第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

走ってわかった驚異の「性能持続性」MICHELIN ANAKEE ADVENTURE

1万km走ったのに、パフォーマンスが落ちない! [ミシュラン アナキー アドベンチャー]ロングランテスト

  • 2019/8/26

走りのよさで人気のアナキーアドベンチャー、リアルに長期間使い込んだらどうなるのか? そんな疑問に答えるべく1万㎞走行テストを敢行。見えてきたのは、恐るべき耐久性と性能持続性だった。偏摩耗もなく、最後までパフォーマンスは高いままだったのである。

MICHELIN

いざ、スタート!

慣らしが終わってちょっと走った程度のほぼ新車状態のアフリカツイン(DCT仕様)でテストを開始。どこまで走れるかな~

注意深く観察しないと変化がわからないほど

世界的アドベンチャーマシン人気にともなって、それらのマシンが装着するタイヤもここ数年で非常にハイレベルとなった。それだけでなく、選択肢が広がって来ているのも注目すべき点である。基本的にはオンロードしか走らない人。反対にオフロードメインの人。その中間層。しかし、4×4のゴツイ車にブロックタイヤをはかせる非オフローダーが少なくないのと同様、オフ志向のタイヤを履かせたいオーナーも少なくなかった。

「AJ」とは

[TESTER:鈴木大五郎]さまざまなメディアに執筆するモーターサイクルジャーナリスト。主宰するライディングスクールのほか、様々なメーカー等でもインストラクターを務める。

しかしである。全体的にこのジャンルのタイヤレベルが上がってきているとはいえ、やはりオンロードでそれらを使うと、乗り心地の悪化。絶対的グリップだけでなく、ハンドリングの違和感。接地感の減少。また、走行ノイズの増大やウェット時の不安感……。

オフロードでの走破性やカッコ良さと引き換えに、通常使用のシチュエーションではネガを感じる場面が少なくなかった。

そんなニーズに対応したタイヤも各社からリリースされている。見た目はオフルックであるが、中身はオールラウンダーというアドベンチャーマシンそのもののキャラクター。

ミシュランからリリースされたアナキーアドベンチャーもこのジャンルに属する次世代のタイヤといえる。

まず、乗り心地の良さが高いレベルに保たれていることに感心する。

むしろオンロード志向のタイヤよりも当たりがソフトで、乗り心地がよいほど。これはブロック部のハイトによる軟らかさの恩恵か。しかしこうなると、このブロック部がグニャグニャと動いてしまい……といった不安も、ブロック間にブリッジを設けたことにより、剛性感も高く保たれているのである。また、そのゴムの吸収性もポヨンポヨンと動きに収拾がつかなくなるようなことがなく、ゴムに適度なダンパー性能が組み込まれているような印象で、無駄にマシンの揺り返しがない。

このタイヤの軟らかいフィーリングはそのままタイヤのグリップ感にもつながっていて、コーナーリングでも高い安心感を保つ。腰砕けにならず、高いグリップ性能を確保しているのだ。

【ミゾの残量はどう変わった?】新品と比較して溝の残りを計測(センター部分)。フロント5.42mm→4.38mm、リヤ8.59mm→6.08mmとまだ7~8部山状態! この間に、林道やオフロードコースも走っているんですけどね~

テスト車両はホンダのアフリカツインで、フロントに21インチホイールを装着している。そのためか、ハードに攻め立てるとややフロントのグリップが心許ない印象があることは否めないのであるが、これは長いサスペンション等も含めた車体設定によるもの。OEMタイヤに対しては、大幅にグリップ感が高まっている。また、これはフロントに19インチタイヤを装着しているモデルであると、よりグリップ感や安心感を持つことが出来ることも確認済みだ。

