
30年以上にわたって絶版車の販売と整備を行ってきたウエマツが、旧車とのマッチングに徹底的にこだわったオリジナルエンジンオイル「旧車χ(改)」を発売した。現在のオイルは化学合成油が主流だが、旧車が設計された時代を考慮し、あえて鉱物油を採用しているのがポイントだ。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:ZEPPAN UEMATSU
旧車の開発に使われた”鉱物油”にこだわる
1992年に創業した絶版車ディーラーのパイオニア・ウエマツ。販売だけでなく、整備にも徹底して力を注いできた同社がそのノウハウをフィードバックし、旧車に特化したエンジンオイル「旧車χ(改)」を発売した。その最大の特徴は、ベースオイルに天然原油由来の鉱物油を使用している点にある。
近年のエンジンオイルは原油にさまざまな処理を施したり、または原油以外の原料から精製された化学合成油をベースオイルに用いるものが多い。これらは耐熱性や潤滑性などに優れる反面、原料によってはオイルシールやガスケットへの攻撃性が高いため、オイル漏れなどのトラブルを招くこともある。
カワサキZ1やホンダCB750フォアなどが生まれた50年ほど前、エンジンオイルには鉱物油しか存在せず、設計やテストも当然ながら鉱物油を使って行われている。ウエマツはこの点に着目、あえて鉱物油をベースオイルに選択することで、オイル由来の問題が起きにくい、旧車に特化したエンジンオイルを開発したというわけだ。
その性能や品質はもちろん最新!
とはいえ、オイルの性能は当時のものとはまったく異なる。ベースとなる鉱物油は高度に精製されている上、新開発の摩擦低減剤やさまざまな添加剤の配合により、フリクションロスの低減や高いせん断安定性による熱ダレのしにくさ、良好な極圧性によるエンジン内部パーツの高い保護性能などを獲得。優れた熱安定性や酸化安定性によるロングライフ性など、さまざまな面で旧車に適した性能を獲得している。
具体的にはクリアランスが広めの旧車エンジンに適した粘度や、シール類や湿式クラッチに影響を与えない原料の選定など、旧車χ独自のレシピが専用開発されている。製造時には温度や撹拌時間を最適に調整し、密度や動粘度(40℃と100℃)を測定、充填前には異物混入の検査を行うなど、高い品質管理や検査体制から生産されるのも特徴だ。
粘度は10W-40で、JASO規格は湿式クラッチに対応するMA。小型〜大型二輪車の4サイクルエンジンに適するほか、2サイクル車のトランスミッションオイルとしても使用できる。価格は4L缶で6600円、2缶セットなら1万2100円、3缶セットは1万6500円と割安。ウエマツの公式通販サイトから購入できる。
カワサキZ/ホンダCB/スズキGSといった4サイクルエンジン車に加え、ヤマハRZ/カワサキマッハ系など2サイクル車のトランスミッションオイルにも使用可能。小排気量から大排気量まで幅広く対応する。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
原付でエンジンがかからない主な原因 「原付 エンジン かからない 原因」とネット検索する方が多いように、バッテリー上がりやプラグの劣化、燃料不足など、複数の原因によってエンジンを始動できなくなるケース[…]
製品の概要と価格情報 デイトナ(Daytona) オイルフィルターレンチ 96320は、カートリッジタイプのオイルフィルター脱着専用工具。仕様は14面 64mmで、ホンダ/ヤマハ/カワサキ向けのデイト[…]
原付バイクのオイル交換目安とは? 交換頻度のポイント 内燃エンジンにとって、潤滑/冷却/密封/清浄分散/防錆を担うエンジンオイルは、まさに血液とも言うべき重要なパーツです。 常に高温にさらされてエンジ[…]
バイクのドラムブレーキ「スパッ」と戻りますか? ブレーキの操作性ってバイクに乗るときの「気分」に影響しますよね? みなさんのバイクのドラムブレーキ、レバーを離した時に気持ちよくスパッ!と戻りますでしょ[…]
