MotoGPライダーたちは前輪荷重を増やすライディングをしていると言われていますが、物理的にどうするとフロント側で稼げるのですか?
●記事提供: ライドハイ編集部
A.レースでは前輪荷重が曲がれる能力を左右しますが転倒のリスクも大きく、その扱いには常に神経を尖らせています
レースの解説を聞いていると、確かに前輪荷重という言葉がよく出てきます。ブレーキングでは減速Gで前輪荷重が大きくなり、加速だと前輪荷重がウイリーまでするとゼロになる……そこまでは想像できても、乗り方でマシンの前後輪に分配された荷重が変わるというはわかりにくいかも知れません。
先ず基本的なところで誤解しないよう、バイクの前後荷重を説明しておきましょう。
静的に、つまりバイクが停車している状態で、ライダーが乗っていない車体だけの重量配分表記などを、スポーツバイクのカタログや解説記事で見かけます。前輪50パーセント・後輪50パーセントとしてコーナーの安定性を高めました、とか表記されています。
前輪は旋回時に後輪の軌跡に追従することで、無理のない効率の良い曲がり方になるので、エンジンの搭載位置を前側にもっていくなどの工夫がされています。技術的にエンジンの構造などの関係から、これは容易いことではありません。このため開発エンジニアたちは、前輪側に重量配分を大きくできた場合、強くアピールしているのです。
しかし実際にライダーが乗ってしまうと、たちまち後輪側が60パーセントを超えてしまい、さらに走り出すと加減速でめまぐるしく変わってしまいます。
※本記事は“ライドハイ”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
1964年頃からGPレースではじまった内膝を開くスタイル 膝擦りどころか肘擦りが珍しくなくなったレースシーン。そこまでアグレッシブでなくても、ワインディングでそんなに深くバンクしてないのに内側の膝を開[…]
レースはリヤを先に……というシーンもあるけれど バイクはハードにブレーキングすればするほどノーズダイブ(前のめり)する。 だから極限までフルブレーキするレースでは、後輪が浮いてしまうのでリヤブレーキは[…]
「荷重をかける」とか「荷重を抜く」を読み解くチャンス! 速く走れるライダーの口からよく出てくる「荷重」という用語。ただ漫然と車上の人でいるより、何か積極的な操作をしたほうが思うように走れそうだけど、チ[…]
どうしても手前ばかり見てしまう バイクに不慣れだと、走り出すと視線が前輪のすぐ前、下のほうに落ちてしまいがちだ。しかし、あまりに至近ばかり見ていると、前方のクルマやバスのブレーキランプを見落とすなど、[…]