充電済みバッテリーに交換すればすぐに走り出せる軽EV
ホンダとヤマト運輸は、交換式バッテリー「モバイルパワーパックe:」を動力源とする軽EV「MEV-VAN Concept(エムイーブイバン コンセプト)」を使用し、集配業務における実証を2023年11月より開始すると発表した。交換式バッテリーの電力には再生可能エネルギー由来電力(再エネ電力)を活用し、エネルギーマネジメントの実現に貢献するとしている。
注目は、9月に発表された「N-VAN e:」が固定式バッテリーを搭載しているのに対し、「MEV-VAN Concept」は交換式バッテリーのモバイルパワーパックe:(MPP e:)を使用していることだろう。MPP e: はすでにパーソナル向け電動スクーター「EM1 e:」などで利用されており、1個あたりの重量は約10.3kg。車体から離れたところで充電できることはもちろん、充電済みのバッテリーに交換すれば即座に走り出せる利便性の高さで、小型電動モビリティの航続距離問題を解決する有力な方式と言われている。
モバイルパワーパックe:を1本使用するEM1 e:
MEV-VANコンセプトは、このMPP e: を後部の床下に8個搭載することができる仕様になっており、短距離で繰り返し走ることが想定される集配業務にも最適なソリューションなのではと思える。すでにホンダとヤマト運輸は、2023年6月からN-VAN e: の実用性を検証してきだが、MEV-VANコンセプトでは充電による待機時間や、夜間の一斉充電による電力使用ピークの偏りといった課題に対して交換式バッテリーがどの程度有用かが試されることになる。
MPP e: の充電には、日中に太陽光で発電した再エネ電力を利用。充電による待機時間の削減や電力使用ピークの緩和など、より効率的なエネルギーマネジメントの実現に貢献する。
概要
開始時期:2023年11月
車両台数:1台(順次、複数台での実証予定)
実施場所:群馬県内
実証内容
(1)集配業務における実用性や車両性能
- ・バッテリーレイアウトを含む集配業務における車両の使い勝手や、航続可能距離などバッテリー交換作業と現場オペレーションの両立性
- ・登坂時や積載量の多い場合など、集配業務におけるさまざまな条件下で必要とされる動力性能
(2)太陽光発電による再エネ電力の有効活用
(3)交換式バッテリー運用における各種基礎データの取得・検証
- ・集配業務を通じたバッテリーの耐久性
- ・日々の集配業務における車速、アクセルやブレーキなどドライバーの運転操作や、空調による電力消費量、走行後の充電量や充電時間帯などの各種基礎データの取得
- ・複数のEV運用を想定した充電オペレーションとエネルギーマネジメントの実現性
ジャパンモビリティショー2023に展示
MEV-VAN Conceptは、東京ビッグサイトにて開催される「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」のHondaブースで展示を予定。「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」専用の特別デザインでの展示となる。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
商用から個人ユースまで対応する軽バンEV 約5時間でフル充電、航続距離は210km以上 ちなみに、国内では2023年6月よりヤマト運輸とN-VAN e:プロトタイプを使用した実用性検証を開始しており、[…]
ヤマハがホンダ製「ホンダモバイルパワーパックe:」を搭載した汎用プラットフォームコンセプトを展示 2023年3月15日~17日に開催される「第13回スマートグリッドEXPO 春」に、ホンダとヤマハがそ[…]
↓試乗インプレッションはコチラ↓ Honda EM1 e: は補助金利用でいくらになる? ホンダは、2023年8月24日に国内初のパーソナル向け電動バイク「EM1 e:」を発売した。法人単位のビジネス[…]
ホンダのバイクのほとんどが積める 従来のアクティ・バンに代わり7月13日新たに発売される軽自動車のN-VANは、N-BOXのプラットフォームを最大限活用しながら軽バンに求められる広い積載スペースの確保[…]
詳細未発表ながら特設サイトに装備表を掲載 ホンダは8月3日に新型N-BOXを先行公開。2023年秋の正式発売が示唆されているが、価格やスペックは明らかになっていない。とはいうものの、新型N-BOX特設[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
長い歴史と抜群の知名度 日本の2輪業界では、ある分野でエポックメイキングなモデルが登場すると、他メーカーが似て非なる車両で追随・対抗するのが昔から通例になっている。もっとも一昔前と比べれば、最近は明ら[…]
