全体的に車両価格が上がったこともあって、諸費用を含んだコミコミ価格も上昇中。装備や機能が大幅強化されていることを考えれば納得できるが、それでも昔は良かったな〜と思うユーザーも多いだろう。そこで性能と価格のバランスが良いと感じている、コミコミ価格300〜350万円で狙えるモデルに注目。編集部がこれはアリ!という注目すべきSUV(スバル フォレスターX-BREAK/マツダCX-60XD/トヨタ ハリアーS)を紹介しよう。
●文:月刊自家用車編集部(ハラ)
スバル フォレスターX-BREAK
スバル フォレスター
- 価格:299万2000〜363万円
- 注目グレード:X-BREAK(313万5000円)
- 車両本体目標値引き額:23万円
- リセール予想:C+
- 納期の目安:6か月以上
この夏に実施された一部改良時に約2%の値上げを行ったが、それでもミドルSUVとしては魅力的な価格帯で狙うことができるフォレスター。じわじわと長引きつつある納期は少し気になるが、このミドルSUVを検討しているユーザーにとっては外せない1台だろう。
そんな現行フォレスターの中で注目したいのはX-BREAK。2Lエンジン+モーターのe-BOXER(145PS/19.2kg-m+10kW/65Nm)に、内外装をオフローダー風味に仕上げた中級グレードになるが、値引きも考えれば純正ナビを装着してもコミコミ350万円の予算内で狙うことができる。
本格ハイブリッドやディーゼルターボといった燃費に優れる仕様も選べるライバル勢に比べると、実燃費は物足りなさを感じてしまうが、使い勝手と質感を兼ね揃えたキャビン&荷室や、アイサイトがもたらすクラストップ級の安全運転支援機能、日本の雪道レベルならば難なくこなせる悪路走破性能など、SUVとしての基本性能に優れるモデルがコスパ良く狙えるのは大きい。
寒冷地に居住するユーザーはもちろん、レジャーで便利に使えるクルマを探しているユーザーにとっては、価格と性能のバランスに優れるフォレスターは見逃せない存在になるはずだ。
マツダ CX-60 XD
マツダCX-60
- 価格:299万2000〜626万4500円
- 注目グレード:XD 323万9500円(2WD)/346万5000円(4WD)
- 車両本体目標値引き額:13万円
- リセール予想:B
- 納期の目安:3か月以上
新開発のFRプラットフォームを採用したことでも話題を集めている最新マツダSUV。
上級パワートレーン(PHEV/ハイブリッド)搭載モデルや本革シートの上級グレードが設定されていることもあって、ワンランク上のプレミアムSUVと見られる向きもあるが、ガソリン/ディーゼルターボの内燃機モデルのエントリーグレード(標準仕様)は、リーズナブルな価格に設定されている。
豪華絢爛な上級グレードの内装と比べると加飾はシンプルだが、ツボを押さえた基本設計や質にこだわった造りは同じ。2.5Lガソリン車(188PS/25.3kg-m)なら299万2000円〜、3.3Lディーゼルターボ車(231PS/51.0kg-m)なら323万9500円〜と、コミコミ350万円でも狙うことが可能だ。
ちなみにディーゼルターボ車の方がおおよそ25万円ほど高くなるが、性能差を考えればディーゼルターボ車の方がオススメ。さらにディーゼルターボ車は2022年中ならば自動車税などが免税になるメリットもあるため、実質的な価格差はさらに縮まることも見逃せないポイントだ。
トヨタ ハリアー S
トヨタ ハリアー
- 価格帯:312万8000〜620万円
- 注目グレード:S 312万8000円(2WD)/332万8000円(4WD)
- 車両本体目標値引き額:35万円
- リセール予想:A
- 納期の目安:12か月以上
10月にプラグインハイブリッド(PHEV)車を追加する一部改良/車種追加を実施したばかりのハリアー。トヨタ自身が“ハリアーネス”なる造語で独自の世界観をアピールするなど、国産屈指のプレミアムSUVとして君臨しているモデルでもあるが、実はエントリーグレードの際立った買い得感も見逃せない特徴だ。
現行モデルの2Lガソリン車(171PS/21.1kg-m)のSの場合、2WD車は312万8000円(一部改良前は299万円だった)と、プレミアムSUVのビックネームらしからぬ価格で狙うことができる。
Sはフロントシートがファブリック&マニュアル式で、パネル加飾もシンプルなデザイン。ディスプレイオーディオも8インチモニターと、上級グレードと差が付けられているが、トヨタセーフティセンスなどの基本的な機能装備はほぼ同等の機能が備わっている。良質なクロスオーバーSUVを求めるユーザーにとっては選択肢からは外せないモデルだろう。
ただ、購入を検討しているユーザーにとって、いま最大のネックとなっているのが納期の長さ。
コロナ禍を起因とした部品不足の影響もあって、トヨタのモデルはいずれも納期が長期化しているが、ハリアーはその中でもっとも大きな影響を受けている1台。一部改良前から多くのバックオーダーを抱えていたが、未だに解消の目処は立っていない状態が続いている。編集部に寄せられるユーザー情報でも納期の長期化が顕著になっており、現時点ではガソリン車でも12か月以上が目安になっている。
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