
自動車だけでなく、バイクにも普及しつつあるドライブレコーダー。当初はフロントカメラのみだったが、前後カメラを搭載したモデルが一般的に。本記事では、デイトナが取り扱う「MiVueM820WD」を紹介する。装着した車両は、ハーレーダビッドソン XL1200Lスポーツスターだ。本体が小型なおかげで、このような隠す場所のないモデルでも工夫次第でスッキリと本体を隠すことができた。
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ●外部リンク:デイトナ
取り付け場所に困らないシンプルでコンパクトな本体と、スマホ連動で充実した機能
ツーリングの思い出に加えて、万が一のアクシデントも記録するドライブレコーダー。デイトナの新型ドラレコ「MiVueM820WD」は、限られたスペースに取り付けできるコンパクトさや防水防塵性能など、バイクの特性に対応しているのが特徴だ。
本体は一辺65mm/厚さ23mmほどで、ETC車載器より小さく、付属の面ファスナーで車体に装着。内蔵SDカードに記録された映像はスマートフォンで確認できる。カードの抜き差しは不要なので、手が届きにくい場所に設置しても問題なく、アクセサリー取り付けに苦労するカウルレス車や絶版車にとってはありがたい。
ソニー製高感度センサーを採用した前後カメラ+GPS内蔵コントロールスイッチという構成は先代モデルと同様だが、映像記録時のフレームレートが早くなった(58fps)ことで、録画画像が鮮明になり、HDR(ハイダイナミックレンジ)が追加されたことで、トンネル内や夜間撮影時の露出を最適化。さらに、1秒刻みに画像を保存できるSuperMP4や、画像サイズを2分の1に圧縮保存できるH.265フォーマットなど、アクシデントを逃さず録画できる機能を新たに搭載した。
こうした進化は、製品の見た目からは伝わらないが、録画された画像を見れば一目瞭然。またWi-Fiの改良により、画像をスマートフォンに転送する速度が倍になっている点も、ツーリングの記録を動画サイトに投稿するライダーにとっては重宝するポイントだ。加えて、ライダーがバイクから離れた間に検知した衝撃などで録画が開始される駐車監視機能も新たに搭載。
絶版車や旧車ユーザーの中には、ETC/USB電源/スマホホルダーなどのアクセサリー追加に気乗りしない人もいるかもしれない。だが、ドライブレコーダーは自らの安全や安心を守る装備でもあるため、万が一の事態に備えて保険代わりに装着することをお勧めしたい。
【デイトナ バイク専用GPSドライブレコーダー MiVue M820WD】■解像度/フレームレート:フロント/リア1080p@58fps/1080p@29 HDR/1080p@29fps 映像素子:フロント/リアSonySTARVIS™CMOS F値フロント/リアF.1.8 ファイル形式SuperMP4(H.265) 視野角フロント/リア136.6°(水平115.6°/垂直61.6°) 本体ユニットサイズ:高さ65.8×幅64×厚さ22.6mm カメラサイズ:全長36.9×幅28mm ●標準価格:4万8400円
ケーブルはわずか4本。機種を問わず取り付け簡単
ETC車載器のようにカードの出し入れがないので、ドラレコ本体はどこに取り付けてもいい。前後カメラのケーブルは各0.9mなので、車体中央に置くのが無難だろう。
電源ケーブルはバッテリー直結(黄)とアクセサリー電源(赤)の2本。長さに余裕があるので、配線レイアウトに応じて長さを調整して、市販の端子を使って接続する。
前後カメラは走行振動や揺れが少なく、レンズの画角に車体が映り込まない場所に設置する。仮固定状態でスマホと連動させて、実際の画像を確認すると良い。
フロントカメラのケーブルは、ハンドルを左右に切った際に突っ張らないようにレイアウトする。ヘッドライトやスイッチハーネスに沿わせるのが一般的。
キャリアやトップケースを装着している場合、リヤカメラの設置場所も重要。視野角が60°あるので、なるべく後端にセットした方が映り込みを少なくできる。
コントロールスイッチに内蔵されたGPSの機能を妨げないよう、操作スイッチが上面またはライダー正面になるように取り付ける。ボタンの押しやすさも考慮しよう。
コントロールスイッチのコネクターは付属のゴムチューブをかぶせる。カメラケーブルのコネクターは、ロックナットを締めた後に市販のビニールテープで固定する。
M820WDは、スマートフォンにダウンロードした専用アプリケーション「MiVue Pro」から操作する。M820WDとスマホがWi-Fiで繋がったら準備OK。
スマホのライブビューを確認しながら、カメラの画角を合わせる。設置場所によってヘッドライトの影響を受ける場合は、余計な光が入らないよう位置を変更する。
リヤカメラも同様に確認と調整を行う。キャリアに荷物満載でツーリングに出かけるライダーは、その状態を再現して、映り込みがないことを確認して位置を決定しよう。
ケーブル類をまとめたら、外装やカウル類と干渉しないことを確認して取り付け完了。イグニッションスイッチのオン/オフに連動して、録画の開始と停止が行われる。
コントローラーのスイッチで任意録画
自動的に行われる録画と停止と別に、走行中にコントロールスイッチのボタンを押すと、前後20秒ずつの録画が保存される。通常は上書きされるので、とくに残しておきたい時に便利。
鮮明な画質で前後同時録画
前後カメラの映像と走行経路はMiVue Proで確認できる。駐車監視モードでは、Gセンサーやモーションセンサーで異常を検知すると録画を開始する。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
メンテナンスで覚えて、カスタムで楽しむホンダのモンキー&ゴリラ シフトアップ製88ccキットを組み込み、ノーマルキャブのままでセッティング変更せずに普通に走ることができた、6ボルト仕様の初期型黄色ゴリ[…]
