“アルプスローダー”として名を馳せた往年の名機トランザルプがついに復活! 270度クランクの新ツインでV2時代の鼓動感はそのまま残しつつ、回りの良さと車重の軽さでアドベンチャー界に新たな風を巻き起こしそうだ。その車体を開発者インタビューもまじえて紹介する。
●まとめ:ヤングマシン編集部(宮田健一) ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:ホンダ
トランザルプ 開発者インタビュー:開発中には本格オフ路線も検討しました
ホンダの同排気量帯にはNC750もありますが、これは低燃費指向など世界観が独特なため、ライバルのひしめくこのクラスでは、NCと異なるモデルも必要と考えていました。そこで「750FUN新アーキテクチャー」と呼ぶ共通車体を持ちつつ、オンロードとオフロードそれぞれの魅力を具現化させたモデルを構想。それがCB750ホーネットとXL750トランザルプです。同じスタッフが手がけると似てしまいがちなので、基礎部分を除き別チームで開発は進めました。
とはいえ最初からホーネットとトランザルプだったわけではなく、“ストリートファイター”と“アドベンチャー”を作り分けるというスタートだったため、オフ路線は当初、もっと本格的な“CRF750”的な方向だったんです。しかしお客様の立場ではどんなスペックが実際の役に立ち、使いやすいのか。そう考えていった先に“トランザルプ”という答えがありました。
方向性がハッキリした後は、それに向かって邁進。ホーネットにも使うエンジンは対ライバルを考えてショートストローク気味で高出力とする一方、トランザルプの最低地上高のために2軸バランサーの角度を120度以上開いて下のバランサーを後方に追い込むなど、多岐に備えた設計としました。
車体も基本は一緒ながら、トランザルプのシートレールは重量物に耐えるよう専用設計で、強度が出る溶接接続としています。エンジンハンガーやリヤサスの上部マウントも、大きな入力が予想されるトランザルプは強度や剛性を高めています。
それぞれの魅力となる部分を妥協なく作りこむ一方、特に若年層にも訴求したいホーネットに強く求められた“リーズナブルな価格”も実現できたと思います。
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