
初の水冷250だけじゃなかった。ヤマハが2ストの起死回生を賭けてありったけの頂点テクノロジーを注ぎ込んだ、そのひとつがダブルループクレードルフレームだ。
●文: ライドハイ編集部(根本健) ●イラスト: 藤原らんか
世界GPで頂点を狙うとき、ヤマハはフレームも最高峰を奢った唯一の日本メーカー
RZ伝説、第1回でお伝えしたように、’70年代まで海外では大型バイクも蹴散らすスポーツ性の高さで人気の頂点だったヤマハのYDSシリーズに端を発したRD250/350系列。
この売れっ子が、アメリカのカリフォルニアからはじまる厳しい排気ガス規制で、絶望的にパワーが落ち込んでしまった。「2ストは、終わった」とまで言われ、刺激が少なかろうが4スト化に拍車をかけるしかない、そう誰もが思っていた状況下で、ヤマハは虎視眈々と逆転劇の策を練っていたのだ。
もちろん切り札は2スト250ccの市販車では世界初の水冷エンジン。世界GPでプライベーターが欧米のワークスマシンと覇を競う、ヤマハの市販レーサーTZ250そのままをイメージさせ、もうそれだけで最強マシンと位置づけされるスペックだ。
さらにヤマハのワークスGPマシン直系、チャンバータイプの排気系、リヤサスも常識的な2本サスではなく初の1本サスと、ファンにとっては目を見張る超弩級の装備だらけ。
しかし、ヤマハはそうした注目される最新メカニズムだけではなく、一般のファンでは気づかない、いやプロのエンジニアでも着目をしない、マシンの根幹ともいえる部分にとんでもない贅沢なチャレンジをしたのだ。
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