1920年から始まった“伝説”が全面刷新!!【インディアン スカウト1250シリーズ試乗インプレッション】
インディアンスカウトシリーズが、エンジン、車体ともに刷新しフルモデルチェンジ。5モデル同時は同社にとっても史上最多のリリースだという。伝統のスタイル、スポーツ濃度を上げたエンジンと車体。今回は、ひと足先に海外で試乗する機会を得た。5つの個性、幅広いターゲットを狙う新型の個性も、駆け足でお伝えしたい。
●文:松井 勉 ●写真:インディアン・モーターサイクル ●BRAND POST提供:インディアン・モーターサイクル
磨かれた伝統と進化したスポーツ性
2014年に登場した先代のインディアン・スカウトシリーズは、1133cc水冷Vツインエンジンをアルミダ
イキャストフレームに搭載し、インディアンらしいスタイルで包んだ同社の人気モデル。4タイプが展開された、販売面でもインディアンの主力だ。そのスカウトシリーズが新型となり、一挙5モデルが登場した。
伝統的で美しいクルーザースタイル、カスタマイズへのアプローチをさらに身近にしたほか、走行性能を高め、多くの楽しみを封入することをテーマに開発は進められた。
メインフレームは先代のアルミダイキャストからエンジンの見え方、スペース効率をさらに高めたスチールチューブフレームへと置き換えられた。ラジエターサイズも20%小型化し外観をスッキリさせている。
ミドル、リヤフレームには薄肉のアルミダイキャストを使い、電子制御回りの部品を美しく収納する場所を捻出。マフラーを低い位置の1本出しとすることで、サドルバッグの容量も増加してみせた。
エンジンは1250ccとなり先代の97psから105psへとパワーアップ。大径バブルの採用や、4キロほどクランクも軽量化。吸入経路やエアボックスも最適化するなど、スムーズかつパワフルなエンジン特性を丁寧に作り出している。
モデルラインは、前19インチ、リヤ16インチのスポーツスカウト、101スカウトが走りをさらに楽しむ設定とされる。
前後16インチでフロント130、リヤ150サイズのタイヤでロー&ロングを視覚的にもさらに楽しめるクルーザーらしさを主張したスタイルを、スカウトクラシック、スーパースカウト、スカウトボバーで提案している。
101/スーパースカウトを除く3タイプではスタンダード、リミテッド、リミテッド+テックという、装備や外装色の違いを選択できるのも特徴だ。リミテッド+テックならキーレスとなり、アナログメーターが丸型の4インチタッチスクリーンTFTモニターに。
ライドコマンド、Bluetooth接続でスマホ連動も可能で、今どき装備なスカウトになる。今回試乗したモデルの多くはリミテッド+テック仕様(101/スーパースカウトは標準)であり、トラッドなスタイルと最新装備の融合も楽しめた。
軽快なハンドリングのスポーツスカウト
まずはスポーツスカウトの印象から始めよう。6インチライザーや小ぶりなフェアリングを持つこのモデル、19インチの前輪がもたらすハンドリングの軽快さが印象的。
低回転からトルクがスムーズに湧き出す新型エンジンの恩恵もあり、250kgほどの車重を感じさせない。シート高も700mmを切るもので、信号待ちでも足裏で路面を掴むことが出来た。
前にあるステップでシートに尻を押しつけるように走るとコーナリング時にもバイクとの一体感が高い。5000回転から上までスムーズで力強く伸びるエンジン。開けるのが楽しい。スポーツ、ロード、ツアーとなるモードはロードで十分楽しめた。
とびきりスポーツ性を上げた101スカウト
次に101スカウトの印象だ。こちらは新型の中でも、とびきりスポーツ性を上げたモデル。
前輪は19インチ、後輪16インチなのはスポーツスカウトと同じだが、倒立フォークとリザーバータンク付きの2本ショックをリヤに採用し、ラジアルマウントのブレンボキャリパーをダブルで前輪に装備する。
エンジンもコンピューターチューンで6psアップの111psを発揮。6インチライザーと肩幅より少し広いハンドルバーの組み合せで、上半身はリラックスしたネイキッドスポーツのよう。走り出しからトルク感が滑らかで力強く、3000、4000、5000と回すほどパワフルに感じた。
ワインディングの荒れた舗装も綺麗に吸収する上質な足が、とにかく印象的。軽いタッチでぐっと速度を落とすブレーキも乗り手の心を熱くしてくれる。
ライディングモードをスポーツにすると、ダイレクト感が増し一体感がスゴイ。名機、101スカウトの名に恥じない性能と装備。低い着座位置からコーナーを切り取る新鮮さを相当楽しめた。
“スカウト”はインディアンのアイコン!
最高速101マイルを車名に関した101スカウト。その誕生は1928年と今から90年以上を遡る。伝説を現在に封入するデザイン処理が、新型スカウトの見所となる。
低い回転でドロドロと走りたくなるスカウトクラシック
ここからは前後16インチのスカウトシリーズをチェックだ。まずはスカウトクラシック。
燕尾服のようなテールエンドとスポークホイールで、シンプルかつトラッドなクルーザースタイルが持ち味。エンジン、車体にもクロームパーツが多く、煌めき感を楽しめる。
前輪が130サイズの16インチで太く、後輪は150サイズで19インチモデルと同様ながら、どっしり重厚感がある。ただ、250kgほどの車重は他のモデルと大きく変わらないので、扱いやすさは同等レベル。
同じチューニングにもかかわらず、このモデルでエンジンを味わうとより低い回転でドロドロと走りたい気持ちになる。ストリートクルーズにもツーリングにももってこいの一台だ。
快適クルージングのスーパースカウト
次に装備充実のスーパースカウト。デタッチャブルスクリーン、サドルバッグ、5モデル中唯一タンデムシートを標準装備する。
テスト車はハイウェイバー、ハイウェイペグ、LEDドライビングライト、バックレストなど純正アクセサリーを装備してさらに世界観をビルドアップしていた。
クルージングでは快適な乗り心地とウインドプロテクションはさすがで、前後バイアスタイヤらしい穏やかなクルーズを楽しめた。バンク角こそ深くないが、ワインディングでも意外に楽しめる。
後で着けるなら最初から欲しいものが揃った一台、というモデルで、伝統的な色とグラフィックも魅力だった。
クラシカルレーサーを味わうならスカウトボバー
最後にスカウトボバー。往年のレーサーレプリカを再現したボバースタイルが持ち味だ。
短い前後フェンダー、低重心を確保する1インチストロークをカットした前後のサスペンション、ヘッドライトナセルの装備でクラシックさとカスタムテイストを引き上げている点は、インディアンのデザイナーの勝利だろう。
他のモデルよりも短いサスストロークだけに、それを使い切るとドスンと突き上げがくるが、高回転まで元気なエンジンが持ち味の新型スカウトらしい我慢のない走りを楽しめる。
シリーズではもっとも低いシート高になるし、ハンドルバーも遠目のセットで前傾姿勢をしっかり演出。クラシカルレーサースタイルを最新レシピで味わえるのが、最大の魅力だと感じた。
※本記事はインディアン・モーターサイクルが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。