ヤマハは欧州のレースベース車に続き、北米でストリートリーガルの「YZF-R1」および「YZF-R1M」の2025年モデルを発表した。同じくカーボン製のウイングレットを装備するほか、STDにはブレンボ製キャリパーと新作KYB製フロントフォークが与えられている。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
R1とR1Mで変更内容は異なる
ファイナルエディションが登場しそうとか、スーパーバイク世界選手権でのパフォーマンス向上のためモデルチェンジするのではないかなどさまざまな情報(憶測?)が飛び交っていた「YZF-R1」および「YZF-R1M」の2025年モデルが北米で発表された。日本仕様の2025年モデルも同じスタイルで登場しそうだ。
すでに欧州でレースベース車の「R1 RACE」と、ハイパフォーマンス版の「R1 GYTR」が登場した旨はお伝え済みだが、公道市販車版のほうも同じくMotoGPにインスパイアされたカーボン製ウイングレットを装着しているのが大きな特徴になっている。
北米仕様については、スタンダード仕様のYZF-R1とハイグレード仕様のYZF-R1Mでマイナーチェンジの内容に少し差があるのも見逃せない。
まずスタンダード仕様はカーボン製ウイングレットのほかに、新作のKYB製フロントフォーク(従来もKYB製)、ブレンボ製スタイルマ(Stylema)フロントブレーキキャリパーを新採用。フロントフォークは左右で役割が分かれており、圧側減衰力アジャスターは高速/低速をそれぞれセッティングできる2WAY式だ。
ハイグレード仕様のYZF-R1Mは、同じくカーボン製ウイングレットを装備するほかに大きな変更は明記されていない。純正モノブロックキャリパーや電子制御オーリンズ製サスペンション装備は元々がハイグレードなため、空力に対するマイナーチェンジのみで問題ないということなのだろう。
チタンコンロッドやチタン吸気バルブ、フィンガーフォロワーロッカーアーム、アシスト&スリッパークラッチなどを採用するクロスプレーンクランク並列4気筒エンジンについては、特に変更は謳われていない。先進の電子制御についても従来モデルを踏襲している。
このほか、シート表皮が改良されたことで体重移動がしやすくなった点は欧州発表のレースベース車と同じ変更点だ。北米仕様2025年モデルの価格はYZF-R1が1万8999ドル(日本円換算約271万2000円・9/19現在)、YZF-R1Mが2万7699ドル(約395万3000円)となっている。
ヤングマシンのスクープ班は2025年モデルのYZF-R1にファイナルエディションが出るとの情報をキャッチしているが、ウイングレット装備の2025年モデルがベースになることは間違いなさそうだ。
YAMAHA YZF-R1/R1M[2025 U.S. model]
車名 | YZF-R1 | YZF-R1M |
全長×全幅×全高 | 2054×690×1165mm | ← |
軸距 | 1404mm | ← |
最低地上高 | 130mm | ← |
シート高 | 856mm | 861mm |
装備重量 | 203kg | 205kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ | ← |
総排気量 | 998cc | ← |
内径×行程 | 79.0×50.9mm | ← |
圧縮比 | 13.0:1 | ← |
最高出力 | 未発表 | ← |
最大トルク | 未発表 | ← |
変速機 | 常時噛合式6段リターン | ← |
燃料タンク容量 | 17L | ← |
タイヤサイズ前 | 120/70ZR17 | ← |
タイヤサイズ後 | 190/55ZR17 | 200/55ZR17 |
ブレーキ前 | φ320mmダブルディスク+4ポットキャリパー | ← |
ブレーキ後 | φ220mmディスク+1ポットキャリパー | ← |
価格 | 1万8999ドル | 2万7699ドル |
車体色 | 青、黒 | カーボン |
YZF-R1/R1M のディテール
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
ライトグレーのボディにライトブルーのホイールが新鮮! ヤマハが「MT-25」の2025年モデルをインドネシアで世界初公開した。欧州で発表済みの兄弟モデル・MT-03に準じたモデルチェンジ内容で、現地価[…]
