
●文:ヤングマシン編集部(名城政也)
先日、バイク好きな友人と車でドライブしているときに(私は助手席だけれど…)ライダー同士がすれ違う際に、ピースをしあっている光景を見た。なんだか楽しそうなことしてるなーと思い、「あれって、車に乗ってる俺からやっても仲間に入れてくれるのかな?」なんて質問をしてみる。
「あれはヤエーといって、ライダー同士の挨拶みたいなもんなんだよ」とのことだ。「ヤエー…? なんだそれは? 俺もいつかやってみたいぞ!」と気になった私は、今後バイクに乗ることも考えて、調べてみた!
ヤエーはライダー同士の気持ち良い挨拶!
ヤエーについて調べてみると、気持ちのいい挨拶というだけでなく、いろんな意味が含まれていることもわかった。「どうも!」「こんにちは!」「楽しんで!」「気を付けて!」「仲間!」などなど、一概に、どの言葉という定義はないのだ。いろんな意味を込めて「へーい!」というような…やはり「よう、兄弟、調子どうだい?」的な意味じゃないかなと、私は解釈した。
ただ、友人との会話の中で、私は何度か「イエー?」と聞き返してしまった。一般的に挨拶やお疲れ様のような意味であれば、英語的には「イェーイ!」になるのではないかと思ったからだ。しかし、いくら友人に聞いても「ヤエーだよ」と言う。
じつはこれ、私の予想は少しあたっていて、語源としては「YEAH」なのだ。そこから変化して、「ヤエー」になったとのこと。某巨大掲示板にて、スペルミスからヤエーになったなんて話もあるが、実際のところは諸説あって、定かではないが、なんとも日本語らしい。
ヤエーはピースだけじゃなかった! ヤエーのやり方って?
じゃあやり方はどうなのかというと、じつはポーズにも、必ず「これ」というほどの決まりはないのだ。ピースサインを送り合う場合もあれば、手を振ったり、ガッツポーズをしたりするケースもあり、基本的には自由。さらに「すれ違う際に、どちらが先にやらなければならない」という決まりもない。好きなときに、好きなポーズで送り合うという、ライダーらしい自由なコミュニケーションなのだ。
ヤエーは、基本的にツーリングでバイク同士がすれ違う際におこなわれる。つまり、ライダー同士なら知らない人でもヤエーをして良いってこと! 恥ずかしがる必要はないのだ。
ヤエーは危険と隣り合わせ…な場合もある
ヤエーはライダー同士のとても気持ち良い挨拶なのだが…、注意点もある。たとえば、カーブ中、クラッチ操作中などのバイク操作で手を離せない場合や、雨や風など天候の悪い日、未舗装の路面など、条件が悪い日などは、やめておいたほうがいい。
なにせ、こんな状況や条件下で片手を離してしまうと、転倒の恐れがあるからだ。もし、すれ違うライダーがヤエーをしてきて返せない場合は、ペコっと頭を下げればわかってもらえるので、無理にヤエーを返す必要はないぞ。
ちなみに、通常のヤエーであれば問題ないが、あまりにも大きなリアクションをとってはいけない。大きなリアクションというのは、たとえば、両手を離してバンザイポーズをしたり、バイクに立ち上がってヤエーをしたりなどだ。このような場合は、道路交通法第70条の「安全運転の義務」に違反する恐れがある。「安全運転の義務」には、下記のように記載されている。
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
やっぱり、オーソドックスな左手でピースサインするぐらいが推奨されるってことだね。
ヤエーが好きではないライダーもいる
話も調べた限り、「ヤエーをしたのに、無視された」という、よく見かけたが、これは深く気にする必要はなかったりする。というのも、ライダーのなかには、ヤエーをあまり好かない人もいるからだ。「運転中に、ヤエーをするのは危ない」「ヤエーを返さなければいけないのが、面倒臭い」「何度もやっていると、飽きてくる」など、理由はさまざま。好き嫌いばかりは、個人個人のものだものね…。
気負いせずにできるときだけやろう!