ロードノイズに関しては、従来型のアナキー3よりも静粛性が高まっているとのこと。

とくに高速巡行という、もっともノイズが気になるシチュエーション。マシンが直立した状態での静粛性は高く評価出来るものとなっている。そこからほんの少し左右にマシンをバンクさせた際には、ノイズとともにタイヤからの抵抗を感じるのであるが、上手く折り合いをつけている印象である。

といった、新品状態のタイヤのインプレッションが、1万キロの耐久テストをする間にどう変化するのか? というのが今回のミッション。

5000kmくらいから徐々に……といったレポートをお届けする予定だったのだが、なんと1万kmを達成した現在でも基本性能はほとんど変わらないのだから驚いた。

さすがにリヤのセンター部は多少減りが進み、やや台形になりつつあるものの、その距離を考えれば消耗度は非常に少ないといえる。リヤタイヤに意識をもっていき、その形状を意識すればハンドリングに変化がないとはいえないものの、それはテスター目線の厳しい評価軸でのこと。ゴムの弾力性もまだまだ損なわれておらず、交換しようという気にはならない。

マシンがアフリカツイン。そして、DCTというメリットも大きいとは思われるが、驚異的といえるライフ。そして、なにより基本性能の落ち込みがほとんどないことに驚かされた。

まさに次世代のタイヤといえるかもしれない。

摩耗状態のビフォー&アフター

ブロックは角が面取りされており、偏磨耗を抑制。という狙い通りの進行具合。ブリッジブロックでヨレを抑えることで、安心感とともに耐久性も確保。

トレッド形状のビフォー&アフター

フロントはブロックの角が少し削れている程度で形状の変化は殆んどなし。リヤはセンターが多少減ってきて、台形になりつつあるが、距離を考えれば……

1.慣らし運転[1万㎞でどう変わった?]

新品から履き替えて、走り始めてすぐに馴染める自然さ。そこから現在まで、ほとんどフィーリングに変化なし。皮むきや慣らしを特別意識することはなかったですね。

2.ハンドリング[1万㎞でどう変わった?]

リヤタイヤの磨耗の影響か、スムーズなバンキングにちょっと変化が訪れています。とはいえ、それはリヤに意識を集中して感じる程度。軽快なハンドリングの本質に大きな変化はありません。

3.グリップ性能[1万㎞でどう変わった?]

装着から3000kmくらいまでのほうが路面への密着感は高かった気もしますが、慣れでしょうかね? マシンのキャラクターもありますが、現在でもグリップレベルに不満はありません。

4.乗り心地[1万㎞でどう変わった?]

ゴムの厚みが減った分、クッション性は多少落ちてきているでしょう。振り返ればもうちょっと乗り心地は良かった気がしますが、 歯ブラシでいうと、毛先はまだ立っている感じです。

5.直進安定性[1万㎞でどう変わった?]

もともと、わりと応答性の良いフロントタイヤなのですが、安定性に不満はありませんでしたし、それは1万キロ走行後も変わりはありません。振動やノイズも変化なし。

GOAL!

さすがに全部は走れず、途中編集部にも手伝ってもらったが、自分がメインに1万kmを走破!実走しないとわからないことを再確認した。

MICHELIN ANAKEE ADVENTURE[ミシュラン アナキー アドベンチャー]

アドベンチャーマシンに似合うオフルックの見た目。そして性能と同時に、オンロードでの高い性能を両立。ウェットグリップ&耐久性も高レベル。

見た目によりオフの割合が高まっているように想像出来るが、実際はオフでの走りは当然のこと、オンロードでの性能もブラッシュアップ。とくにウェット性能を強化。

●文:鈴木大五郎 ●写真:山内潤也 ●取材協力:日本ミシュランタイヤ

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帰ってきたネイティブ足立区民。ヤングマシン、姉妹誌ビッグマシンで17年を過ごしたのち旅に出ていた編集部員だ。見かけほど悪い子じゃあないんだぜ。
■1974年生まれ
■愛車:MOTOGUZZI V7 SPECIAL(2012)