なぜ慣らしが必要なの?

「新品のタイヤが滑る」といわれる理由は? 「皮むき」ってなんだ?


●レポート:山本晋也 ●写真協力:住友ゴム(ダンロップ)/ミシュラン ●編集:モーサイ編集部(小泉元暉)

新品タイヤにはワックスや剥離剤が塗られている

愛車のタイヤを新しく換えると気持ちがいい。減っていたタイヤに比べると表面はピカピカしているし、いかにもグリップしそうな気になってくる。

とはいえ、ご存知のように新品タイヤでいきなり全開走行をするのはNGだ。それはタイヤ表面がピカピカしていることに理由がある。

通常、タイヤというのはゴムやカーカス(タイヤの骨格となる強靭な繊維をゴムで覆った層)などを組み立て、それを金型に入れて加熱・加圧することで成型している。そして、型からスムーズに抜き取るためには、表面に剥離剤などの化学薬品を塗っておく必要がある。

つまり、新品タイヤの表面にはワックスが薄く塗られている状態なのだ。
本来、ゴムの変形や表面摩擦などでグリップを発揮するのが、タイヤの役割だ。その表面にワックスが塗ってあるのでは、正しく性能が発揮できないことは火を見るよりも明らかだ。

※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。