ネットで注文できる1サイズ&1プライスガレージ。完成状態で運搬されてクレーンで据え置きされる サンデーメカニックなら誰もが知る工具ショップ・アストロプロダクツのホームページ上に「BIKE小屋」という商[…]
前後バランス配分が崩れてしまったフロントまわりを構築 フロントフォークの動き云々もあるが、動き以前に長さが違って前後バランス配分が崩れてしまうと、まともに走れなくなってしまうのがバイクだと思う。とりわ[…]
歴史的な価値のあるパーツに使われることが多いマグリコート ホイールやエンジンカバー、といっても一般的な市販モデルではなく、アフターマーケットパーツやレース用のホイールやカバー類に使われることの多い、マ[…]
走行回数の多さと模擬レースのセットでコストパフォーマンスの高さは折り紙付き 絶版車やクラシックマシンでサーキットを走行してみたいが、レースに参戦するほどではない。あるいはクラシックレースにエントリーし[…]
最新の関連記事(ドライブレコーダー)
Mio MiVue M802WD:記録に特化したベーシックモデル 「いつも安全運転に徹しているし、自分が事故やアクシデントに遭遇することはない」と信じていられるほど、現実世界は甘いものではない。万が一[…]
ヘルメット装着式でさまざまなタイプに対応 今回、セールの対象となっているのがバイク用ドライブレコーダー”Driveman DD-1000″。セール期間は3月31日までで、最大6500円OFFとなる。 […]
スマートライドモニターがスマートフォン化! 2023年、業界に先駆けて登場した、Akeeyoのスマートライドモニター「AIO-5」。その後継機となるAIO-6が、2025年3月末からクラウドファンディ[…]
ドラレコ選びに大きく関わる“分離式/一体式”の違い バイク用のドラレコは、大きく「分離式」と「一体式」に分けられます。それぞれに一長一短の特徴があるため、ドラレコを選ぶ際にはまず、分離式と一体式とのど[…]
メンテナンス捗るスタンド類 ちょいメンテがラクラクに:イージーリフトアップスタンド 2890円~ サイドスタンドと併用することで、リアホイールを持ち上げることができる簡易スタンド。ホイールの清掃やチェ[…]
最新の関連記事(デイトナ)
バイクキャビン:小型エアコンを装備すれば抜群の環境に! 難しく考えることなく、手っ取り早く購入できるガレージとして高い人気を得ているのが、デイトナが取り扱う各種シリーズ製品だ。 全モデルに共通している[…]
ポータブル電源で作動する充電器が登場! いつでも必要な時に走行できるよう、常に意識しておかなくてはならないのがバッテリーのコンディション。「そんなの面倒」と思うかもしれないが、バッテリーは時間の経過と[…]
Mio MiVue M802WD:記録に特化したベーシックモデル 「いつも安全運転に徹しているし、自分が事故やアクシデントに遭遇することはない」と信じていられるほど、現実世界は甘いものではない。万が一[…]
放送中にはYouTubeからも同時配信! 株式会社デイトナは、デイトナの公式YouTubeチャンネル「デイトナ! ライド ア バイク!!」を展開している。その中のラジオ風トーク番組「バイクでレディオ」[…]
メンテナンス捗るスタンド類 ちょいメンテがラクラクに:イージーリフトアップスタンド 2890円~ サイドスタンドと併用することで、リアホイールを持ち上げることができる簡易スタンド。ホイールの清掃やチェ[…]
人気記事ランキング(全体)
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことがわかって[…]
空冷Zと日産のL型エンジンに特化したパムス カワサキのZ1やZ2など空冷Zのオーナー、あるいはファンの方にとってパムスは有名すぎるほどのファクトリーに違いありません。 レース畑だった私(今井伸一朗)で[…]
2023年モデル概要:400クラス唯一のクルーザーとして登場 カワサキ「エリミネーター/SE」の初公開は、2023年3月17日に開催された大阪モーターサイクルショーでのこと。発売はその約1ヶ月後となる[…]
ネットで注文できる1サイズ&1プライスガレージ。完成状態で運搬されてクレーンで据え置きされる サンデーメカニックなら誰もが知る工具ショップ・アストロプロダクツのホームページ上に「BIKE小屋」という商[…]
※価格や発売時期は独自の情報に基づく本紙予想です。販売店へのお問い合わせはご遠慮ください。 ターゲットはZ900RS。プライスも真っ向勝負?! 5年前に「CB-Fコンセプト」を目にした時の歓喜は忘れら[…]
最新の投稿記事(全体)
メンテナンスで覚えて、カスタムで楽しむホンダのモンキー&ゴリラ シフトアップ製88ccキットを組み込み、ノーマルキャブのままでセッティング変更せずに普通に走ることができた、6ボルト仕様の初期型黄色ゴリ[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc 400ccクラスは、普通二輪免許を取ってから間もないビギナーも選ぶことができる排気量帯で、16歳から乗ることができる。 そんな400cc[…]
完全に消える? それとも復活する? ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「Ninja ZX-4R」が登場し、唯一無二[…]
マイナーチェンジを実施し、ヘリテイジカラー追加 並列3気筒845ccエンジンを搭載する“ネオレトロ(Neo Retro)”ロードスポーツバイク「XSR900 ABS」。独特のサウンドも魅力の並列3気筒[…]
意表をついたZ1-RデザインがカワサキZの新しいトレンドに! 1972年に世界で量産されていなかった900ccのDOHC4気筒で大成功を収めたカワサキ。 しかし王座に君臨していられた時期が長く続いたわ[…]
- 1
- 2