市街地・高速・ワインディング徹底比較

特集:気になる!? 兄弟車試乗インプレ対決【Z900 vs Z650/MT-09 vs MT-07】

兄弟車試乗インプレ対決

デカい方がエラい! 速い方が正義! それが世の中の絶対真理ィィィ!! ……というのはスペック至上主義世代のライダーにとって疑う余地のない事実。でもホントにそう? 無理してない? 探し求めていた理想は案外その下にあるかも!? というワケで、本特集では同一シリーズにおいて兄弟関係にあるモデルを乗り比べてみた。対決は「Z900 vs Z650」と「MT-09 vs MT-07」の2戦。人気の兄か? いぶし銀の弟か? 市街地・高速・ワインディングの3ステージでのパフォーマンスを徹底比較すべく、東京のヤングマシン編集部から西伊豆間の往復約400kmの試乗インプレ&採点に臨んだ。

兄弟車対決その1:カワサキ Z900 vs Z650

まずは第1戦、カワサキZシリーズの対決だ。かたや、欧州でネイキッドブームを生んだZ1000をベースとしたネオ4発NK・Z900。こなた、長らくカワサキのミドルクラスを担っていたER-6nがフルモデルチェンジして生まれた、ザッパーの再来!?・Z650。果たして兄貴分が貫禄を見せつけるか、それとも弟分が勝負をひっくり返すか!?

カワサキZ900 vs Z650

#1:主要スペック&ライポジ比較

Z900は、欧州でネイキッドブームを生んだZ1000をベースに、948ccの直4エンジンを独自の鋼管フレームに積んだモデル。欧州で’17年にデビュー後、国内には今春から投入された新作ネイキッドだ。一方のZ650は、’06年よりカワサキのミドルクラスを代表していたER-6nがメインフレームを一新して、’17年同車へフルチェンジ。650ccとは思えない軽量&コンパクトさが心地よいハンドリングを生み出す一台だ。

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カワサキZ900 vs Z650

#2:街乗り&高速走行

街乗りについては、現実的には優劣と言えるほどの違いはほとんどなく、好みも含めた微妙な差が積み重なった結果と言ってよさそうだ。一方、高速走行においては、余力あるエンジン、車重により安定感のあるZ900に軍配が上がった形だが、アンダーパワーのZ650は小さいながらもメーターバイザーが機能し、空力のよさが光った。

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カワサキZ900 vs Z650

#3:ワインディング&採点結果

ワインディングはZ650がZ900を多くの要素で圧倒。軽さがもたらす素直なハンドリングで、”クルクル回りピタッと走れる”フレンドリーなキャラクターが生きた形だ。そして採点の結果、最終的に軍配が上がったのは兄貴分・Z900か? それとも弟分・Z650か?

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カワサキZ900 vs Z650

兄弟車対決その2:ヤマハ MT-09 vs MT-07

続いて第2戦はヤマハMTシリーズの兄弟対決。兄貴分は845ccの3気筒エンジンが独特かつ強烈なダッシュを生むMT-09、弟分は2気筒688ccエンジンが爽快かつ刺激的な走りを生むMT-07だ。車格が異なる両車だが、その走りにはどのような違いがあるのだろうか?

ヤマハMT-09 vs MT-07

#1:主要スペック&ライポジ比較

MT-09は、’14年のデビューからまもなく大ヒットをもたらした新生MTシリーズの始祖モデル。845ccの3気筒エンジンが独特かつ強烈なダッシュを生む。’17年にモデルチェンジし、新装備を獲得している。一方のMT-07は、400cc・ミドルクラス並みのコンパクトな車体に、全域でトルクを発揮するクロスプレーン2気筒エンジンを搭載。アップライトな姿勢と上質なハンドリングで、爽快かつ刺激的な走りを生む一台だ。

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ヤマハMT-09 vs MT-07

#2:街乗り&高速走行

街乗りについては、兄貴分のトルクか、弟分の開けやすさか。兄貴分の安定感か、弟分の軽やかさか。それぞれのどこを評価して、なにを取るかだが、どちらをどう選んでも「こんなはずじゃなかったのに…」的な失敗はないだろう。高速走行においては、MT-09のライディングポジションに向き不向きが。シート座面の傾斜がキツく、ハンドルはワイド、ステップも後退気味にセットされていることがネックになった。

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ヤマハMT-09 vs MT-07

#3:ワインディング&採点結果

ハッキリとアグレッシブさを打ち出すMT‐09とは対称的に、のんびりと牧歌的なエンジンを持つMT‐07。その違いがワインディングにおいてはっきりと現れた。そして採点の結果、最終的に軍配が上がったのは兄貴分・MT-09か? それとも弟分・MT-07か?

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●文:伊丹孝裕/八百山ゆーすけ/二宮祥平/松田大樹 ●写真:真弓悟史/松井 慎
※『ヤングマシン2018年10月号』掲載記事をベースに再構成