2バルブエンジン&リヤ18インチの初代を振り返る

〈不滅の国産車黄金伝〉カワサキ ゼファー[1989-2009] 全年式/全色アルバム(2バルブ編)

カワサキ ゼファー

4気筒400ccネイキッドモデルの復活が噂される中、ネイキッドというジャンルを確立させた立役者・カワサキ ゼファー(400)の軌跡を振り返ってみよう。まずは1989年に登場した初代・2バルブエンジン搭載の全年式/全色を紹介する。(ヤングマシン2024年12月号より転載)


●文:伊藤康司(ヤングマシン編集部) ●写真:カワサキモータースジャパン/YM Archives

[1989] ZR400-C1:爆発的ネイキッドブームを創出

1989年4月25日発売

●キャンディアトランティックブルー

●キャンディカーディナルレッド

スチール鋼管のダブルクレードルフレームと正立式フロントフォーク&ツインショックのコンベンショナルなシャーシに搭載する空冷4気筒エンジンは、400ccクラスに4気筒ブームをもたらした1979年発売の Z400FXから進化したGPz400F(1983年発売/最高出力54ps)がベース。カムカバーやエンジンカバーなどを独自のデザインにリファイン。デビュー時は大径の回転計と小径の速度計を組み合わせた、当時のトレンドだった異径メーターを装備していた。ボディカラーは紺と赤の2色。

ZR400-C1主要諸元 ■空冷4スト並列4気筒DOHC2バルブ 399cc 46ps/11000rpm 3.1kg -m/10500rpm ■車重 177kg(乾) シート高 770mm タンク容量15L ■タイヤ F= 110/80-17 R=140/70-18

[1990] ZR400-C2:車名エンブレムが立体に

1990年2月発売

●キャンディアトランティックブルー

●キャンディカーディナルレッド

燃料タンクの車名エンブレムがステッカーから立体タイプになって質感が向上。シートの材質を変更した。カラーはC1から継続した2色をラインナップ。

C1ではステッカー(上からクリア塗装が施される)だったタンクエンブレム(左)は、C2で粘着テープ固定の立体型(右)に。Z1/Z2と同じ大文字の「KAWASAKI」に張り替えるユーザーが続出!

[1991] ZR400-C3:メーターが伝統的な砲弾型に

1991年2月1日発売

●ルミナスビンテージレッド

当時のレプリカ系で流行した異径メーターを、Z1の流れを汲む砲弾型に変更して、さらに人気を拡大! ウインカーも砲弾型のボディに変わり、ヘッドライトが常時点灯式になった。カラーはブルーが継続で、レッドは深みのある色調に変更して2色を揃えた。

いまひとつ不評だった異径メーターを、Z1を彷彿させる同径の砲弾型に変更してメッキのカバーも装備。タコメーター内に燃料計を新設して利便性も向上した。

半球状のウインカーボディを砲弾型に変更。前モデルまで装備していたハザード機能が廃止された。

[1992] ZR400-C4:社名も立体エンブレムに

1992年4月2日発売

●パールグリーニッシュブラック

●ルミナスビンテージレッド

サイドカバーのエンブレムが、ステッカーからメーカー名のみの立体タイプに変更。カラーはレッドが C3から継続で、ブルーからブラックに変更。

サイドカバーの社名エンブレムも立体タイプに。ステッカー時代の「STORY IN THE WIND」は消滅。

[1993] ZR400-C5:足まわりや細部など多岐にリファイン

1993年4月1日発売

●パールパープリッシュブラックマイカ

●ルミナスビンテージレッド

フロントブレーキはマスターやキャリパーも変更し、フロントフォークもセッティングを変えるなど足まわりをリファイン。ハザードランプが復活し、シート下にオプションU字ロックの格納スペースを設け、独立したヘルメットロックなど利便性を向上。バッテリーは開放型からメンテナンスフリーのMF型に。カラーはレッドが継続で、ブラックは深みを増した新色に。

燃料タンクの立体エンブレムは、文字の彫りを深くしたことでシャープかつ繊細なイメージを強めた。

フロントはディスク孔のパターンを変えて多孔化。リヤはキャリパーを片押し2POTから大径1POTに。ブレーキフルードをDOT3→DOT4に変更した。

[1994] ZR400-C6:1993モデルをそのまま踏襲

1994年4月15日発売

C5から内容や車体色の変更はなく、マーケットコードのみ変更。

[1995] ZR400-C7 (2バルブ最終):初の3色ラインナップ

1995年3月15日発売

●メタリックソニックブルー

●ルミナスビンテージレッド

●パールパープリッシュブラックマイカ

1993年のC5で細部までリファインし、オーソドックスな空冷ネイキッドとして完成の域に達した2バルブゼファーの最終モデル。カラーはC5/C6から継続のレッドとブラックに加え、ダーク系が多かったゼファーでは初となる明るいブルーが登場。前年の1994年には水冷4気筒4バルブのZRXが登場しており、ゼファー自体が殿堂入りとも思われたが…。

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