
●記事提供:モーサイ編集部 ●文:睦良田 俊彦
白バイ警察官になるためのファーストステップ、必要なのは執拗なアピールや根回し!?
警察官になっても、すぐに白バイ警察官になれる訳ではありません。白バイ警察官になるには、まず「白バイ隊員になりたい」と希望しなくてはいけません。しかし、いくら希望していて、バイクの運転が好きだとか上手いからと言っても、白バイ警察官になれる訳でもありません。まず、警察官として日々の勤務で実績を積み上げて、アピールすることが必要となります。今回は、そんな実体験をお話しようと思います。
非番や休みの日も、交通課へ配属希望をアピール
白バイ警察官に限らず、専門の課へ入りたい場合は、それぞれの課へアピールすることが必要です(刑事課、生活安全課、警備課など、色々あります)。そして白バイ警察官になるには、交通課へ入らなくてはいけない場合がほとんどです。しかし、勤務実績やアピールだけでなんとかなる訳でもないのです。仕事の実績によるアピール以外にも、非番や休みの日を使い、行きたい課で仕事している先輩や階級が上の人などに挨拶に行ったり仕事を手伝ったりして、自分の名前を知ってもらうことも必要です。
そこで可愛がられたりして認めてもらえると、希望の課への異動が実現しやすくなります。しかし、頑張って希望の課へ入る努力をしたとしても、人数の空きなどによって、まったく希望していない課へ配属となる残念なケースも多くあります。本当は刑事課を希望していたのに生活安全課に行くということもザラにあり、希望の課への道を諦める人が多いのも事実です。
また人間関係もかなり大事な要素になってきます。自分の直属の上司などに嫌われてしまったり、仕事で失敗を繰り返したり、適当な仕事をしていると、課の垣根を超えて悪い噂は瞬く間に広がってしまいます。
特に専門の課の人達は優秀かつ若い人材を欲しがっているので、新人警察官の仕事ぶりや評判、噂話などに敏感になっている人も多いのです。極端な話、理不尽な要求をしてくる上司がいても、口答えしようものなら将来、希望の部署へ行けなくなる恐れもあります。
希望する交通課へ入れたら
当たり前ですが、とにかく仕事を一所懸命します。パトカーでの取り締まり、徒歩での取り締まり、駐車違反の取り締まり、苦情や相談等も職務の一つです。与えられた仕事はもちろん、自ら進んで仕事をして、「気が利く新人がいる」と噂になるくらい先輩や上司にアピールし「白バイに乗りたい」という希望を言い続けます。
そして、仕事内容や勤務態度で一定以上の評価をしてもらえると、上司が白バイ警察官への希望調査に関する情報収集や白バイ警察官への推薦を積極的に行ってくれる可能性が高まるのです。上司に現役白バイ警察官の同僚や知人がいると話は早く、「白バイを希望している若い奴がいる」などと話をしてくれたり、名前を売ってくれる場合もあります。
意外と言うかやっぱりと言うか、コネの力が大きく働く場合もあります。都道府県警により異なると思いますが、様々な所属から名前の上がった白バイを希望する若い警察官が選ばれ、白バイ警察官を育成するカリキュラム等への参加が認められるのです。ですが、このカリキュラムには定員があり、交通課に入ってから運よく数カ月で声が掛かる人も入れば、数年待っても声が掛からない人もいます。
地域によって異なる白バイ警察官の育成
白バイ警察官を育成するカリキュラムに参加することが、まず最初のスタートとなります。カリキュラムの内容や期間については各県により異なるので、詳細については割愛します。また白バイ警察官の運用についても、それぞれの県で大きく異なります。大まかに言うと交通機動隊にしか白バイが配置されていない県があったり、交通機動隊とは別に各警察署に白バイが配置されていたりする県もあります。
交通機動隊にも各県で特色があり、白バイ隊員とパトカー隊員とに分けられて構成されている県があったり、白バイ隊員とパトカー隊員の兼務となっている県もあります。警察署に白バイが配備されている県では、警察署の白バイ警察官と交通機動隊の白バイ隊員とに分けられます。警察署と交通機動隊、どっちが上ということはありませんが、交通機動隊の白バイ隊員の方が交通取り締まりのプロという風潮があります。
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