![[自分だけのバイク選び&最新相場情報]初代2018と比較! ホンダ「モンキー125」(2021) 試乗レビュー](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/06/wym2505-16-02-honda-monkey125-2021-1.jpg?v=1749190914)
中古車を選ぶ際、なかなか悩ましいのが何を持って完調の状態といえるかわからないこと。そこで役に立つのが、劣化や不具合のない新車当時の試乗レビューだ。自分が中古車を試乗して、それぞれの個体の状態を確かめる際の参考にしてみて。
●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:ホンダ
ホンダ「モンキー125」(2021)比較試乗レビュー
この記事ではかわいらしいフォルムと実用性が同居したファンバイク、モンキー125の2021年モデルについて紹介するぞ。ミッションが5速化されたうえに、ロングストロークの新エンジンを搭載したこともあり、どのような違いがあるのか、2018年の初代モデルと比較しつつ乗り味を確かめた。 ※以下、2021年5月公開時の内容に基づく
力強さでは2018モデルだが、2021モデルの上質さも良し
比較のために用意したのは’18年モデルの初期型で、走行距離は1万2000kmを超えている個体だ。ショップのレンタル車なのでその都度メンテナンスされていると思うが、これは2018モデルにとって分が悪いかもしれない…。
などという心配は、2021モデルから乗り換えた途端に霧散した。発進でクラッチをつないだ瞬間の、1発ごとの蹴り出し感が2018モデルの方が力強い。2021モデルは1速がショートなので出だしこそ先行するものの、2速/3速とシフトアップするうちに2速で伸びてきた2018モデルに接近され、そして追い抜かれてしまう。
また、2速や3速を使うような急な上り坂では差が顕著で、スロットルを開けたまま中高回転域にかけてグングン上る2018モデルに対し、2021モデルはギヤ選択をミスると途端に離されるのだ。最高出力はどちらも同じ9.4psなのになぜ?
パワーグラフはあくまでもスロットル全開での測定結果であり、実際の走行シーンで多用する微開~中開度の特性は表れない。その表れない部分、つまり実用域での差が意外にも大きかったと言えよう。
ミッションが4段の2018モデルは、各ギヤでの守備範囲を確保するためにトルクバンドが広く、シフトをサボっても走れる懐の深さがあった。これに対して2021モデルは、排ガス規制対応でトルクバンドが狭くなり、それを補うために5速化されたと言えるだろう。モンキーならではのトコトコとした牧歌的な走りは2021モデルも健在だが、中高回転域にかけての力強さは2018モデルに軍配が上がる。
一方、2021モデルの長所はスムーズなエンジンフィールだ。アイドリング時から振動の少なさは顕著で、同時に試乗したC125ほどではないにせよ、上質になったとすら感じる。加えてスロットルレスポンスは優しく、シフトタッチも滑らかだ。
2018モデルのシングルらしい明瞭な蹴り出し感や元気のいいレスポンスの方を好む人も多いだろうが、さまざまな技量のライダーが乗るレジャーバイクというコンセプト、そしてこの愛らしいフォルムとのマッチングを考慮すると、2021モデルの進化の方向性は時代にマッチしているのかもしれない。
化石燃料を使った内燃機関の存続が危ぶまれている昨今。2021モデルエンジンを作ってまで真のエントリーモデルを残してくれたことは実にありがたい。しかもモンキー125については価格据え置きだ。原材料や海運などが高騰している現状を考えると、実質的には値下げといっても過言ではないだろう。
左が2021、右が2018。
【最高出力の増減なし】2021モンキーは2018と比べて最高出力が増えていない。1速の総減速比は17%ショートに、トップ5速は2018モデルの同4速よりも3.4%ロングなので、1段増やしてクロスレシオ化したと言える。
エンジンは細部に違いあり!
写真左が2021モデル、右が2018モデル。φ52.4×57.9mm(124cc)からφ50.0×63.1mm(123cc)へと、よりロングストローク化された空冷SOHC2バルブ単気筒。圧縮比は9.3→10.0:1へとアップしている。オフセットシリンダーやローラーロッカーアームなどは引き続き採用。最高出力は、同じ変更を受けたグロムが9.8psから10psへ微増したのに対し、モンキーは9.4psのままで、その発生回転数は7000→6750rpmへとわずかに下がっている。5段化されたミッションの変速比は2021グロムと共通だ。
【カムチェーンガイドの追加で信頼性アップ】写真左が2021モデル、右が2018モデル。5.2mm(57.9→63.1mm)のロングストローク化の影響を受けてか、シリンダー側面のフィンが6枚から7枚へと増えている。またパーツリストを細かくチェックするとカムチェーンガイドが追加されており、横型エンジンとしての信頼性がさらに向上したと言えるだろう。なお、右側ほどではないが左側もカバー類のデザインが変更された。
【右側ケースカバーのデザインを一新】写真左が2021モデル、右が2018モデル。クランクシャフト上にあったクラッチ機構をメインシャフト上に移動し、合わせてオイルフィルターを新設。これにより右クランクケースカバーのデザインが一新され、オイルフィルキャップの位置は後方から前へと移動した。なお、オイル点検窓は引き続き採用。
【純正パーツ流用による2018モデルの5速化は無理!?】写真左が2021モデル、右が2018モデル。グロムと同様にミッションを5速化。ホンダの横型エンジンとしてはベンリィSS50以来となる。2021モデルはクラッチ機構をクランク軸からメイン軸に変更しているので、純正パーツの流用による2018モデルモンキー125の4→5速化はほぼ不可能と言えるだろう。
【触媒がやや細身となり最低地上高15mmアップ】写真左が2021モデル、右が2018モデル。同系のエンジンを搭載するグロムとは対照的に、クランクケースの真下でエキゾーストパイプの管長を稼いでいるモンキー。2021モデルは中間にある触媒の膨らみが細くなっている点に注目。この影響を受けてか、最低地上高は160mmから175mmへと15mm増えている。
