこれだけの画期的なスーパースポーツが完成できたのか。そのプロセスを紐解いていくと、ただただ驚くばかり。
おそらく多くの方は、ホンダはマン島TTレースでの成功をきっかけに、その優秀さを世界にアピールし、一気に世界制覇を果たしたイメージをお持ちだろう。
しかし、時間軸の経緯で検証していくと、そうした順番で展開されたサクセスストーリーではなかったのだ。
単気筒250ccのOHC化が1955年。次いで2気筒化が1957年。各気筒へキャブレターを配し高回転化が1959年…
戦後すぐ、自転車用の補助エンジンからスタートしたホンダが、小排気量車が群雄割拠した時代を勝ち抜き、荷台に大きな荷物を積載できる220ccのドリームを製造するまでになったのが1954年。
続いてOHVが常識だった当時、フルスケールとした250cc単気筒で、早くもSOHCのメカニズムを採用したドリームSAを翌年に発売。
【1955 HONDA DREAM SA】
さらに2年後の1957年には、2気筒OHCのC70を発売。これがCB72エンジンのベースとなるという、すべてが急ピッチで展開されていた。
【1957 HONDA DREAM C70】
ちなみに当時の250ccは、そのデザインからイメージできるように、いまでいう750~1000ccのフラッグシップ的な貫録のある存在。
C70も、フレームをプレス鋼板バックボーンとするスーパーカブなど小型バイクの構成を、そのまま大型化。ツーリングを意識して、センターアップマフラーとしたスポーティンなCS71もラインナップに加えたが、海外での高速で走らせる状況に対応できるレベルではなかったのは、容易に想像できる。
【1958 HONDA DREAM CS71】
これより前、世界戦略のベースとなるマン島TTレース出場をすでに宣言していたホンダは、国内の浅間火山レースを勝つために、250ccDOHC4気筒のRC160を開発。
【1959 HONDA RC160】
さらには、CR71と名付けたドリームC70エンジンをベースに、パイプフレームへ搭載した将来の市販レーサーを睨んだモデルも開発。そしてマン島TTレースへ挑戦する125cc2気筒のRC143も開発。すべて1959年のことだ。
【1959 HONDA CR71】
【1959 HONDA RC143(125cc)】
…というこの同じ時間が流れる中で、C70エンジンの各気筒にキャブレターを配したツインキャブをはじめ、9000rpmと一気に高回転化したCB72エンジンを併行して開発していたことになる。その発想から具現化していく技術開発力の猪突猛進ぶりは、並大抵ではなかった……
※本記事は2023年2月14日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ライドハイの最新記事
鈴鹿8耐でV4に勝つ750インライン4開発に単を発した操る面白さでライディングする新次元のスーパースポーツFireBlade! 1992年に登場したCBR900RR FireBladeは、それまでトッ[…]
世界をリードしたCB、CBR、VFR、RVFの歴史を積み上げた経験とこだわりのありったけを注ぎ込む! スーパーブラックバード。米空軍で超高々度を偵察飛行する目的で開発された最高速度記録3529.56k[…]
2バルブで半球形燃焼室のツイン点火プラグ! 1989年のゼファー(400)が火をつけたネイキッド・ブーム。 カワサキは1990年にゼファー750、そして1992年にはゼファー1100とビッグバイクでも[…]
不朽の名車KATANAのレプリカで、尖ってないスポーツモデルをリリース! スズキといえばKATANA……国産4メーカーが揃ってビッグバイクへチャレンジして肩を並べた1970年代を過ぎて、スズキはスペッ[…]
ネオレトロなロケットカウルへの郷愁を巧みなグラフィックで新しさへと巧みに演出! 1989年、スズキは1レーサーレプリカ全盛だった頃に感性も価値観も異なる、オトナを意識した都会的な新ネイキッド、BAND[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車 | ホンダ [HONDA])
300km/h時代を拓いた怪鳥の誕生 1997年にキャブレター式のバイクで世界最速と言われたCBR1100XX Super Blackbird(以下、XX)がデビューしました。カワサキZZR-1100[…]
70年代末の省エネ潮流から生まれた! リッター車に迫る「激レア」ターボバイクの衝撃 オイルショックを経た1970年代末から1980年代初頭にかけて、「排気量を増やさずに高出力を得る」という省エネ時代の[…]
1978年に市場に投入。ホンダの英知を集めた名作6気筒モデル「CBX 1000」 多気筒化によるエンジンの高出力化と超高回転化は、1960年代の世界GPロードレースにおいてホンダがその正当性を鮮烈に実[…]
空冷4気筒の限界に挑戦 CB1000Rを大別すると前期/後期の2種で、もう少し細かく分類すると、RB1/RB/RC/RDの4種。ただし、各モデルのおもな相違点は足まわりと外装類で、フレームとパワーユニ[…]
3台のレーサーレプリカがブームの基盤を構築 当時は誰もそんなことは言わなかったけれど、’80年前後の大排気量車の世界では、ちょっとしたレーサーレプリカブームが起こっていた。具体的には、’79年にドゥカ[…]
最新の関連記事(ネモケンのこのバイクに注目)
新型4気筒を待ち焦がれていたホンダファン CBにXが加わった車名のCBX400Fは、1981年10月にデビュー。バイクブーム真っ只中で爆発的な人気を誇ったホンダの切り札となったマシンだ。 実はカワサキ[…]
ボクサーエンジンの誕生、最強バイクとして世界中でコピー BMWといえば、2輪メーカーとしてスーパーバイクS1000系からボクサーのRシリーズなど、スポーツバイクで世界トップに位置づけられるメーカーだ。[…]
