
1980年代、激しいスペック競争が繰り広げられた400ccクラスのレーサーレプリカ。その過熱ぶりに一石を投じたのが、1989年に登場したカワサキ「ゼファー」だった。速さだけではないバイク本来の魅力を追求する新たな潮流は、やがて大きなブームへと発展。各メーカーから個性豊かなモデルが続々と登場した。今回は、そんな時代を彩った400cc・4気筒の名車12台を一挙に紹介する。
●文:ヤングマシン編集部
- 1 スペックで勝負する時代の終焉
- 2 逆張りのネオクラが大ヒット!「Kawasaki ZEPHYR」
- 3 コンセプトは“4ストのマッハ”「XANTHUS」
- 4 ネオクラに敵わず…「Honda CB-1」
- 5 スタイリッシュな山賊「SUZUKI BANDIT400」
- 6 風を感じる新型空冷直4「YAMAHA DIVERSION 400」
- 7 30年続いた4気筒ネイキッドの王道「CB400 SUPER FOUR」
- 8 ドリームCBフォアを彷彿!「CB400 FOUR」
- 9 空冷最強ネイキッドの座は譲れない「YAMAHA XJR400」
- 10 空冷XJRを超える運動性を狙う「YAMAHA FZ400」
- 11 水冷直4エンジンはGSX-R直系「SUZUKI GSX400 IMPULSE」
- 12 スズキならではの油冷エンジン「SUZUKI INAZUMA」
- 13 水冷角Zの元ネタはAMAローソン・レプリカ「Kawasaki ZRX」
スペックで勝負する時代の終焉
“スペックの高さこそがスポーツバイクの存在意義”と、多くのライダーが疑わなかったレーサーレプリカブーム。その全盛期ともいえる1989年に、カワサキが発表した「ゼファー」は、46psの空冷エンジンを鉄フレーム&2本ショックのシャシーに搭載。あまりのローテクぶりに、バイク業界では「ナニをいまさら感」が溢れたのが実情だ。ところがゼファーが発売されると下馬評を覆す大ヒット!
じつのところ当時のライダーたちは、行き過ぎたレプリカブームに疲れていたのかもしれない。スペック差が大きいとはいえ、レプリカの価格が高騰していた影響もあるだろう。
こうしてゼファーにより“気軽に付き合えるバイクらしいバイク”のネイキッドブームが始まった…が、今度はネイキッド内でパフォーマンス競争が勃発し、歴史は繰り返す。そして1995年の免許改正により教習所で大型二輪免許が取得できるようになると、400cc4気筒の熱狂は静かに収束していった。
逆張りのネオクラが大ヒット!「Kawasaki ZEPHYR」
レプリカブームも冷めやらぬ1989年に、突如カワサキが世に放ったゼファー。二世代前の空冷2バルブはレプリカ系より10馬力以上も低く、バイク業界での評判は芳しくなかったが、いざ発売されると驚異的な大ヒット!
【1989 Kawasaki ZEPHYR】主要諸元■空冷4スト並列4気筒DOHC2バルブ 399cc 46ps 3.1kg-m ■177kg シート高770mm 15L ■52万9000円
【1996 ZEPHYRχ】カワサキ空冷で初の4バルブとなるχ(カイ)は7psアップ。テールカウルのデザインなど細部を変更した。
コンセプトは“4ストのマッハ”「XANTHUS」
ゼファーとは真逆の、ZXR400系エンジンがベースの異端児。いわゆるストリートファイターの先駆けか!?
