MVアグスタジャパンは、998cc水冷並列4気筒エンジンを搭載するスポーツネイキッド『ブルターレ1000RR』と『ブルターレ1000RS』の2車種を、全国のMVアグスタ正規販売店にて12月より販売開始する。車両価格はブルターレ1000RRが459万8000円、ブルターレ1000RSが357万5000円となっている。
●文: 山下剛
電子制御テクノロジーのアップデートに加え、エンジンやシャシーも大幅に性能を向上
ブルターレ1000は、F4をベースとするスポーツネイキッドで、そのパワーソースは998cc水冷並列4気筒エンジンを搭載する。このエンジンはフリクションロスを軽減するための開発が絶え間なく行われ、最新式ではF1やMotoGPマシンにも採用されるチタン製ピストンロッドしている。また、セントラルタイミングチェーンもMotoGPマシンからフィードバックされた技術で、高回転時のカムシャフトのねじれの影響を低減する。
同時に最新式エンジンではカムプロファイルを変更し、低中速域のトルクを適正化。バルブタペットにDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングを施すことでフリクション低減を図っている。ピストンはアッソ社製の低摩擦ピストンリングを備え、クランクシャフトは低回転時の振動を制限するためにバランスさせたものを新採用している。
吸気系ではエアボックスを再設計してエンジンの出力効率を最適化。シリンダー毎に2個のフューエルインジェクターを装備している。ちなみに下部がミクニ社製、上部がマニエッティ・マレリ社製となっている。
もちろん排出ガスはユーロ5に適合している。それでいて最高出力は211ps/13000rpmと並列4気筒のスーパースポーツならではのハイパフォーマンスを達成している。
この最新エンジンはエルドー社と共同開発したをコントロールユニットで制御される。スポーツ、レース、レイン、カスタムの4種のライディングモード。8段階のトラクションコントロール。ウイリーコントロールやローンチコントロールなど、これらは安全性を高めつつも、ブルターレ1000の動力性能を存分に発揮させるためのアグレッシブな制御特性となっている。ABSはコンチネンタル社製のコーナリングタイプで、バイク中においてもタイヤのロックを抑制し、より安定した減速を行える。また、オーリンズ社製ステアリングダンパーも電子制御式となっている。
クイックシフターは第3世代となり、アップ/ダウンに対応し、より高精度でスムーズなシフトチェンジを可能としている。
シャシーでは、ブルターレ1000RRではオーリンズ製電子制御サスペンションを前後に採用する。これによりラフな路面での追従性や乗りやすさ、そして安全性が大幅に向上している。
一方、ブルターレ1000RSでは前後サスペンションは従来どおりの機械式となり、フロントがマルゾッキ製、リアはザックス社製を装着している。RRとRSの走行性能においてもっとも大きな違いはこの点にあり、ほかにはクリップオンハンドルバーやフットレストの仕様の違いによって、RSのライディングポジションは長距離ツーリングに適したものとなっている。
MV AGUSTA BRUTALE 1000 RR / RS[2022 model]
主要諸元■全長2080 全幅805 全高― 軸距1415 シート高845(各mm) 車重186kg(乾燥)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 998cc 211ps/13000rpm 11.9kg-m/11000rpm 変速機6段 燃料タンク容量16L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=200/55ZR17 ●価格:459万8000円【357万5000円】 ●色:濃灰×黄、赤×濃灰【銀×濃灰、赤×濃灰】 ●発売日:2021年12月 ※【 】内はRS
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