ヤエーはライダー同士の気持ち良い挨拶で、仲間意識も芽生える。でも、危険な道路や繊細な操作中に無理にしてはいけないし、ヤエーの押し付けもよくない。あまり気負いせず、自分のできるとき、やりたいときだけやってみよう。返ってきたらめっけもんぐらいの気持ちでいれば、ツーリングがさらに楽しくなりそうだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ビギナー/初心者)
トレッドのグルーブ(溝)は、ウエットでタイヤと接地面の間の水幕を防ぐだけでなく、ドライでも路面追従性で柔軟性を高める大きな役割が! タイヤのトレッドにあるグルーブと呼ばれる溝は、雨が降ったウエット路面[…]
ハンドルで前輪を押えると曲がる機能を妨げてしまう! よくいわれるのが、肩や腕にチカラが入っていると曲がりにくくなるということ。 とはいえ、チカラが抜けていたほうが理想的かも知れないけれど、いうほど違い[…]
クラッチレバーをグリップに当るまでフルに切るのは丁寧なのではなく、ギヤに衝撃を与えるラフな操作になってしまう! 大切な愛車、バイクの運転はまだ慣れていないので上手くはないけれど、操作は慎重で丁寧であり[…]
力むとライダーの荷重がタイヤに対し遅れて上下! よくバイクに乗るときは、力んだりせずにチカラを抜いてリラックスするようにいわれる。 もちろん緊張をほぐして余裕をもって操作しようという気持ちの部分もある[…]
「ETC専用化等のロードマップ」の現状 2020年に国土交通省が発表した「ETC専用化等のロードマップ」。その名の通り、高速道路の料金所をETC専用化にするための計画書だ。これによると、ETC専用化は[…]
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
かつての人気モデル「キャンパー」のDNAと手巻きムーブメントの融合 「MK1ハンドワインド」のルーツは、1980年代に登場し、シンプルかつ実用的なデザインで人気を博したキャンパーモデルに遡る。そのデザ[…]
都市型イベント「My Yamaha Motorcycle Exhibition」開催へ ヤマハは、2025年9月20日に桜木町駅前(神奈川県横浜市)にて「My Yamaha Motorcycle Ex[…]
コーポレートアイデンティティとユニフォームを39年ぶり刷新へ スズキ株式会社は、2025年4月1日よりコーポレートアイデンティティ(CI)とユニフォームを39年ぶりに一新すると発表した 。 従来のCI[…]
カワサキの新世代モビリティが大阪万博で公開 2025年日本国際博覧会、通称「大阪万博」のカワサキブースで、未来のオフロードビークル「CORLEO(コルレオ)」が注目を集めている。バイクのように乗車する[…]
ダレノガレ明美さんがCB1300SFファイナルエディション購入 タレントのダレノガレ明美さんが、ホンダのビッグネイキッド「CB1300スーパーフォアSPファイナルエディション」のオーナーになったことが[…]
人気記事ランキング(全体)
実は大型二輪の408cc! 初代はコンチハンのみで37馬力 ご存じ初代モデルは全車408ccのために発売翌年に導入された中型免許では乗車不可。そのため’90年代前半頃まで中古市場で398cc版の方が人[…]
エアインパクトレンチ:手のひらに収まるサイズで500Nmを発揮。狭い場所で活躍する力自慢 ガレージにエアコンプレッサーを導入したら、まず揃えておきたいのがエアブローガンとエアゲージ、そしてインパクトレ[…]
カワサキの新世代モビリティが大阪万博で公開 2025年日本国際博覧会、通称「大阪万博」のカワサキブースで、未来のオフロードビークル「CORLEO(コルレオ)」が注目を集めている。バイクのように乗車する[…]
2ストエンジンの新時代を切り開いた名車 1980年代中頃、スズキのガンマ、ホンダのNSと、高性能レプリカが矢継ぎ早に出揃い、大ヒットを記録していた。 この潮流をみたヤマハはRZ250Rにカウルを装着し[…]
筑波サーキットにH-D Xたちが集合 H-D Xでのサーキット走行をおすすめしたい。X350はあきらかにXR750をモチーフとしたデザイン。「スポーツライディングを楽しんでほしい」というメーカーからの[…]
最新の投稿記事(全体)
新型スーパースポーツ「YZF-R9」の国内導入を2025年春以降に発表 欧州および北米ではすでに正式発表されている新型スーパースポーツモデル「YZF-R9」。日本国内にも2025年春以降に導入されると[…]
北米にもあるイエローグラフィック! スズキ イエローマジックといえば、モトクロスやスーパークロスで長年にわたって活躍してきた競技用マシン「RMシリーズ」を思い浮かべる方も少なくないだろう。少なくとも一[…]
アルミだらけで個性が薄くなったスーパースポーツに、スチールパイプの逞しい懐かしさを耐久レーサーに重ねる…… ン? GSX-Rに1200? それにSSって?……濃いスズキファンなら知っているGS1200[…]
他の積載方法とは異なる、シートバッグの利便性 2輪でツーリングをする際の荷物の積載方法は、①ストレッチコード/ネット、②タンデムシート上部に装着するシートバッグ、③後輪左右に設置するサイドバッグ、④車[…]
昨年の最終戦から連勝を続けた水野涼 2025年の全日本ロードレース選手権がようやく4月19日・20日に栃木県・モビリティリゾートもてぎで開幕しました。4月9日・10日には、PRE-TEST “Roun[…]
- 1
- 2