
近年、新型車の登場によって再び注目を集めている400ccクラスの4気筒モデル。かつて日本では、各メーカーが高性能な4気筒エンジンを搭載したマシンを次々と投入し、熾烈な開発競争を繰り広げていた。なかでも1980年代のレーサーレプリカブームを彩った名車たちは、今なお根強い人気を誇る。今回は、普通二輪免許で乗れる往年の名車7台を紹介する。
●文:ヤングマシン編集部
- 1 サーキットも峠でも“勝ち”に行く!
- 2 ノンカウルの耐久スタイル「Honda CBR400F」
- 3 400レーサーレプリカの草分け「SUZUKI GSX-R」
- 4 SUZUKI GSX-Rの系譜
- 5 750譲りの硬派なスタイル「GSX-R400R」
- 6 ワークスマシンと同時開発「YAMAHA FZ400R」
- 7 驚愕の極太フレーム&前傾エンジン「YAMAHA FZR400」
- 8 ベストセラーのアンチレプリカ「Kawasaki GPZ400R」
- 9 最後に登場した最強レプリカ「Kawasaki ZXR400」
- 10 直4の矜持を守るダブルアール「Honda CBR400RR」
- 11 絶対勝利の選択肢Force V4「Honda VFR400R」
サーキットも峠でも“勝ち”に行く!
’80年代初頭からの空前のバイクブームとシンクロするように、400cc4気筒が一気に出揃った。そしてその性能を競うべく、TT-F3やSS400といったレースが盛り上がる。こうして400cc4気筒はレーサーレプリカに突入。
その最先鋒が解禁されたばかりのカウリングを装備し、軽量なアルミフレームに最強パワーのエンジンを搭載したスズキのGSX-R。すると、ただちにGSX-Rの装備やスペックがレーサーレプリカの“標準仕様”になり、戦いは激化するばかりで“ワークスマシンと同時開発”がデフォルトになっていた。ところがベストセラーは、アンチレプリカのカワサキGPZ400Rだったりするのが興味深い。
そして余りの過熱ぶりに水を差すように、1989年の馬力自主規制により400ccの上限は59馬力に制限され、さらに1992年には53馬力に引き下げられた。が、ブーム後期のZXR400やRVFも人気は劣らず。いかに“レーシングマシンに近いか”は永遠の命題かもしれない。
ノンカウルの耐久スタイル「Honda CBR400F」
【1983 Honda CBR400F】主要諸元■空冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 58ps 3.6kg-m ■176kg シート高780mm 18L ■53万9000円
8500rpmを超えると2→4バルブに切り替わるREV。CB400SFのVTECの前身となるメカニズムだ。
400レーサーレプリカの草分け「SUZUKI GSX-R」
耐久レーサーGS1000Rのフォルムそのままに登場したGSX-Rは“クラスを超えた存在”という意味から、初期モデルは車名に400の数字が付かない。角断面アルミフレームによって車両重量はライバル車より10kg以上も軽量で、クラス最強の59psのエンジンと合わせて圧倒的な戦闘力を誇る。
【1984 SUZUKI GSX-R】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 398cc 59ps 4.0kg-m ■152kg シート高780mm 18L ■62万9000円
SUZUKI GSX-Rの系譜
1984 GSX-R
カウル装備ながらクラス初のアルミフレームによる車重152kgは衝撃!
1984 GSX-R
1985 GSX-R
キャブセッティングなどを変更。黒×赤のヨシムラカラーも登場。
1985 GSX-R
1986 GSX-R
ツインスパーのDC-ALBOXフレームや、角1灯ライトにフルチェンジ。
1986 GSX-R
1987 GSX-R
水空油冷の新エンジンや原点回帰の丸2灯を備え、車名がGSX-R400に。
1987 GSX-R
1988 GSX-R
エンジンを完全水冷化。クロスミッションと減衰調整サスペンションのSPも登場。
1988 GSX-R
1989 GSX-R
足周りを強化し、大径キャブレターやシングルシートのSPも揃う。
1989 GSX-R
750譲りの硬派なスタイル「GSX-R400R」
ダウンドラフトキャブの新設計エンジン、ダブルクレードルフレームや倒立フォークなど大変革を遂げた3代目。
【1990 GSX-R400R】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 398cc 59ps 4.0kg-m ■167kg シート高750mm 16L ■73万9000円
ワークスマシンと同時開発「YAMAHA FZ400R」
1984年から始まる全日本TT-F3クラスのワークスマシンと同時開発。XJ400Z系の水冷4気筒をチューンナップした、当時最強の59psを発揮するエンジンをスチール角断面フレームに搭載。扱いやすいハンドリングや端正なスタイルが高く支持され、1988年頃まで後継のFZR400と併売された。
【1984 YAMAHA FZ400R】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 59ps 3.7kg-m ■165kg シート高785mm 18L ■59万8000円
驚愕の極太フレーム&前傾エンジン「YAMAHA FZR400」
45度前傾した革新的なエンジンを、極太のアルミ製デルタボックスフレームに搭載。ワークスマシンYZF400に保安部品を装着し、中速セッティングを施す過激な開発手法が取られた。87年にはクロスミッションやEXUPを装備し、アルミタンク&シングルシートのFZR400Rも限定販売。
【1986 YAMAHA FZR400】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 59ps 3.9kg-m ■157kg シート高785mm 18L ■69万8000円(写真右)/YZF400(写真左)
FZR400の、当時のカタログ。
ベストセラーのアンチレプリカ「Kawasaki GPZ400R」
レプリカブームの真っただ中にGPZ900Rを長兄とするフラッグシップ路線で勝負。輸出向けのGPZ600Rをベースとするが、400は専用のX型アルミフレームを採用。アップライトなライポジや低いシート高は扱いやすくツーリングにも適し、1985~1986年と連続でベストセラーを記録した。