幻のモペット「ホンダホリディ」 昭和の時代、ホンダが開発したモペット「ホリディ」の正式名称は「ホンダホリディ」、型式はPZ50。1973年頃「ブーンバイク」というアイデアを基に、ホンダ社内のアイデアコ[…]
最新の関連記事(オイル/ケミカル)
原付バイクのオイル交換目安とは? 交換頻度のポイント 内燃エンジンにとって、潤滑/冷却/密封/清浄分散/防錆を担うエンジンオイルは、まさに血液とも言うべき重要なパーツです。 常に高温にさらされてエンジ[…]
単気筒1ボディと4連キャブでは洗浄段取りに違いあり。 超音波洗浄が可能なら、完璧に近い仕上がりに!! いつかそのうち乗るつもり…という「いつか」が数ヶ月から数年になり、もうダメか…となるのが長期放置車[…]
論より証拠! 試して実感その効果!! 世界的に知られるプレミアムカー用品ブランド・シュアラスターが、アメリカのカリフォルニア州ロングビーチで創業したのは1947年のこと。以来、カーシャンプーやワックス[…]
Yoeyang 高圧洗浄機 場所を選ばず使える高圧洗浄機。本体わずか574gの業界最小最軽量(約20×7×18cm)ながら、8MPaの強力な水圧を発揮し、車やバイクの泥汚れや窓の隅など頑固な汚れも簡単[…]
ユーザーからのリクエストで開発! ホイールの鉄粉をスプレーひと吹きで溶解 バイク/クルマを問わず、ディスクブレーキでもドラムブレーキでも発生するブレーキダスト。制動時にブレーキローターやブレーキドラム[…]
人気記事ランキング(全体)
フレディ・スペンサー、CB1000Fを語る ──CB1000Fのインプレッションを聞かせてください。 とにかくすごく良くて、気持ちよかったよ。僕は何年もの間、新しいバイクのテストをしてきた。HRCのテ[…]
お手頃価格のヘルメットが目白押し! 【山城】YH-002 フルフェイスヘルメットが38%OFF コストパフォーマンスと信頼性を両立させた山城の「YH-002」フルフェイスヘルメット。大型ベンチレーショ[…]
後発のライバルとは異なる独創的なメカニズム 近年では、日本製並列4気筒車の基盤を作ったと言われているCB750フォア。もっとも細部を観察すると、この車両のエンジンには、以後の日本製並列4気筒とは一線を[…]
まさかのコラボ! クロミちゃんがホンダバイクと出会う ホンダがサンリオの人気キャラクター「クロミ」と、まさかのコラボレーションを発表した。クロミがバイクに乗りたくなるというストーリーのオリジナルアニメ[…]
世界初公開のプロトタイプ&コンセプトモデルも登場予定! ホンダが公式素材として配布した写真はモーターサイクルショー展示車および鈴鹿8耐時点のもの、つまりミラー未装着の車両だが、JMS展示車はミラー付き[…]
最新の投稿記事(全体)
前年モデルでTFTディスプレイを獲得した無印 北米スズキは、2005年型GSX-R1000(通称K5)由来の痛快な並列4気筒エンジンを搭載するスポーツネイキッド「GSX-S1000」およびスポーツツア[…]
2025年モデルでエンジンのパフォーマンスアップ、電サスや6軸IMUも採用 ホンダは欧州で2026年型「NT1100」を発表した。2022年に初登場したNT1100は、CRF1100Lアフリカツインの[…]
アメリカで僕もCB1000Fが欲しいなと思っている ──CB1000Fの印象から教えてもらえますか? 前日はHSR九州のサーキットをかなり本気で走行しましたが、その感想も含めてお願いします。 フレディ[…]
低く長いデザインが個性マシマシ! レトロモダンなボバークルーザー 中国から新たな刺客がやってきた! ベンダは2016年設立の新興メーカーで、独自設計のエンジンを搭載したクルーザーを中心に、ネイキッドな[…]
7.3リッターとなる心臓部はコスワースがカスタマイズ 今でこそアストンマーティンの限定車はさほど珍しくもありませんが、2000年代初頭、すなわちフォード傘下から放り出された頃の彼らにとってスペシャルモ[…]
- 1
- 2