
ホンダは革新的な電子クラッチシステム「E-クラッチ」を、11/7に開幕するミラノショー(EICMA)で発表する。発進/変速/停止時にクラッチレバーの操作を不要としてくれるるこのメカは、既存のエンジンに後付けでき、コスト的に安価に抑えられることも特徴の一つになりそう。第一弾はCBR650R/CB650Rと予測されるが、ヤングマシンでは今後、ホンダの中〜大型車にも続々装着されていくと見る!!
●文:編集部 ●イメージCG:SRD
E-クラッチ車はMT車の+5万円程度?
発進/変速/停止時にクラッチレバーの操作を不要とするホンダの新テクノロジー「E-クラッチ」の公開が近づいている。すでにホンダがティザームービーを流しており、11/7にイタリアで開幕するミラノショー(EICMA)で、CBR650R/CB650R系に搭載されて登場する可能性が濃厚。この650系はグローバルモデルだけに、Eクラッチを世界に知らしめるのにうってつけの車両と言える。
このE-クラッチ、ホンダのティザームービーを見ると、ワイヤー式クラッチシステムを持つエンジンに、クラッチを断続するモーターユニットを追加しているという構成も判明。つまり既存エンジンを大きく変更しなくても、モデルチェンジの際などに後付け搭載が可能なシステムとなりそうだ。
つまりE-クラッチは、CBR650R系でなくても、マニュアルミッション車には幅広く転用が可能なメカなとなるはず。エンジンの基本設計は既存MT車のままでOKのため、ホンダで同じくクラッチ操作を不要とするトランスミッション・DCTよりも価格設定はかなりリーズナブルになるだろう。CRF1100LアフリカツインのDCT車はMT車より11万円高いが、この半額程度の価格アップに収まる可能性が高そうだ。
ホンダが現時点で公開しているE-クラッチの画像。ワイヤー作動式のクラッチに後付けするように装着されている。背後のクラッチカバー、特にワイヤー部をえぐったような形状がCBR650R系エンジン(右はその拡大写真)と酷似しており、同車への搭載は確実。
未来のホンダ車はE-クラッチ全面展開か
先述のとおり、E-クラッチは発進/変速/停止時にクラッチレバーの操作を不要とするメカだが、クラッチレバー自体は車体に残されており、ライダーが操作したいときにはマニュアル操作も可能という点も新しい。クラッチレバーの付いているスーパーカブ…と言えばイメージしやすいだろうか?
つまりE-クラッチは既存エンジンに安価に後付けが可能なうえ、初心者からベテランまで、機種やライダーを問わず歓迎されるメカとなりそうだ。となれば、CBR650R系でまずはスポーツ方面の適性を見せ、その後はイージー方向の訴求も図ってくるだろう。ズバリ、ヤングマシンではレブル250やCL250あたりをE-クラッチ搭載車・第二弾と予測する。その先にはホンダEクラッチのフルライン化…なんて未来も見えてくる?!
ベストセラー街道爆進中のホンダ・レブル250。もしE-クラッチが搭載されれば…ユーザー層の拡大でさらなる人気爆発に繋がる?!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
回転センサーと反力発生装置を備えた「クラッチバイワイヤシステム」 アクセル操作を電気信号に変えて電子制御スロットルを操作する“スロットルバイワイヤ”は、ギクシャク感の少ないトラクションコントロールシス[…]
オートクラッチ操作とマニュアル操作を自在に切替可能? 2021年6月にお伝えした『クラッチもバイワイヤ! ホンダの新たな特許、指1本で軽々操作できる……だけじゃない?!』という記事を覚えている方はいら[…]
コーナリング中の自動ブレーキでも車体姿勢をキープできる これはライダーなら直感的に「そりゃ実現は難しいよね」と思う代物で、たとえばカーブで車体が傾いているときに自動ブレーキが作動したとしたら挙動が乱れ[…]
4輪の車線維持システムと類似 4輪の技術で『車線内の中央を走るように制御する』というシステムがあるのをご存じだろうか。ホンダで言えば「レーンキープアシストシステム=LKAS」と呼ばれるもので、日本語で[…]
より操作に忠実な過給機付きエンジンを実現する! ホンダがアフリカツインに過給機を搭載?! そんなニュースが現実味を帯びてきたかもしれない。2020年の特許公開時には海外メディアを中心に話題となったが、[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
