
ツーリング中に起こるトラブルの中には、適合するレンチが1本あれば復旧できるトラブルも少なくありません。近年はロードサービスが充実しているとはいえ、救援にはどうしても時間/費用がかかります。車載工具の準備があれば、軽微なトラブルならその場で修理できる可能性が高まります。
●文:ピーコックブルー(ヤングマシン編集部)
バイクに常備しておきたい最低限の車載工具とは?
バイクは振動によってボルトが緩みやすく、ボルトが1本外れただけでも部品が保持できず、安全な走行が困難になります。
加えて、ミラーのネジが緩んだだけでも安全な走行はできません。また、バッテリー上がりのの原因として、バッテリーターミナルの緩みが関係している場合もあります。
こうした軽微なトラブルは、工具さえあれば簡単に復旧することが可能です。そのため、車載工具は必ず揃えておく必要があります。
では、ツーリングに携行したい最低限の工具類とはどのようなものなのでしょうか。
ドライバー(プラス/マイナス)
カウルやパネルなどはプラスネジ/マイナスネジで留められていることが多く、プラスドライバーやマイナスドライバーは、こうしたパーツの着脱に必要です。ドライバーにもサイズがあるため、荷物を減らすために1サイズだけ携帯するのであれば、中間的サイズとなる2番ドライバーを準備しておくとよいでしょう。
プラス/マイナスドライバーはパーツの着脱に必須のアイテムだ
六角レンチ(ヘキサゴンレンチ)
六角穴付きボルトは、おもに狭い箇所での部品固定や、強固な取り付けが必要な小型部品の固定に用いられます。またスマホホルダーステーなどの追加装備品の固定にも、六角穴付きボルトやイモネジなどが多く使用されています。
六角レンチは、各サイズが揃ったL字型のセットを用意しておくと安心です。携帯性に優れている、ショートタイプのL型六角レンチセットもあります。
レンチ&スパナ
バイク本体の各部は六角ボルトで締結されているため、レンチとスパナは大きな部品の着脱に必ず必要になります。場所に応じて使用されるボルトサイズはおおむね決まっているため、8mm/10mm/12mm/14mmサイズを中心としたレンチやスパナを用意しておくと安心です。
もし作業性と携帯性を両立させたい場合は、メガネレンチとスパナが一体になったコンビネーションレンチよりも、両端に異なる2サイズのスパナが備わった両口スパナを選ぶことで、必要本数を減らすことができます。
ミニモンキーレンチ
ボルトの二面幅を自在に変えられるモンキーレンチは、レンチの用意がないサイズのボルトも回せるという利点があります。
ただし、モンキーレンチはボルトの頭部を破損させやすいため、ボルトを締めたり緩めたりするのではなく、おもに供回りを抑えるのに使用します。
原則として、ボルトナットセットの締緩には同じサイズのレンチが2本必要ですが、モンキーレンチがあれば、用意するレンチを最小限の用意で済ませることができます。
一口にレンチと言ってもさまざまな種類があるが、モンキーレンチはひとつ積載しておくとかなり便利な工具のひとつだ
ラジオペンチ
先端が細長い形状のラジオペンチは、ホースバンドクランプや割りピンの着脱などの小さな部品を強く掴む際に重宝するほか、根本部の刃で切断も可能となっています。
指先が入らない場所に使えるピックアップツールとしても使えるため、ラジオペンチは一般的なペンチよりも車載工具に適していると言えるでしょう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(工具)
エアインパクトレンチ:手のひらに収まるサイズで500Nmを発揮。狭い場所で活躍する力自慢 ガレージにエアコンプレッサーを導入したら、まず揃えておきたいのがエアブローガンとエアゲージ、そしてインパクトレ[…]
ソケットセット:ツールキャビネットの引き出しにそのまま収まるトレイ付きZ-EALセット ラチェットハンドルもソケットも、専門メーカーのノウハウを注入して開発されたZ-EAL。その代表的アイテムをセット[…]
動きが渋い鍵穴に潤滑剤はNG! ・・・の前に ちょっと前に「キーの回りが渋くなってきた鍵穴に、潤滑剤を吹きつける(注入する)のはNG!」という情報がネット上で広く流れました。その理由は一時的に動きが滑[…]
