日本独自のカテゴリー=400cc車に込められたこだわり【’80〜’90年代の夢よ再び】

日本独自のカテゴリー=400cc車に込められたこだわり

“限定解除”の壁に阻まれ750ccクラスが高嶺の花だった’80年代のバイクブーム世代。当時の400ccクラスは、各メーカーが贅を尽くした魅力的なモデルが咲き誇っていた。カワサキZ400FXやホンダCBX400Fといった大人気機種はもとより、4気筒のレーサーレプリカやネイキッドブームの先陣を切ったカワサキゼファーなど、この時代の400ccクラスは実に多種多様で活気に溢れていた。簡単に大型バイクに乗れるようになった現在、だからこそもう一度400ccの魅力に触れてみたい。全国306 店舗のネットワークを有するレッドバロンの店頭在庫を見ながら、当時の400ccに込められた日本メーカーのこだわりを紹介する。


●文/写真: 栗田晃 ●取材協力: レッドバロン

’90 ホンダCBR400RR:V型エンジン全盛期に直4の可能性を追求し尽くす

’80年代のホンダは並列4気筒とV型4気筒の2本立てにて展開していた。空冷のCBR400Fからフルカバードデザインの水冷CBR400Rを経た’88年のCBR400RRは、デュアルヘッドライトでレーサーレプリカスタイルが魅力だった。その後継が’90年のCBR400RR(NC29)で、低重心のLCGフレームや前後17インチタイヤなど集大成的熟成が図られた。次にCBR400を名乗るのは’13年登場の2気筒モデルなので、4気筒にこだわるならこれしかない。

’90 HONDA CBR400RR

ヘッドパイプからスイングアームピボットまで一直線に伸びるツインスパーのように見えるが、低重心化のため途中で屈曲しているのがLCGフレームの特徴。外装一式は純正グラフィックで再塗装済みで美しい。

’97 ヤマハFZ400:空冷のXJR400に対して水冷ネイキッドとして登場

CB400スーパーフォアに対抗するスポーツネイキッドとしてヤマハXJR400が登場したのは’93年。その4年後、XJRとの併売でデビューしたのがハーフカウルを装備したFZ400だった。空冷エンジンにリア2本ショックのXJR に対して、水冷+モノクロスサスペンションの実力は明らか。結果的に短命に終わったが、オールマイティぶりは現在でも通用する。

’97 YAMAHA FZ400

燃料タンク外側に張り出したパイプが特徴的なダブルクレードルフレームに新開発の水冷4バルブエンジンを搭載したFZ400は、海外向けのFZS600の姉妹モデルという側面もあった。FZ400RやFZ750を彷彿とさせるカラーリングは、’80~’90年代のヤマハ車を象徴するものだ。

’01 カワサキZRX400-II:ゼファーと並ぶカワサキロングセラーネイキッド

ZZR400譲りの水冷エンジンとZ1000Rローソンレプリカ風デザインを組み合わせたパフォーマンス追求型ネイキッドとして’94年に登場したZRX。その翌年に追加されたのが、角形ヘッドライトとビキニカウルを廃し丸型ヘッドライトを装備したZRX-IIだった。’98年にはフロントブレーキキャリパーが6ポットとなり、’08年まで販売された。

’01 KAWASAKI ZRX400-II

大ヒットとなったゼファーの二匹目のドジョウというわけではないが、CB400スーパーフォア/XJR400/GSX400インパルスなどの高性能ネイキッドに対抗したZRXのスイングアームはKZ1000S1風。ZRX-IIはKZ1000Mk IIやZ400FXイメージのグラフィックを採用した。

’88 ホンダ ブロス:レプリカ全盛自体に登場したスポーツVツイン

NV400カスタムというアメリカンモデルに搭載された52度Vツインエンジンをアルミフレームに搭載し、リアサスペンションに片持ち式のプロアームを装備。デビューした’88年はレーサーレプリカブームでゼファーより1年前だったため、異色のスポーツモデルという印象だった。プロダクト1が650ccで、まったく同じデザインの400cc版がプロダクト2だ。

’88 HONDA BROS PRODUCT2

Vツインという点ではVT250F(挟み角は90度)と同じ形式だが、ノンカウルでスタイリッシュなデザインは大人のライダーからも支持された。ツインスパーフレームの車体はチューニング次第でスポーティな走りも可能で、当時流行していたツインレースのベースマシンとしても活躍した。

あの頃の夢よもう一度

400ccは車検があるから個人売買でも安心だと思っているバイク好きもいるが、必ずしも車検に通っているから安全というわけではない。極端なことを言えば、フォークオイルが空でもチェーンが伸びていてもベアリングがガタガタでも検査は通る。製造から20年以上も経っている絶版車の購入を考えるなら、ショップ選びと車両の質にこだわらないと痛い目に遭う可能性が高い。

今回紹介した4車種は、いずれもレッドバロングループの在庫車両。現時点で同一個体は売約済みの可能性となっていると考えられるが、同様の車種が気になる方は店頭にて相談してみてはいかがだろう。

レッドバロンでは、長年にわたる実績とノウハウにより確立した”譲渡車検”の8種検査をクリアした車両を販売。レベルの高い整備で登録に関する心配もなく、機種ごとのクセや整備の勘所を把握し、メーカーで販売終了となった部品も豊富に在庫しているとのことで、オーナーとしては安心して乗り続けられるだろう。また全国306店舗で同じサービスが受けられるので、不測の事態が発生してもすぐに対処できる。

絶版400ccであの頃の夢を叶えたい。そんなライダーにとって、レッドバロンは有力な選択肢のひとつとなりうるだろう。


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