俳優/ミュージシャンとして、テレビ/映画/舞台/音楽シーンなど多方面でますます活躍中の武田真治さん。プライベートでは根っからのバイク好きとして広く知られ、今回は愛車のスポーツスターアイアン883で、三重まで往復900km超の大冒険”お伊勢参りツーリング”へ!
●文:ウィズハーレー編集部(青木タカオ) ●写真:夏目健司 ミヤシーノ宮下豊史 ●外部リンク:ハーレーダビッドソンMJM札幌
故郷・北海道から1週間をかける“大人の同窓会”
テレビ/映画/舞台への出演のほか、音楽シーンなどマルチに活躍する俳優/ミュージシャン・武田真治さん。芸能界きってのバイク好きとして知られ、これまで『ウィズハーレー』誌でもツーリングを楽しむ姿を掲載してきたが、今回もまた愛車スポーツスターアイアン883にてロングライドをこなした。
向かった先は、日本国民の総氏神とされる伊勢神宮(三重県伊勢市)。道中をともにしたのは、ハーレーダビッドソンMJM・札幌GMの間島且人さんら屈強なハーレー乗りたちだ。
真治さんの故郷・北海道から1週間をかける長旅は、中学生時代の同級生・結城安文さんがリーダーとなるハーレーチーム“BLACK NOTE”による毎年恒例の“大人の同窓会”となっている。真治さんは、こう言って目を細める。
「気の合う仲間たちと一緒に走れて、楽しいですし、嬉しいです」
日が昇るとともに、ハーレーで1日中たっぷりと走れば、強い陽射しを浴びて冷たい雨にも当たる。同じ風や匂いを感じた仲間たちと、夜は宴で大いに盛り上がる。多忙な日々を過ごす真治さんにとって、かけがえのない時間だ。
「いよいよ明日は伊勢神宮へ」という夜には、感謝の気持ちを込めて、親友の結城さんにレザージャケットをプレゼント。拍手が鳴り止まない。照れくさそうに笑う結城さんは、すぐに羽織って「ピッタリだ」と、とても嬉しそう。武田真治さんも「喜んでくれてよかった」と微笑み、2人はがっちり肩を組んだ。
翌朝、真治さんらは旅の目的地である伊勢神宮へ無事に到着した。2000年の歴史を持ち、全国から多くの人が足を運ぶ“お伊勢さん”。北海道の仲間たちが「一度は足を運んでみたい」と、今回のお伊勢参りツーリングが決まった。
伊勢神宮は、皇大神宮(内宮=ないくう)と、豊受大神宮(外宮=げくう)を中心とした125社のお宮とお社の総称で、正式には「神宮」という。天照大御神(あまてらすおおみかみ)の食事を司り、衣食住などさまざまな産業の守り神である豊受大明神(とようけだいじんぐう)を祀る外宮から先に参拝し、その後に日本人の総氏神である天照大御神を祀る内宮を回るのが、古くからのならわし。
「神聖な気持ちになりますよね」
作法を守って参拝し、みんな一緒にご祈祷も受ける。凛とした空気の中、真治さんは心身ともにリフレッシュできた。
日常の生活から、神聖な世界へ渡る内宮の玄関口が宇治橋だ。お参りが済み、橋を渡ると、現実世界へ引き戻される。乗る予定のフェリーに間に合うため、すぐに出発しなければならない。
内宮門前町のおかげ横丁では、昔からの名物である伊勢うどんや赤福をはじめ、食べたいグルメがたくさんあったが、諦めるしかない。安全運転を心がけつつ、フェリーターミナルへ急いだ。
伊勢湾フェリーは所要時間60分で、鳥羽と伊良湖を結ぶ海のバイパス。東への帰路へつくには圧倒的に速く、降り出した雨のことも考えれば安全でもある。
お預けとなっていたランチは、出港間近に喫茶コーナーで済ますことになったが、こちらだってとても美味しい。レインウェアを脱ぎ、ひとときのリラックスタイム。対岸に着けば、今夜の宿泊地・浜松までおよそ80km。真治さんらタフなメンバーにとっては、なんてことはない。
日常の生活から神聖な世界へ
今回のツーリングの最終目的地・伊勢神宮の歴史は、なんと約2000年! 古事記や日本書記にも登場し、神話とのつながりもある伊勢神社は、五十鈴川のほとりにある内宮(皇大神宮)と伊勢の山田原にある外宮(豊受大神宮)をはじめ、三重県伊勢市とその周辺に鎮座する125の宮社の総称。古くから「お伊勢さん」として親しまれてきた日本人の心のふるさとでもある。
同郷の親友へサプライズプレゼント
武田さんは、ジュノンスーパーボーイコンテストから芸能界入り。深夜ドラマの先駆けともいえる『NIGHT HEAD』で注目されると、『南くんの恋人』『若者のすべて』などの作品に出演。『御法度』ではブルーリボン賞に輝くなど、俳優として着実な実績を重ねていき、舞台やミュージカルなど映像作品以外でも幅広い活躍を見せている。
