![[自分だけのバイク選び&最新相場情報]初代2018と比較! ホンダ「モンキー125」(2021) 試乗レビュー](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
中古車を選ぶ際、なかなか悩ましいのが何を持って完調の状態といえるかわからないこと。そこで役に立つのが、劣化や不具合のない新車当時の試乗レビューだ。自分が中古車を試乗して、それぞれの個体の状態を確かめる際の参考にしてみて。
●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:ホンダ
ホンダ「モンキー125」(2021)比較試乗レビュー
この記事ではかわいらしいフォルムと実用性が同居したファンバイク、モンキー125の2021年モデルについて紹介するぞ。ミッションが5速化されたうえに、ロングストロークの新エンジンを搭載したこともあり、どのような違いがあるのか、2018年の初代モデルと比較しつつ乗り味を確かめた。 ※以下、2021年5月公開時の内容に基づく
力強さでは2018モデルだが、2021モデルの上質さも良し
比較のために用意したのは’18年モデルの初期型で、走行距離は1万2000kmを超えている個体だ。ショップのレンタル車なのでその都度メンテナンスされていると思うが、これは2018モデルにとって分が悪いかもしれない…。
などという心配は、2021モデルから乗り換えた途端に霧散した。発進でクラッチをつないだ瞬間の、1発ごとの蹴り出し感が2018モデルの方が力強い。2021モデルは1速がショートなので出だしこそ先行するものの、2速/3速とシフトアップするうちに2速で伸びてきた2018モデルに接近され、そして追い抜かれてしまう。
また、2速や3速を使うような急な上り坂では差が顕著で、スロットルを開けたまま中高回転域にかけてグングン上る2018モデルに対し、2021モデルはギヤ選択をミスると途端に離されるのだ。最高出力はどちらも同じ9.4psなのになぜ?
パワーグラフはあくまでもスロットル全開での測定結果であり、実際の走行シーンで多用する微開~中開度の特性は表れない。その表れない部分、つまり実用域での差が意外にも大きかったと言えよう。
ミッションが4段の2018モデルは、各ギヤでの守備範囲を確保するためにトルクバンドが広く、シフトをサボっても走れる懐の深さがあった。これに対して2021モデルは、排ガス規制対応でトルクバンドが狭くなり、それを補うために5速化されたと言えるだろう。モンキーならではのトコトコとした牧歌的な走りは2021モデルも健在だが、中高回転域にかけての力強さは2018モデルに軍配が上がる。
一方、2021モデルの長所はスムーズなエンジンフィールだ。アイドリング時から振動の少なさは顕著で、同時に試乗したC125ほどではないにせよ、上質になったとすら感じる。加えてスロットルレスポンスは優しく、シフトタッチも滑らかだ。
2018モデルのシングルらしい明瞭な蹴り出し感や元気のいいレスポンスの方を好む人も多いだろうが、さまざまな技量のライダーが乗るレジャーバイクというコンセプト、そしてこの愛らしいフォルムとのマッチングを考慮すると、2021モデルの進化の方向性は時代にマッチしているのかもしれない。
化石燃料を使った内燃機関の存続が危ぶまれている昨今。2021モデルエンジンを作ってまで真のエントリーモデルを残してくれたことは実にありがたい。しかもモンキー125については価格据え置きだ。原材料や海運などが高騰している現状を考えると、実質的には値下げといっても過言ではないだろう。
左が2021、右が2018。
【最高出力の増減なし】2021モンキーは2018と比べて最高出力が増えていない。1速の総減速比は17%ショートに、トップ5速は2018モデルの同4速よりも3.4%ロングなので、1段増やしてクロスレシオ化したと言える。
エンジンは細部に違いあり!
写真左が2021モデル、右が2018モデル。φ52.4×57.9mm(124cc)からφ50.0×63.1mm(123cc)へと、よりロングストローク化された空冷SOHC2バルブ単気筒。圧縮比は9.3→10.0:1へとアップしている。オフセットシリンダーやローラーロッカーアームなどは引き続き採用。最高出力は、同じ変更を受けたグロムが9.8psから10psへ微増したのに対し、モンキーは9.4psのままで、その発生回転数は7000→6750rpmへとわずかに下がっている。5段化されたミッションの変速比は2021グロムと共通だ。
【カムチェーンガイドの追加で信頼性アップ】写真左が2021モデル、右が2018モデル。5.2mm(57.9→63.1mm)のロングストローク化の影響を受けてか、シリンダー側面のフィンが6枚から7枚へと増えている。またパーツリストを細かくチェックするとカムチェーンガイドが追加されており、横型エンジンとしての信頼性がさらに向上したと言えるだろう。なお、右側ほどではないが左側もカバー類のデザインが変更された。
【右側ケースカバーのデザインを一新】写真左が2021モデル、右が2018モデル。クランクシャフト上にあったクラッチ機構をメインシャフト上に移動し、合わせてオイルフィルターを新設。これにより右クランクケースカバーのデザインが一新され、オイルフィルキャップの位置は後方から前へと移動した。なお、オイル点検窓は引き続き採用。
【純正パーツ流用による2018モデルの5速化は無理!?】写真左が2021モデル、右が2018モデル。グロムと同様にミッションを5速化。ホンダの横型エンジンとしてはベンリィSS50以来となる。2021モデルはクラッチ機構をクランク軸からメイン軸に変更しているので、純正パーツの流用による2018モデルモンキー125の4→5速化はほぼ不可能と言えるだろう。
【触媒がやや細身となり最低地上高15mmアップ】写真左が2021モデル、右が2018モデル。同系のエンジンを搭載するグロムとは対照的に、クランクケースの真下でエキゾーストパイプの管長を稼いでいるモンキー。2021モデルは中間にある触媒の膨らみが細くなっている点に注目。この影響を受けてか、最低地上高は160mmから175mmへと15mm増えている。
【エンドがよりメカニカルに】写真左が2021モデル、右が2018モデル。サイレンサーは基本的な形状こそ変わらないが、エンドパーツに長円の穴が6つ追加されており、よりメカニカルな印象を強めている。排気音についてはほとんど変わらない。
【5速化によりスプロケットも変更】写真左が2021モデル、右が2018モデル。2次減速比は15×34Tから14×37Tへ。この影響を受けてか軸距は1155mmから1145mmと10mm短縮されている。なお、1次減速比は3.350→3.040に変更された。
【リヤショックがシングル→ダブルレートに】写真左が2021モデル、右が2018モデル。車体に関して外観で判断できる両モデルの違いはこのリヤショック程度だ。2018モデルはスプリングの巻き方が等間隔のシングルレートで、2021モデルは上側が密なダブルレートになっている。これによる影響なのか、シート高は1mmアップしている。
ホンダ「モンキー125」 の最新相場情報
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