【1992 XANTHUS】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 398cc 53ps 3.7kg-m ■168kg シート高775mm 14L ■62万9000円
ネオクラに敵わず…「Honda CB-1」
CBR400RRのカムギアトレーン4気筒をベースに低中速を強化。1991年にアップハンとタンク増量、ギヤ比も変更したTypeIIも加わるが人気はいまひとつ…。
【1989 Honda CB-1】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 57ps 4.0kg-m ■168kg シート高775mm 11L ■64万6000円
太い鋼管でステア軸とスイングアームピボットを直線的に繋ぐ「マッスルチューブ」と命名した高剛性なフレーム。
スタイリッシュな山賊「SUZUKI BANDIT400」
パイプワークを強調したフレームにGSX-R系の水冷4気筒を搭載。1991年にはバルブの開閉タイミングとリフト量の可変機構を持つ“V”をラインナップ。
【1989 SUZUKI BANDIT400】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 398cc 59ps 3.9kg-m ■168kg シート高750mm 16L ■59万5000円
【1995 SUZUKI BANDIT400】基本デザインは踏襲するが新設計シャシーで3kg軽量化し、外装のシャープさを増す。バルブ可変機構のVも用意。
風を感じる新型空冷直4「YAMAHA DIVERSION 400」
新設計の空冷4気筒はおおらかな乗り味を追求するが、35度前傾したシリンダーやダウンドラフト吸気はFZR譲りのハイメカ。シャシーは輸出車の600と共有。
【1991 YAMAHA DIVERSION 400】主要諸元■空冷4スト並列4気筒DOHC2バルブ 398cc 42ps 3.5kg-m ■178kg シート高770mm 17L ■49万9000円
太い鋼管のダブルクレードルフレームにリヤはヤマハならではのモノクロス。広いシートでパッセンジャーも快適。
30年続いた4気筒ネイキッドの王道「CB400 SUPER FOUR」
1992年の「プロジェクトBIG-1」のコンセプトのもと、CB1000SFとともに登場。CB-1のエンジンをベースにカム駆動をチェーンに変更。2005年にハーフカウルのスーパーボルドールが加わり、FI化など進化・熟成を重ねるが、惜しまれながら2022年に生産終了。
【1992 Honda CB400 SUPER FOUR】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 53ps 3.7kg-m ■172kg シート高770mm 18L ■58万9000円~(写真左)/1992 Honda CB1000 SUPER FOUR(写真右)
低回転時は2バルブ(吸気:1、排気:1)、高回転時は4バルブ(吸気:2、排気:2)に油圧で切り替えるHYPER VTEC。後にSpecII、SpecIII、Revoへと進化した。
【2014 CB400 SUPER FOUR】新デザインのホイールや、シートレール部などを変更。カラー変更や排ガス規制対応などを重ねるが、2022年に生産終了。
ドリームCBフォアを彷彿!「CB400 FOUR」
CB400SFをベースに丸みを帯びた燃料タンクや4本マフラー、スポークホイールなどでクラシック度を増した。
【1997 CB400 FOUR】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 53ps 4.1kg-m ■192kg シート高790mm 15L ■57万9000円
空冷最強ネイキッドの座は譲れない「YAMAHA XJR400」
雰囲気ではなく、レプリカに走りで負けない“空冷最強”がコンセプト。新設計エンジンはクロスミッションも投入。1994年は足周りを強化したSが登場。
【1993 YAMAHA XJR400】主要諸元■空冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 53ps 3.5kg-m ■175kg シート高770mm 18L ■57万9000円
空冷XJRを超える運動性を狙う「YAMAHA FZ400」
かつてのFZ400Rをイメージさせるスタイルと、水冷直4を鋼管ダブルクレードルフレームに搭載したスポーツマルチ。
【1997 YAMAHA FZ400】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 53ps 3.8kg-m ■177kg シート高785mm 18L ■61万9000円
水冷直4エンジンはGSX-R直系「SUZUKI GSX400 IMPULSE」
水冷直4を積む400カタナをベースに、オーソドックスなスタイルに。1996年にビキニカウル装備のTYPE Sが加わる。
【1994 SUZUKI GSX400 IMPULSE】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 53ps 3.8kg-m ■172kg シート高760mm 16L ■55万9000円
スズキならではの油冷エンジン「SUZUKI INAZUMA」
GSF750ベースの400クラス初の油冷エンジンを搭載。750並みの大柄な車体ながら扱いやすさも特徴。
【1997 SUZUKI INAZUMA】主要諸元■油冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 53ps 3.7kg-m ■185kg シート高760mm 18L ■59万9000円
水冷角Zの元ネタはAMAローソン・レプリカ「Kawasaki ZRX」
ZZR400ベースの水冷4気筒を搭載。スタビライザー付きのスイングアームや角張ったビキニカウルなど随所にZ1000Rのイメージを散りばめる。
【1994 Kawasaki ZRX】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 53ps 3.8kg-m ■185kg シート高785mm 16L ■59万9000円
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