いつかは乗ってみたかったGB250クラブマンを衝動買い ショーウインドウ越しに見ただけで衝動買いしたGB250クラブマン(1983)。購入したのは、個人売買でもジャンク屋でもなく、町のバイク屋さんでし[…]
※2024年3月にWEBヤングマシンで大きな反響を呼んだ記事をあらためて紹介します。こちらは第5位の記事です(初公開日:2024年3月24日)。 日本から50ccが消える日 骨肉のライバルも今は兄弟機[…]
ホークシリーズ登場後、すぐにホークIIIを投入。“4気筒+DOHC”勢に対抗したが… 1977年の登場から1〜2年、扱いやすさと俊敏さを併せ持つホークシリーズは一定の人気を獲得したが、ホークII CB[…]
ネモケンにかかってきた“1本の電話”からドラマが始まった 1986年の秋、ボク(根本健)のところへ、世界GPで闘うHRCワークスチームのボスである尾熊さん(以下 クマさん)から、電話があった。 「来春[…]
最新の関連記事(自動車/クルマ)
一般車両に紛れて身を隠し、必要とあらばルーフから赤灯をせり出して緊急車両に変貌する覆面パトカー。ライダーの中には、スピード違反などで覆面パトカーのお世話になった経験のある人もいるかもしれません。 バイ[…]
マツダ コスモスポーツやRX-7に搭載された“ロータリーエンジン”とは? 4輪メディアでは、定期的といっていいほど頻繫に「ロータリーエンジン復活!」といった論調のスクープ記事が出る。ご存知のように、ロ[…]
レガシーワールド 1991年8月に函館でデビュー。気性難の影響でなかなか勝利することはできなかったが、去勢後に本格化。菊花賞トライアルのセントライト記念ではライスシャワーを破り、その年の有馬記念ではト[…]
「インテグラ」を名乗るホンダ2輪/4輪の歴史 2022年にアメリカで復活したホンダの4輪車「アキュラ インテグラ」。2023北米カーオブザイヤーを受賞し、さらには2023年6月に「インテグラ タイプS[…]
作りは超本格的。キャリィでの展示も意味アリ!! 「ヨシムラWRS Seven」と名付けられ、今春の発売を予定するこのコラボホイール、開発や生産はウェッズで、そこにヨシムラの拘りを注ぐかたちで企画された[…]
人気記事ランキング(全体)
330円の万能ソケット買ったので試してみたい いつ頃からだろうか?100円ショップが100円だけではなくなってしまったのは。工具のコーナーも例外ではなく、100円、200円、500円、ものによっては1[…]
どうもアイキョウです。ワークマンにはさまざまなレインウェアがあります。 雨の日でも通勤でバイクに乗るならワークマンのバイカーズという製品がオススメです。ワークマンレインウェアの中では高額な5800円な[…]
止められても切符処理されないことも。そこにはどんな弁明があったのか? 交通取り締まりをしている警察官に停止を求められて「違反ですよ」と告げられ、アレコレと説明をしたところ…、「まぁ今回は切符を切らない[…]
――はじめに、津久井高校の県内の位置付けや特色を教えてください。 熊坂:県立高校に移管される前も含めると、明治35年に始まった学校なので120年を超える歴史があります。全日制と夜間定時制の2課程ありま[…]
トルクが凄ぇ! でも意外なほど普通に走る 2294ccの直列3気筒エンジンを搭載した初代ロケットIII(現在はロケット3)を初めて目の前にしたとき、こんな大きなバイクをまともに走らせられるんだろうかと[…]
最新の投稿記事(全体)
愛車とキャンプツーリングに行きたい! おつおつおー!バーチャルバイク女子のアズマリムです。バイク乗りなら一度はやってみたい夢といえば、キャンプツーリング(だよね?)!! アズリムの愛車は、スーパーカブ[…]
①バットサイクル【映画「バットマン」劇中車(1966年)】 バットマンシリーズ初の長編映画として1966年に公開された“バットマン”に登場。バットモービルのバイク版として今ではおなじみの存在だが、初登[…]
こんにちは、マットです!! 今回はアメリカ最古のモーターサイクルメーカーで有名なインディアンモーターサイクルのクルーザーモデルである新型スポーツチーフに試乗してきました!! 排気量1890cc!!ど迫[…]
トルクが凄ぇ! でも意外なほど普通に走る 2294ccの直列3気筒エンジンを搭載した初代ロケットIII(現在はロケット3)を初めて目の前にしたとき、こんな大きなバイクをまともに走らせられるんだろうかと[…]
精度向上と新たなシール開発で、今なお進化を続けるチェーン技術 芸術家であり科学者でもあったレオナルド・ダ・ヴィンチが15世紀に考案し、19世紀に現在とほぼ同様の形態で実用化されたローラーチェーンは、バ[…]
- 1
- 2