【検証】ガソリンタンクに鎖を入れてサビ落とし…昭和のテクニックで本当にサビは落ちる?

先人達は凄い。小手先ではなくて経験則に基づいた凄い技術を後世に遺してくれている。ビバ温故知新! ってことで、今回は「昭和なテクニック」でガソリンタンクのサビ落としに挑んでみるのです。「小石を入れる」「ボルトナットを入れる」そして「鎖(チェーン)を入れす」、そしてひたすらシェイクシェイク! 本当にこれでガソリンタンクのサビが落ちるのか? …いやいや、侮ることなかれ。その結果を刮目して見よ!!
●文/まとめ:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)
【YouTubeクリエイター:DIY道楽テツ】バイク雑誌の編集に携わったのち、20年以上の溶接の経験を活かしてDIYに勤しむYouTubeクリエイター。「バイクを元気にしたい!」というコンセプトで定期的に動画を配信している。最近では徒歩旅に目覚めたという。’76年生まれの2児の父。[URL]DIY道楽(メインチャンネル) / のまてつ父ちゃんの日常(サブチャンネル)
いや〜、それにしても。あのガソリンタンクの中が悲惨な状態までサビてるなんて思わなかった。…あっ、これはXR100モタードを直していた時の話です。
毎日毎日、長距離の通勤路を走り続けてトリップメーター8万5000kmオーバーの車体。鍵の紛失で開けられなかった、ガソリンタンクをやっと開けることができた時のこと。
通勤仕様だったし。毎日乗ってたし。流石にタンク内のサビはないかと思いきや…えっ?
まさかのサビサビ〜!!
こりゃ酷い。放置車両ならともかく、ずっと走っていた車両でどうしてここまでサビさせることができるのか??
ここはいっちょ試してみたい先人の知恵!
表面にうっすら浮いているとかいう次元ではなくて、明らかにザラザラとした重度のサビ。ここでいっちょ、先人たちの知恵。昭和のガソリンタンクサビ落としを試してみたくなりました。
使うのは…鎖(チェーン)!!
現代のタンクサビ落としクリーナーのような科学的なアプローチではなくて、鎖を擦り付けてサビを落とすという、なんとも強烈な物理的攻撃ですからして、その威力は推して知るべし。
とは言っても、私もはじめてトライするので、ぶっちゃけどれくらい効果があるかわかりません。タンクサビ落としクリーナーを使う前の、前哨戦的な軽いノリでトライしてみましょう〜!
やり方は簡単なれど腰痛には要注意!!
やり方は自体はとても簡単ですが、腰痛持ちの方にはオススメできません。結構ハードです。
まずは、内部洗浄のための洗剤と水を入れて、そして、ガソリンタンクの中に落ち込まないように紐なり針金なりで縛ったチェーンを給油口か中に入れます。
チェーンに紐をつけてざらざらっと入れます。いってらっしゃ~い
あとは…
ひたすらシェイクするのみ!!!
チェーンがガソリンタンク内部の全面を擦れるように、向きを変えながらひたすらシェイクします。
横方向、縦方向、そしてナナメにも。ひたすら、シェイクシェイクシェイク!!
これ、やってみればわかりますが、ガソリンタンクの重量+水の重さ+チェーンの重さに加え、慣性の法則が働くので、ガチでキツイです!!
休み休みですが、合計15分はシェイクしたでしょうか?
ハァ… ハァ…マジでしんどい。
これで効果無かったらマジで凹みますが…
さて、ガソリンタンクの中のサビはどうなったでしょうか??
ちょっとヤバかったのは、チェーンにビニール紐をつないでいたのですが、予想以上にハードな動きをしたようで切れかかっていました。危なかった!
(もしこれで紐が切れたら、タンクの中からチェーンを引っ張り出すのが地味に大変なので、皆様もお気をつけください)
さてさて出てきたチェーンはどんな状態かというと、びっくりするほど茶色に染まっています。
これは言うまでもなくサビが付着していると思われますが、考えていたよりかなり激しいシェイクになっていたようです。ビニール紐もボロボロだったし、これはひょっとすると効果の方も期待できるでしょうか?
高圧洗浄で洗って、果たしてガソリンタンクの中身は・・・?
タンクの内部を高圧洗浄機でしっかり洗います。
そして、肝心のガソリンタンクの中身がどうなったかというと…。
おっ?
よよよよっ!?
綺麗になってる~!!
さすがにタンクサビ取りクリーナーのように全てを化学的に変化させて錆を除去してくれるわけではないですが、あんなにザラザラに錆が発生していたのがまるで嘘のようにはがれてしまいました。
…えっ、どゆこと?
汚れていただけ??
いやいやいや、触って確認しているので、間違いなくサビが発生していましたが、こうやってアフターの写真を見ると、まるでズルしてタンクを入れ替えたのかのように別ものになってしまいました。
ええっと、ちょっと信じがたい結果ですが、紛れもない事実です。
結局、用意していたタンクサビとりクリーナーの出番なし!?
実のところをぶっちゃけちゃいますと、この「昭和のタンク錆落とし法」の効果はあまり期待していなかったので、あとでタンクサビ取りクリーナーを使う予定だったのですよ。そのために用意までしていたのですが…なんか無駄になっちゃいましたね(笑)。
ちなみに後日談ですが、このガソリンタンクはこの後も使い続けて、すでに2年近く経過していますが、まだサビは発生していません。確かにガソリンを入れるように気をつけてはいるのですが、特に問題もなく走っています。
先人の知恵、恐るべし!!
如何でしたでしょうか?
今回は鎖(チェーン)を使いましたが、ほかにもボルトナットを大量に入れる方法や、小さな石をたくさん入れるというワイルドな方法もあります。なんにしても結果はご覧になっていただいた通り、かなりの威力があることが証明されました。
実際やってみて感じたのですが、昔からの方法と、現代のケミカルな方法、どちらが優れてるというわけではなくて、適材適所で使い分けるのがいいのかもしれません。
特にケミカル類は、サビ落としには強いですがそれ以前の汚れには弱いので、サビ落とし前の洗浄方法として、今回のようなやり方を織り交ぜてみてもいいかもしれませんね~。
この記事が、何処かの誰か様の参考になれば幸いです。今回もご視聴ありがとうございました~!
動画解説はこちら↓
(↓)YouTube動画のほうでは映像付きで解説しているのでよかったら参考にしてください♪
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