フレーム/スタンドの別体構造と自在キャスター装備で自由に移動できる 向山鉄工のオリジナル製品である「ガレージREVO」は、バイクスタンドに自在キャスターを取り付けることで、スタンドアップしたバイクを前[…]
やっぱり「素手」が好き! いきなりですが、筆者はかなりの作業を素手で行っています。ていうか、素手が大好きです。ボルトを回すにしても、工具を持って締め付けるにしても、とにかく手先にダイレクトに伝わる感覚[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
エアインパクトレンチ:手のひらに収まるサイズで500Nmを発揮。狭い場所で活躍する力自慢 ガレージにエアコンプレッサーを導入したら、まず揃えておきたいのがエアブローガンとエアゲージ、そしてインパクトレ[…]
ソケットセット:ツールキャビネットの引き出しにそのまま収まるトレイ付きZ-EALセット ラチェットハンドルもソケットも、専門メーカーのノウハウを注入して開発されたZ-EAL。その代表的アイテムをセット[…]
創業60年以上の老舗メーカーの強力アルカリクリーナーに注目 モータリゼーションの先進国・アメリカでは早くから洗車やディテーリング産業が確立しており、より短時間で効率よく愛車を輝かせるためのケミカル製品[…]
空気圧のチェック。「適正圧」には意味がある タイヤの空気圧管理、ちゃんとやってますか? この「ちゃんと」管理ってとこに、実は落とし穴があるんですよね~。たとえば、空気圧が低いとグリップ力が低下したり、[…]
バイクキャビン:小型エアコンを装備すれば抜群の環境に! 難しく考えることなく、手っ取り早く購入できるガレージとして高い人気を得ているのが、デイトナが取り扱う各種シリーズ製品だ。 全モデルに共通している[…]
人気記事ランキング(全体)
カワサキの新世代モビリティが大阪万博で公開 2025年日本国際博覧会、通称「大阪万博」のカワサキブースで、未来のオフロードビークル「CORLEO(コルレオ)」が注目を集めている。バイクのように乗車する[…]
「その時、スペンサーになれた気がした」 MVX250Fの上位モデルとして400版の発売が検討されていたが、250の販売不振を受け計画はストップ。この心臓部を受け継ぎ、NS250Rの技術を融合したモデル[…]
日本でもっとも人気の高いジャンル=ネオクラシック プロポーションの枷を覆す【カワサキ Z900RS】 まず、現代のバイクと昔のバイクではプロポーションがまったく違うんです。昔のバイクはフロントタイヤが[…]
バイクキャビン:小型エアコンを装備すれば抜群の環境に! 難しく考えることなく、手っ取り早く購入できるガレージとして高い人気を得ているのが、デイトナが取り扱う各種シリーズ製品だ。 全モデルに共通している[…]
〈WEBIKE FESTIVAL〉2024.10.19 SAT. ロングウッドステーション(千葉県長柄町) 【X500 ヒデヨリさん】「見た目など、あえてハーレーらしさを捨てたチャレンジ精神の塊のよう[…]
最新の投稿記事(全体)
2ストエンジンの新時代を切り開いた名車 1980年代中頃、スズキのガンマ、ホンダのNSと、高性能レプリカが矢継ぎ早に出揃い、大ヒットを記録していた。 この潮流をみたヤマハはRZ250Rにカウルを装着し[…]
かつての人気モデル「キャンパー」のDNAと手巻きムーブメントの融合 「MK1ハンドワインド」のルーツは、1980年代に登場し、シンプルかつ実用的なデザインで人気を博したキャンパーモデルに遡る。そのデザ[…]
都市型イベント「My Yamaha Motorcycle Exhibition」開催へ ヤマハは、2025年9月20日に桜木町駅前(神奈川県横浜市)にて「My Yamaha Motorcycle Ex[…]
走行回数の多さと模擬レースのセットでコストパフォーマンスの高さは折り紙付き 絶版車やクラシックマシンでサーキットを走行してみたいが、レースに参戦するほどではない。あるいはクラシックレースにエントリーし[…]
エアインパクトレンチ:手のひらに収まるサイズで500Nmを発揮。狭い場所で活躍する力自慢 ガレージにエアコンプレッサーを導入したら、まず揃えておきたいのがエアブローガンとエアゲージ、そしてインパクトレ[…]
- 1
- 2