故郷・北海道の同級生・結城康文さんは、定期的にハーレーでのツーリングを企画し、応援を続けている。今回、感謝の気持を込めたレザージャケットが真治さんより贈呈された。
休憩を兼ねて伊勢湾フェリーで
参拝の後、伊勢志摩ならではの食べ歩きグルメを堪能できる「おはらい町通り」や「おかげ横丁」の散策を時間の都合で断念し、乗り込んだのは伊勢湾フェリー。三重県鳥羽市から愛知県伊良湖岬へ60分で結び、伊勢湾の雄大な景色を眺めながらのクルーズは快適。運が良ければ、イルカやスナメリに出会えることも。体と気分をリフレッシュし、再びツーリングを続けた。
武田真治さんと走ったハーレー乗りたち
武田真治さんと一緒に走ったライダーたちは、みなさんハーレー乗り。チームをまとめる同郷の結城さんはローライダーSTに乗り換えたばかりで、カスタムを進めていく予定。ハーレーダビッドソンMJM札幌の間島店長らが、北の大地からのロングライドをフルサポートした。
ハーレーを通じて仲間が増えていく
「楽しそう! 私も仲間になって、みんなと一緒に走りたい」と、夫を誘ったのは妻の尚子さんだ。今回のツーリングに、トライグライドウルトラ(トライク)でタンデム参加した仲田浩康さん。ご夫婦がまだ10代の頃、ホンダCB400NホークIIIに2人乗りで走った頃の思い出がよみがえる。
「ずっとバイクには乗っていなかったのですが、話を聞いてまた興味がわきました。大型二輪免許がなくても、トライクならハーレーダビッドソンの運転ができると知り、練習してきました。皆さん、とても親切に迎え入れてくださって、楽しくて仕方がありません!」
そう言って笑う仲田さんは、株式会社イートアンドホールディングス(東京証券取引所プライム上場)の代表取締役社長。同社は冷凍食品を全国の生協/量販店に販売し、加盟店向けの食材の製造/販売を行うとともに、中華料理/ 餃子専門店「大阪王将」をはじめ、らーめん専門店「よってこや」「太陽のトマト麺」など、国内外に461店舗(2023年8月末時点)を展開する。
大阪王将をルーツとするイートアンドホールディングスで、仲田さんは創業家外から初の代表取締役社長と、2017年の就任時から注目され続け、その優れた経営手腕は業界ではあまりにも有名だ。
結城さんらと事前にツーリングに出かけるなど、予行演習もしてきた。久々の長距離走行で、トライクはどうなのか? と浩康さんに聞くと、こう教えてくれた。
「クラッチのつなぎ方や、シフトチェンジペダルを下に踏み込んだらローギヤであるなど忘れていましたが、操作方法を教わったらすぐに思い出しました。大排気量でゆとりあるハーレーダビッドソンは、やっぱりいいですね」
味わい深い鼓動/トルクフィール/サウンドを堪能しているご様子。なによりも、トライグライドウルトラは、ハーレーの象徴のひとつ・バットウイングフェアリングを備えたスタイルで、圧倒的な存在感があり誇らしい。
それでは、リヤシートの尚子さんはどうだろうか? 「まるで豪華なソファに座っているかのよう。リラックスした姿勢のままで快適に移動でき、まったく疲れませんし、風が気持ちいいですね。それから、驚いたのはオーディオ。ヘルメットを被るのに聴こえるのかなぁって、走行前は思っていましたが、クリアで迫力のあるサウンドが高速道路でも体感できました。スゴイですね!!」
バイクで駆け抜けた2人の青春時代へ、ハーレーが引き戻してくれるかのよう。真治さんらが見守りつつ、ともに走った。
ハーレーダビッドソンを通じて、こうして仲間が増え続けていく。年齢/性別/業種を問わず、大人たちを魅了してやまない鉄馬。真治さんは「ひとりで走るのもいいし、こうしてみんなと一緒に走るのも、それぞれに良さがあり、最高に楽しいですよね」と話す。芸能活動が忙しいなか、25歳からバイクに乗り始め、新旧を問わず国産や欧州車を乗り継ぎ、ハーレーダビッドソンに辿り着いた。
「かけがえのない仲間たちと大好きなハーレーで走ることは、僕にとって贅沢な時間ですし、これからも続けます!!」
ご結婚され、女の子も誕生。温かいご家庭を築きつつ、真治さんのハーレーライフは決して終わらない。ロケットカウルを備え、ブラックで統一したアイアン883はカスタムをさらに進めていく予定。今後も楽しみでしかない!!
動画はコチラ
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