【エンドがよりメカニカルに】写真左が2021モデル、右が2018モデル。サイレンサーは基本的な形状こそ変わらないが、エンドパーツに長円の穴が6つ追加されており、よりメカニカルな印象を強めている。排気音についてはほとんど変わらない。
【5速化によりスプロケットも変更】写真左が2021モデル、右が2018モデル。2次減速比は15×34Tから14×37Tへ。この影響を受けてか軸距は1155mmから1145mmと10mm短縮されている。なお、1次減速比は3.350→3.040に変更された。
【リヤショックがシングル→ダブルレートに】写真左が2021モデル、右が2018モデル。車体に関して外観で判断できる両モデルの違いはこのリヤショック程度だ。2018モデルはスプリングの巻き方が等間隔のシングルレートで、2021モデルは上側が密なダブルレートになっている。これによる影響なのか、シート高は1mmアップしている。
ホンダ「モンキー125」 の最新相場情報
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(自分だけのバイク選び)
ヤマハSR400試乗レビュー この記事では、ヤマハのヘリテイジネイキッド、SR400の2021年モデルについて紹介するぞ。43年の歴史に幕を下ろした、最終モデルだった。 ※以下、2021年5月公開時の[…]
ヤマハNMAX155試乗レビュー この記事では、ヤマハの原付二種スクーターから、NMAX ABS(125)の2018年モデルについて紹介するぞ。 ※以下、2018年7月公開時の内容に基づく 【NMAX[…]
ホンダPCX/160(2020/2021)比較試乗レビュー この記事では、ユーロ5に対応するため全面的に刷新し、第4世代となった2021年モデルと前年にあたる2020年モデルについて比較して紹介するぞ[…]
ホンダ CB400スーパーフォア(2018) 試乗レビュー この記事では、平成28年度排出ガス規制に法規対応するなどモデルチェンジを実施した2018年モデルについて紹介するぞ。 ※以下、2018年6月[…]
ホンダ CB1300スーパーボルドール(2018)試乗レビュー この記事では、平成28年度排ガス規制に対応しモデルチェンジを行った2018年モデルについて紹介するぞ。 ※以下、2018年6月公開時の内[…]
最新の関連記事(モンキー125)
125ccのMTバイクは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)[…]
125ccクラス 軽さランキングTOP10 原付二種は免許取得のハードルも低く、手軽に楽しめる最高の相棒だ。とくに重要なのは「軽さ」だろう。軽ければ軽いほど、街中での取り回しは楽になるし、タイトなワイ[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり[…]
WMTCモード燃費×タンク容量から航続距離を算出してランキング化 この記事では、国内4代バイクメーカーが公表しているWMTCモード燃費と燃料タンク容量から算出した1給油あたりの航続可能距離を元に、12[…]
“次”が存在するのは確実! それが何かが問題だ 2018年に発売されたモンキー125以来、スーパーカブC125、CT125ハンターカブ、そしてダックス125と、立て続けにスマッシュヒットを飛ばしている[…]
人気記事ランキング(全体)
“水冷”と、その存在感から「ウォーターバッファロー」の愛称も 1971年の東京モーターショーにGT750が出品された当時、観客はラジエーターの大きさや、フィンの見えないシリンダーブロックに目を丸くした[…]
新設計の502cc・4気筒エンジンを搭載するフルカウルスポーツ ホンダは、中国で開催された重慶モーターサイクルショーにて4気筒エンジン搭載の新型モデル「CBR500Rフォア(CBR500R FOUR)[…]
250ccクラスは16歳から取得可能な“普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は全部で7種類ある。原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制[…]
裏地には90周年モデル限定カラー 1935年の創業から、絶えず革ジャンを作り続けてきた株式会社カドヤが、90周年という節目を迎える今秋、ブランドの歴史を象徴しつつ現代のライディングシーンに応える、特別[…]
BOAフィットとfuzeGELで安定&衝撃吸収 「ウィンジョブ CP306 BOA」はダイヤル操作で締め具合を調整するBOAフィットシステムを採用し、甲まわりをムラなくホールドできます。衝撃緩衝材とし[…]
最新の投稿記事(全体)
1000に負けない元気のよさ 1月発売の1000に続いて750にも新しいホーネットが登場した。1000の方は乗ってみて、まあ元気のいい走りが印象的だったんだけど、この750もそれに負けず元気がいい。エ[…]
CBで戦うことにロマンがあった ’91年の東京モーターショーに参考出品されたCB1000SFのプロトタイプを見たときは、純粋に「カッコイイ!」と衝撃を受けた。そして’92年に市販版が出るや早速手に入れ[…]
「ポケッタブル高圧洗浄機SWU-201 (WH)」 9月26日(金) より発売 オートバイ用インカム「B+COMシリーズ」の企画・製造・販売を行う株式会社サイン・ハウスは、“SPICERR”ブランドの[…]
Barrichelloの基本スペックと評価 Barrichello(バリチェロ)のバイクカバーは評価4.3/5、2916件のレビューがあり、過去1か月で100点以上の販売実績があります。カラーはブラッ[…]
夏のツーリングで役立つ日除け&雨除け機能 KDR-V2は、直射日光によるスマホの温度上昇や画面の明るさ最大時の発熱を軽減するために日陰を作る設計です。雨粒の付着で操作がしにくくなる場面でも、バイザーが[…]
- 1
- 2