【1985 Kawasaki GPZ400R】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 398cc 59ps 3.6kg-m ■176kg シート高770mm 18L ■62万9000円
最後に登場した最強レプリカ「Kawasaki ZXR400」
頑ななまでにレプリカに手を出さなかったカワサキが、ゼファーと同年の1989年にリリース。高剛性のE-BOXフレームや倒立フォークなどで武装し、デビュー年に鈴鹿4耐を制し、翌1990年に全日本TT-F3タイトルを獲得。SP仕様や1991年のフルチェンジを重ね、’90年代後半まで生産された。
【1989 Kawasaki ZXR400】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 398cc 59ps 4.0kg-m ■162kg シート高765mm 16L ■73万9000円
直4の矜持を守るダブルアール「Honda CBR400RR」
1986年にカムギアトレーンの新エンジンを搭載するCBR400Rを発売するが、独自のエアロフォルムは人気を得られず。そこで各部をリファインしつつ直球のレプリカスタイルのCBR400RR(写真左)を1988年に投入。1990年のフルチェンジでは前後17インチのラジアルタイヤ等も採用。
【1988 Honda CBR400RR】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 59ps 4.0kg-m ■162kg シート高765mm 15L ■69万9000円
絶対勝利の選択肢Force V4「Honda VFR400R」
ホンダは水冷V4のVF400Fを82年にリリースし、全日本TT-F3で85年から3年連続でタイトル獲得。1986年にVFR400R[NC21]が登場し、1987年は片持ちスイングアームのNC24、1989年にはRC30の400版といえるNC30(写真)に進化。そして1994年にRVF[NC35]に全面刷新した。
【1986 Honda VFR400R】[NC21] 主要諸元■水冷4ストV型4気筒DOHC4バルブ 399cc 59ps 3.7kg-m ■163kg シート高765mm 16L ■65万9000円
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
勝利のために常識を超えた装備を投入した特別なCB 1980年代初頭、世界のスポーツバイク市場で存在感を高めていたホンダが、持てる技術を惜しみなく注ぎ込んで生み出したのが「CB1100R」だ。その開発思[…]
ベスパとは異なるアプローチを見せた「もう一つの至宝」 現在のクラシックスクーター市場ではベスパが有名ですが、かつてその絶対王者に真っ向から勝負を挑み、世界中のファンを熱狂させたブランドがありました。そ[…]
ナンバー付きからレース専用車まで本格的スポーツ走行と模擬レースが体験できる 各地のサーキットには、ライダーの技量に応じてファミリー走行枠やスポーツ走行枠といったクラスが設けられていることが多い。また主[…]
軽量化への徹底したこだわりが生んだ、革新的なスーパースポーツ 1980年代、国内のバイク市場ではレーサーさながらの外観と高性能を備えた、レーサーレプリカの人気が急速に高まっていた。その流れを牽引する存[…]
悪評を覆し、世界中で熱狂的に迎えられた「GSX1100S KATANA」 GS750・1000はひとまずの成功を収めたが、スズキはさらなる高出力化を求めて研究を開始。新4バルブユニットには GSXの名[…]
人気記事ランキング(全体)
配線工事不要で取り付けも簡単! クラファンで大きな注目を集めるドラレコ バイクに乗るうえで、万が一の事故やトラブルに備えて映像を記録しておくことは重要だ。しかし、一般的な車載型のドライブレコーダーでは[…]
1980年代の東京バイブスをポップアート風グラフィックで再現 「スーパーカブ Tokyo 80s リミテッドエディション」は、1980年代の東京のストリートカルチャーや街並みの雰囲気からインスピレーシ[…]
空力性能を追求したウイングレットとシャシージオメトリーの最適化 カワサキのフラッグシップスーパースポーツとして君臨するNinja ZX-10R。その走りのポテンシャルをサーキットでの戦闘力へ純粋に昇華[…]
600Wハイパワーモーターと走行用ペダルが拓く特定小型原付の新境地 特定小型原動機付自転車(特定小型原付)の多くは電動モーターのみで走行するが、ENNE ZEROは後輪をチェーンで直接駆動する走行用ペ[…]
武骨で美しいファットバイクスタイルと16歳以上免許不要の手軽さ 一般的な電動キックボードや華奢な電動アシスト自転車とは一線を画す、圧倒的な存在感を放つのが「COSWHEEL MIRAI G」だ。 この[…]
最新の投稿記事(全体)
防風と保温を追求した軽量モデル「DJ-034 ライトシェルウインターパーカー」 マットな質感の厚手素材と軽量素材を組み合わせ、軽快な着心地を実現した防風ライディングジャケット。裏起毛の身頃が体温を逃し[…]
KILLER CUSTOM|マッシブかシャープか好みで選べる2インチバー 2025年以降のソフテイルモデルに対応するキラーカスタムのファットハンドルバー。“Killer Bull 2″と“Monarc[…]
T40より手頃な価格設定を実現したボンネビルファミリーの新たな入門機 トライアンフがインド市場向けに投入した「ボンネビル T4」は、世界的な成功を収める400ccプラットフォームの技術基盤を活用しつつ[…]
キミ・ライコネンが大絶賛した、アルファロメオのモンスターマシン ジュリア GTAmが最も濃密な時間を過ごし、その牙を研いだ場所こそトピックです。イタリア北部にある「バロッコ・プルービング・グラウンド」[…]
勝利のために常識を超えた装備を投入した特別なCB 1980年代初頭、世界のスポーツバイク市場で存在感を高めていたホンダが、持てる技術を惜しみなく注ぎ込んで生み出したのが「CB1100R」だ。その開発思[…]
- 1
- 2

























































