常識的なメッキ仕上げの直線形状のマフラーではなく、レース専用と同じ膨張管の中央で膨らむ形状で、しかもレーサーと同じ黒で仕上げるという、レーシングパーツそのままに見える仕様でつくられたセンセーショナルなマフラー形状は、ライバルメーカーもこぞって採用するようになりました。
2ストのレーシングマフラーと同じチャンバーと呼ばれる形状で市販車に装着されたのはRZが初!
RZ250が圧倒的な注目を集めていたのは、それまでの常識を覆すレーシングマシン直系の仕様にあったのは間違いない。
それを象徴するひとつが、チャンバーと呼ばれる排気管の形状。2ストロークエンジンは、4ストロークのような燃焼室に機械的なバルブ(弁機構)を持たない。吸気も排気もシリンダーに開いたポートに対し、ピストンが上下動することで開いたり閉まったりする構造だ。
このためエンジン回転域でによっては、吸気が燃焼される前に排気へ押し出されてしまったり、逆に前回の燃焼で出た排気の圧力で次の排気がされにくくなるなど、気体が圧縮されて起きる圧力の管理をする必要がある。
このため排気を膨張室へ誘導して、出口を絞ることで抜けにくくしたりなど、毎回の排気の脈動を吸い出したり押しとどめたりするために、究極の性能追求するレーシングマシンでは、マフラー中央部分の直径を常識的なマフラーの倍ほども太くして、出口に向かって絞り込む構造とするのだ。
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