特別な存在をアピールする“衝撃”=IMPULSEと名付けたバイク スズキには、1982年から400ccネイキッドのシリーズに「IMPULSE(インパルス)」と銘打ったバイクが存在した。 IMPULSE[…]
250ccの4気筒はパフォーマンスで不利。それでも届けたかった4気筒の贅沢な快適さ 250ccで4気筒…。1982年当時、それは国産ライバルメーカーが手をつけていないカテゴリーだった。 1976年にD[…]
一般公道は乗りやすさ最優先、そのコンセプトを後方排気でピュアレーシーへ ヤマハは、1980年にレーサーレプリカ時代の幕開けともいうべきRZ250を発売。一躍250ccをビッグバイクを凌ぐパフォーマンス[…]
人気記事ランキング(全体)
サビて固着したネジやナメて外せなくなったネジを簡単に外せる デイトナから発売されている「バイク用ショックドライバーセット(品番:95392)」は、錆びついて固着したボルトや、ネジ緩み止め剤が塗布された[…]
ワークマン最大のカジュアルショップがイオンモール川口に誕生!! Workman Colors(ワークマンカラーズ)はワークマンが展開する多数のウエアやグッズのなかで、従来のメイン商材だった作業着(ワー[…]
ダカールラリー直系の設計思想!ファクトリービルドで誕生した本格ラリーマシン 世界で最も過酷なラリーレイドであるダカールラリーにおいて、数々の金字塔を打ち立ててきたKTM。これまで多くのプライベーターや[…]
R1のDNAとYCC-Tを凝縮。クラス最軽量149kgを掲げたYZF-R2の全貌 インドで世界初公開されたヤマハの新型YZF-R2は、急成長を続ける200ccプレミアムスーパースポーツセグメントに向け[…]
免許不要の四輪特定小型原付サンエンペラー「エルバード」の安定性と利便性 2023年7月の道路交通法改正によって誕生した「特定小型原動機付自転車」は、16歳以上であれば運転免許不要で公道を走行できる新た[…]
最新の投稿記事(全体)
北海道をともに走ったBMW F 450 GS 今回お借りしたのは、「GS Trophy」グレード。クラッチレバーの操作を必要としないERC(Easy Ride Clutch)が標準装備されていることも[…]
欧州での人気を背景により本格的なオフロードモデルに進化 2025年にフルモデルチェンジを行ったキャバレロラリー500最大のトピックは、従来モデルから大幅な見直しが図られた車体構成にある。これまでのラリ[…]
本棚の奥にガレージ出現!?「遊べる本屋」の真骨頂 雑多に積み上げられた書籍、POPの毒のある言葉、そしてサブカルチャーの濃密な空気感。「遊べる本屋」の代名詞を持つヴィレッジヴァンガードは、行くたびに新[…]
従来の2気筒から新設計3気筒へ!劇的進化を遂げた新型「Ryker」 BRPジャパンが国内に展開するカンナムシリーズの中で、よりカジュアルに3輪アドベンチャーを楽しめるモデルとして支持されてきた「Ryk[…]
ザガートの名がつくだけで売れ行きがまったく違う とにかく、アストンマーチンが100周年にかけた情熱はすさまじいもので、DBS GTザガートとDB4 GT ザガートのセット販売をはじめ、ハイパーカーと呼[…]
- 1
- 2


![ホンダDREAM CB72 SUPER SPORT 1960年|ホンダCB72[名車バイクレビュー] 超絶マニアック仕様! 勝負をかけた世界戦略マシン](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/03/RH_honda_cb72_230104_1-768x432.jpg)
![ホンダDREAM SA 1955年|ホンダCB72[名車バイクレビュー] 超絶マニアック仕様! 勝負をかけた世界戦略マシン](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/03/RH_honda_cb72_230104_2-768x432.jpg)
![ホンダDREAM C70 1957年|ホンダCB72[名車バイクレビュー] 超絶マニアック仕様! 勝負をかけた世界戦略マシン](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/03/RH_honda_cb72_230104_3-768x432.jpg)
![ホンダDREAM CS71 1958年|ホンダCB72[名車バイクレビュー] 超絶マニアック仕様! 勝負をかけた世界戦略マシン](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/03/RH_honda_cb72_230104_5-768x432.jpg)
![ホンダRC160 1959年|ホンダCB72[名車バイクレビュー] 超絶マニアック仕様! 勝負をかけた世界戦略マシン](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/03/RH_honda_cb72_230104_6-768x432.jpg)
![ホンダCR71 1959年|ホンダCB72[名車バイクレビュー] 超絶マニアック仕様! 勝負をかけた世界戦略マシン](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/03/RH_honda_cb72_230104_7-768x432.jpg)
![ホンダRC143(125cc) 1959年|ホンダCB72[名車バイクレビュー] 超絶マニアック仕様! 勝負をかけた世界戦略マシン](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/03/RH_honda_cb72_230104_8-768x432.jpg)






































