復興の中で生まれた昭和の名機たち

4気筒の名機は4つの仕様を経た:ホンダCB400FOUR【1974~1977】の系譜

4気筒の名機は4つの仕様を経た:ホンダCB400FOUR【1974~1977】の系譜

ニッポンがもっとも熱かった“昭和”という時代。奇跡の復興を遂げつつある国で陣頭指揮を取っていたのは「命がけ」という言葉の意味をリアルに知る男たちだった。彼らの新たな戦いはやがて、日本を世界一の産業国へと導いていく。その熱き魂が生み出した名機たちに、いま一度触れてみよう。


●文:ヤングマシン編集部(中村友彦) ●取材協力:ZEPPAN UEMATSU

大別すると仕様は4種類

CB400フォアには、①’74~’76年に全世界で販売された408cc、②’76年に日本市場に投入された398cc、③398ccのセミアップハンドル仕様、④ライン入りタンクが標準となった’77年型輸出仕様と、4種が存在する。かつての中古車市場では、①④は②③より安かったのだが、最近は①④の価格も着実に上がっているようだ。

1974 CB400FOUR(408cc):基本的な仕様は全世界共通

’75年型として販売された408cc モデルのカラーリングは、バーニッシュブルーとライトルビーレッドの2 色で、サイドカバーはタンクと同色。ヘッドライト左右のリフレターはアメリカの法規に準じた装備だが、全仕様が採用していた。

【HONDA CB400FOUR(1974)】●バーニッシュブルー

【HONDA CB400FOUR(1974)】●ライトルビーレッド

1976 CB400FOUR-I/FOUR-II(398cc):日本専用モデルは併売

ユーザー層の拡大を意識したのだろうか、’76年から日本で発売が始まった398ccモデルは、グリップ位置が高くなるセミアップハンドル仕様のIIを設定。それに伴い、従来のスタイルを維持するモデルはIと呼ばれるようになった。

【HONDA CB400FOUR-II(1976)】●パラキートイエロー

【HONDA CB400FOUR-I(1976)】●ライトルビーレッド

ヨンフォア最終型:’77年の輸出仕様はライン入り

ライン入りタンクが特徴の’77年式輸出仕様は、給油口にカバーが付き、フロントフェンダー前方のステーは廃されてステップは前方とされ、サイドカバーの「400FOUR」も斜体に。エキパイのフランジもフィンがない。ウインカーやテールランプ、リヤフェンダーは国別に多くの仕様が存在する。

【HONDA CB400FOUR(1977)】

後継機はパラツインに

CB400フォアの後継として開発されたホークIIは、新設計のOHC3 バルブ並列2気筒を搭載。点火はCDI で2軸バランサーを装備。最高出力は40ps、車重は181㎏で、価格は31万9000円だった。

【HONDA HAWK‐II CB400T(1977)】

HONDA CB400FOUR(1974 日本仕様)SPEC

※[ ]内は398㏄版

項目仕様
全長(mm)2050
全幅(mm)705
全高(mm)1040
軸間距離(mm)1355
シート高(mm)
車両重量(kg)185
燃料タンク容量(L)14
エンジン種類空冷4サイクル並列4気筒 OHC 2バルブ
内径×行程(mm)51 × 50 [51 × 48.8]
圧縮比9.4
総排気量(cc)408cc [398cc]
最高出力37ps[36ps] / 8500rpm
最大トルク3.2kg-m[3.1kg-m] / 7500rpm
変速機形式6段リターン
キャスター/トレール27°30′ / 85㎜
ブレーキ前/後ディスク/ドラム
タイヤサイズ前/後3.00-S18 / 3.50-S18
発売当時価格32万7000円

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