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サスペンション/ブレーキ/クラッチ/ホイールなど、足まわりに関するプロショップとしてパーツ開発/販売を行うアドバンテージ。最近ではバイクメーカーが製造販売を終了した純正パーツを復刻する”廃番プロジェクト”が好評な一方で、アドバンテージならではの開発力を生かしたパーツに対する注目度も高まっている。ここでは絶版車をアップデートできるフットワークパーツを紹介しよう。
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ●外部リンク:アドバンテージ
クラッチジャダーや異音に悩むZ1オーナーに最適。Z1000J用純正部品×FCC製パーツのオリジナルコンバートキット
カワサキ初の4スト4気筒モデルであるZ1/Z2は、過剰とも言える耐久性を備えて開発され、その結果半世紀近くにわたって、絶版車人気の中心的モデルとして多くのユーザーに愛用されてきた。とはいえ経年劣化が否めない部分もある。そのひとつがクラッチハウジングである。
クラッチミート時にフリクションディスク外周の突起が回転方向に当たることで、クラッチハウジングが段付き摩耗することは機種を問わずあり得るが、Z1〜KZ1000MkⅡに至る一連のクラッチハウジングは、内蔵するスプリングがハウジング自体にダメージを与えている例が少なくない。
もちろん純正部品は販売終了だが、アドバンテージでは後継機種であるZ1000J用純正部品とFCC製パーツを組み合わせたオリジナルコンバートキットを開発した。
【アドバンテージ FCCトラクションコントロールクラッチキット】クラッチハウジングの軽量化/小径化によって慣性重量が小さくなる。これによりレスポンスが向上する上に、コーティング仕様のクラッチハブやプレッシャープレートによって耐摩耗性も大幅にアップ。実用性とチューニングを両立できるパーツだ。●カワサキZ750FX-1/Z1/Z2/Z1-R/MkⅡ系 Z1000J用コンバートキット ●価格:11万8800円
肝心のクラッチハウジングは軽量なアルミ製となり、ハウジング外周も10mm以上小径化されることでレスポンスが向上。またプレッシャプレートがボールベアリング支持となることで、クラッチ操作時のフリクションロスも大幅に軽減される。
Z1系エンジンのクラッチハウジングを着脱するには、クランクケースを開けなくてはならないのが唯一のハードルだが、オーバーホール時には装着したいパーツである。
リベット止めで組み立てられたクラッチハウジングとプライマリードリブンギアは非分解で、チューニングや過走行によって、純正のスチール製スプリングリテーナーやハウジングがダンパースプリングによって削られてしまうこともある。Z1~MkⅡとZ1000Jは一次減速比が同じなので、Z1000J用のクラッチハウジングが装着でき、J用のプライマリードリブンギアはZ1用より薄いためその分も軽量化できる。クラッチジャダーや異音に悩むZ1オーナーには最適のパーツだ。
長期不動車ではフリクションディスクとスチールプレートがサビで張りついていることも多いが、同時にスチール製クラッチハウジングが錆びている場合もあるので要注意。この画像のエンジンは走行距離が少ないため問題はないが、クラッチ断続時のショックを吸収するスプリングが擦れてハウジングを削ってしまうこともある。
注目度が高まる2ストローク250ccモデル向けのEXACTホイールを続々リリース!!
アフターマーケットのホイールは大型車向けが主流で中型クラス用が少なく、流用できる純正ホイールも数が減りつつある。かつてはRZやTZRのカスタムにレーサーのTZ250用パーツが流用されたが、TZ自体の数も減少してきている。設計や鍛造用の型を自社で管理するアドバンテージでは、そうした市場の動きを敏感に察知して新製品を開発している。
【アドバンテージ イグザクトIIレーシング10】 ●ヤマハTZR250(3XV)用 アルミニウム/マグネシウム鍛造10本スポーク ●価格:35万2000円[Al] 46万2000円[Mg]
イグザクト(EXACT)は、軽量化はもちろん衝撃吸収性や操縦性にも配慮して開発されたオリジナルホイール。鍛造製法のメリットを生かすため、切削加工を最小限にとどめた設計にこだわり、その強度は国内屈指のホイールメーカーのテストラボのお墨付き。アドバンテージでは、人気高騰中の2ストローク250レーサーレプリカおよびスポーツモデル用のラインナップ充実を図っており、TZR250(3XV)用に続きR1-Z用もリリース。またRGV250ガンマ(VJ22A/23A)用も市販化に向けた開発を進めている。
レーサー用ホイールと言えども、1990年代半ばに製造された250ccレーサーレプリカと同年代のパーツを使用するのはさすがに心配という声もあり、イグザクトを選択する2ストユーザーは多い。開発段階では壊れること前提に薄く軽くして、そこから必要に応じて要所を補強することで製品化していくのが開発のプロセス。JWLの刻印入りで公道使用も可。
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