ホンダは、2024年春に発売予定とする新型軽商用EV(電気自動車)「N-VAN e:(エヌバン イー)」の先行情報サイトを公開した。価格は未発表だが、装備や一部のスペックは明らかになっている。2022年12月に2024年春の発売を予告していたものだ。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:N-VAN e: 先行公開サイト
商用から個人ユースまで対応する軽バンEV
ホンダが「N-VAN e:(エヌバン イー)」の先行情報サイトを公開した。ホンダは2050年にカーボンニュートラルの実現に向け、日本国内で販売する四輪車を2030年にはハイブリッド車を含めて100%電動車とすることを目指しているが、まずは普及にあたってニーズの高い軽商用EVから展開する。
N-VAN e:は、すでに存在するガソリン商用車のN-VANをベースとしたEVで、大型バイクも積み込み可能な広大な荷室スペースやフラットな床、高い天井といった基本構成を継承。荷室のフロア下に薄型バッテリーを搭載することで、荷室容量への影響を最小限に収めている。
外観デザインはN-VANを踏襲しつつ、使用済みバンパーをリサイクルした材料でフロントグリルを構成するなど、環境負荷の小ささをアピールする。
気になるのはEVならではの走りだが、スムーズな走りだしやに持つの重さを感じさせないパワフルさを謳い、バッテリー搭載は低重心化による走行安定性にも寄与。さらに、ブレーキには操作に対しリニアに反応する電動サーボブレーキを軽商用バンとして初採用し、高いコントロール性も実現した。また、エンジンブレーキがないEVならではの装備として、Dレンジに比べて減速度を大きくするBレンジを設定している。
約5時間でフル充電、航続距離は210km以上
充電については、6.0kW出力の普通充電器を使用して約5時間でフル充電に達する。充電リッドは、ドアの開閉の邪魔にならないよう車両の前部に配置される。“電費”は、配送業務に十分対応する航続距離としてWLTCモードで210km以上を目標に開発。また、エアコンの消費電力を抑え、実用航続距離を伸ばすことができるECONモードを設定しているのはガソリン車と同様だ。
このほか、AC車外給電用コネクター「Honda Power Supply Connector(パワーサプライコネクター)」を使用することで、合計1500Wまでの電化製品に給電することも可能。停電や災害時にも役立つ。さらに、可搬型外部給電器「Power Exporter e: 6000(パワーエクスポーターイー)」、「Power Exporter 9000」を使用することでそれぞれ最大6kVA、9kVAの高出力給電が可能となり、災害時などに出力の高い冷蔵庫や冷暖房器具など、複数の電化製品を同時に使用することができるという。
スマートフォンと接続するコネクテッド機能も充実。Hondaリモート操作アプリを利用することにより、お出かけ前タイマー設定、充電待機時間設定、最大電流量設定、最大充電量設定、外部給電下限SOC(残充電量)設定を遠隔で行うことができる。
ホンダセンシングは2タイプに標準装備し、さらに軽商用バンとして初めてサイドカーテンエアバッグを運転席と助手席に標準装備するのもポイントだ。
ちなみに、国内では2023年6月よりヤマト運輸とN-VAN e:プロトタイプを使用した実用性検証を開始しており、海外でも9月よりインドネシアで国営石油会社プルタミナとの実用性検証を開始。ここで実用性の検証が行われ、高い信頼性を持った製品がユーザーに届けられることになる。
なお、ホンダは2022年12月の発表時に、N-VAN e: の価格をガソリン車と同等の100万円台からの設定にするとしている。補助金も合わせると、ガソリン車の代替として検討すべき価格が期待できそうだ。
N-VAN e: は3グレード構成
N-VAN e: には、機能性と安全性を追求したスタンダードモデル「e: L4」と、パーソナルユースにも適した「e: FUN」、そして新車オンラインストアHonda ON限定の「e: L2」がラインナップされる。主要装備の違いは下記のとおり。
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