ホンダCB400フォア:工芸品がごとき秀逸デザイン ヨンフォアことCB400フォアのベースとなったのは、1972年に発売されたCB350フォア。 当時、クラスで唯一の4気筒で、4本出しマフラーを採用す[…]
4ストローク2気筒の『オフ・ザ・ロード』 国産4ストローク2気筒型オフロード車を語る上で外せないバイクが1970年登場のホンダSL350です。SL350は1970年代のホンダ車の中でもレアな存在ですが[…]
完熟した性能に刺激をプラス 発売は、2025年3月6日のこと。2017年の登場以来、2020年モデルの3psのパワーアップ、スリッパークラッチの標準装備や、2023年モデルのさらなる1ps向上、ホンダ[…]
1992年モデル:新世代のホンダロードスポーツ 滑らかな曲線と面で構成された、力強くボリューム感のある18Lの燃料タンク形状に、独立したサイドカバー、そして躍動感ある跳ね上がり気味のリアカウル。すっき[…]
最新の関連記事(メカニズム/テクノロジー)
ファクトリーマシンが進化して帰ってきた! スズキは東京モーターサイクルショーのプレスカンファレンスで、2025年の『Team SUZUKI CN CHALLENGE』の体制発表を行った。メーカーとして[…]
実燃費の計測でおなじみだった「満タン法」だが…… エンジンを使った乗り物における経済性を示す指標のひとつが燃費(燃料消費率)だ。 「km/L」という単位は、「1リットルの燃料で何キロメートル走行できる[…]
1983年の登場当時、各雑誌媒体向けに紹介されたスズキRG250Γの全部品の分解写真。こうした写真をわざわざ撮影したことからも、同車に賭けたスズキの意気込みが感じられる。 フューエルインジェクション([…]
6段変速ミッション:スズキ T20(1965) 戦前はGPレーサーも4段変速までだったが、戦後の1952年にモトグッツィが5段変速を、1953年にドイツのNSUのレーサーが6段変速を採用した。そして国[…]
そもそもボア×ストロークって? 最近ロングストロークという表現をみる。エンジンのピストン往復が長いタイプのことで、バイクのキャラクターを左右する象徴として使われることが多い。 これはエンジン性能で高い[…]
人気記事ランキング(全体)
ヤマハ RZV500R「2ストV4エンジン搭載で衝撃のデビューを果たしたYZR500レプリカモデル」 ライトウエイトピュアスポーツからレーサーレプリカへの橋渡しであり、起点とも言えたヤマハ RZ250[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
4ストローク2気筒の『オフ・ザ・ロード』 国産4ストローク2気筒型オフロード車を語る上で外せないバイクが1970年登場のホンダSL350です。SL350は1970年代のホンダ車の中でもレアな存在ですが[…]
GPz900Rを受け継ぐ実用系最速マシン【カワサキGPZ1000RX】 1983年にTT-F1の排気量上限が750ccに引き下げられた結果、リッターバイクはレースの呪縛を解かれて独自に発展し始める。 […]
軽量化とパワーアップの両面を果たしたフルモデルチェンジ フルモデルチェンジが実施された2018年モデルの発売は、2018年2月1日。2017年モデルまでのニンジャ400は、海外向けのERシリーズをベー[…]
最新の投稿記事(全体)
シュアラスター製品で洗車しよう! 春の祭りと言えば…ヤマ◯キ春のパン祭りが有名ですが、 シュアラスターも祭りを開催しております。 その名も「春の洗車まつり」! キャンペーン概 応募期間:2025年3月[…]
アプリで『もてぎ2&4レース』決勝を予想してプレゼントをGETしよう! モーターサイクルロードレースの国内最高峰、全日本ロードレース選手権 Rd.1『もてぎ2&4レース』が、4月19日[…]
レストア/整備/カスタム/販売など絶版車に関するすべての分野でサービスを提供 古いバイクを海外から輸入して販売する場合、車両によって程度の違いはあれ必ず整備が付随する。 元々のコンディション次第ではレ[…]
ファクトリーマシンが進化して帰ってきた! スズキは東京モーターサイクルショーのプレスカンファレンスで、2025年の『Team SUZUKI CN CHALLENGE』の体制発表を行った。メーカーとして[…]
やっぱり「素手」が好き! いきなりですが、筆者はかなりの作業を素手で行っています。ていうか、素手が大好きです。ボルトを回すにしても、工具を持って締め付けるにしても、とにかく手先にダイレクトに伝わる感覚[…]
- 1
- 2