欧州&北米で昨秋登場した新型YZF-R3の250cc版 ヤマハはインドネシアで新型「YZF-R25」を発表した。2024年10月に欧州&北米で登場した新型YZF-R3と同様のモデルチェンジ内容とした2[…]
【’09VMAX開発秘話】2リッター「音魂(オトダマ)」は失敗だった 新VMAXの開発には実に十数年の歳月が費やされた。このプロジェクトを長い間推し進めてきた中心人物は開発の経緯をおよそ次のように語る[…]
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
従来は縦2連だったメーターが横2連配置に ヤマハは、2004年に欧州で誕生し、2017年より日本を含むアジア市場へ(250として)導入されたスポーツスクーター「XMAX」の2025年モデルを欧州および[…]
最新の関連記事(YZF-R1/M)
2023年の世界チャンピオン、2024年は総合2位の『Yamalube YART Yamaha EWC Official Team』 ヤマハモーターヨーロッパ(YME)とヤマハオーストリアレーシングチ[…]
1位:ヤマハが新フラッグシップ「YZF-R9」を正式発表 ヤマハは欧州と北米でYZF-R9を発表した。専用にセットアップされたサスペンションやブレンボ製キャリパーを標準装備。R6を上回る空力性能を有し[…]
欧州仕様に準じた仕様で新型フォーク、ウイングレット、ブレンボキャリパーなどを新採用したR1 2024年9月19日に欧州で発表された「R1 RACE」に続き、日本国内でもサーキット走行専用モデルの新型「[…]
ダウンフォースでウイリー抑制、コーナー進入とブレーキング時のフィーリングを向上する スーパーバイク世界選手権を戦うヤマハR1に早くも新作ウイングレットを投入だ! ヤマハ系トップチームのPata Pro[…]
MotoGPインスパイアのカーボン製ウイングレット! ファイナルエディションが登場しそうとか、スーパーバイク世界選手権でのパフォーマンス向上のためモデルチェンジするのではないかなどさまざまな情報(憶測[…]
人気記事ランキング(全体)
私は冬用グローブを使うときにインナーグローブを併用しています。防寒目的もありますし、冬用グローブを清潔に保つ目的もあります。最近、長年使い続けたインナーグローブが破れてしまったこともあり、新品にしよう[…]
TRIJYA(トライジャ):カフェレーサースタイルのX500 パンアメリカやナイトスターなど水冷ハーレーのカスタムにも力を入れているトライジャ。以前の記事では同社のX350カスタム車を掲載したが、今回[…]
高回転のバルブ往復にスプリングが追従できないとバルブがピストンに衝突してエンジンを壊すので、赤いゾーンまで回すのは絶対に厳禁! 回転計(タコメーター)の高回転域に表示されるレッドゾーン、赤くなっている[…]
従来は縦2連だったメーターが横2連配置に ヤマハは、2004年に欧州で誕生し、2017年より日本を含むアジア市場へ(250として)導入されたスポーツスクーター「XMAX」の2025年モデルを欧州および[…]
2018 カワサキ ニンジャ400:250と共通設計としたことでツアラーから変貌(2018年8月30日公開記事より) 2018年型でフルモデルチェンジを敢行した際、従来の650共通ではなく250共通設[…]
最新の投稿記事(全体)
振動、路面を蹴飛ばす感じ、エンジンで走らせる気持ちよさ バイクはエンジンを懐に抱えて走るような乗り物だ。単純にライダーとエンジンの距離が近いことがエンジンの存在感を大きく感じさせるだけではなく、エンジ[…]
何よりも高耐摩耗性の実現 圧倒的な耐摩耗性を誇るのが、アルミめっきシリンダーの大きな特徴である。iB井上ボーリングが、アルミめっきスリーブを作ろうと考えた最大の理由は、同社の社是でもある「減らないシリ[…]
ベテランカメラマンに「これはアートだ」と言わしめる流麗なフォルム リヤタイヤが路面を蹴り飛ばすかのような、豪快で胸の空く加速フィールはスタートダッシュだけではなく、速度レンジが上がってからもまだまだ続[…]
Screenshot 未塗装樹脂の白化 バイクのミラーや泥除け(フェンダー)、樹脂製リアボックスなどに使われている黒い未塗装樹脂部品。ここに使われている素材の多くは「ポリプロピレン」という軽くて丈夫な[…]
スイングアームにスプールを装着できれば、アドベンチャーやオフ車でもガレージREVOが使える スーパースポーツモデルやビッグバイクユーザーのみなさんからご好評をいただいているガレージREVOは、バイク置[…]
- 1
- 2