MVアグスタジャパンは、水冷並列3気筒エンジンを搭載するスポーツネイキッド『ブルターレ800』をアップデートして6月より新発売する。同車には2グレードがあり、上位版となる『ブルターレ800 RR SCS』が253万円、スタンダードとなる『ブルターレ800ロッソ』が198万円となっている。
●文:山下剛 ●情報提供:MVアグスタジャパン
エンジンやフレームも改良を施して、クラッチ操作不要のオートマチックも搭載
2021年式ブルターレ800のアップデートは、フルモデルチェンジといって差し支えないほど多岐にわたっている。
まずエンジンは、排気量や形式、最高出力と最大トルクに変更はないものの、DLCコーティングを施したタペットと新素材採用のバルブガイドのほか、排気システムと燃料注入圧力を高めた新設計インジェクター、新しいECUの採用などにより、信頼性と安定性を向上。さらにユーロ5に適合するクリーンな排ガスを実現した。
クラッチは、バスケットをより堅牢なものに換装し、第3世代となるEAS 3.0オートシフターは新センサーの採用により動作精度を高めている。
電子制御システムは、e-Novia社がMVアグスタ専用に開発した最新IMUを採用し、コーナリングABS、トラクションコントロール(8段階)、フロントリフトコントロール(FLC)を備える。また、メーターは5.5インチフルカラーTFTとなり、これらの機能を視覚的に操作できるほか、スマートフォンとの通信機能も搭載。スマートフォンから燃調マップ、トラクションコントロール、クイックシフターなどの設定を変更できる。この連動により、メーターの液晶画面にスマートフォンのナビゲーションを表示させることも可能だ。
メーターに装着されたフライスクリーンは、小さいながらも空力性能に優れ、ライダーを走行風から保護する。なお、ロッソに搭載されるコーナリングABSはコンチネンタル社製となっている。
ライディングモードは、ノーマル・スポーツ・レイン・カスタムの4種が用意される。
シャーシでは、まずフレームを改良している。新設計サイドプレートの採用により、ねじれと縦方向の剛性を向上させ、走行安定性とコントロール性を高めた。リヤサスペンションはリンケージを新設計するとともに、スプリングなどを改良することで路面追従性を高め、フロントフォークのセッティングを最適化している。
ヘッドライトはフルLEDにするとともに、コーナリングでカーブ内側を照射するアダプティブ機能を搭載。シートは快適性を高めるために素材を見直している。
また、上位グレードであるRR SCSには、リクルス社製スマートクラッチシステムを採用している。これは発進と停車時の半クラッチを不要とするオートマチックトランスミッション機能で、さらに従来どおりにクラッチを使った発進/停車も可能としている。このシステムの装備による重量増はわずか36gと非常に軽量だ。
新型ブルターレ800には2グレードが用意される。スタンダートとなるのは『ロッソ』だが、こちらは受注発注モデルで、納期は注文から約4カ月後とアナウンスされている。国内導入されるのは上位グレードの『RR SCS』だ。両車の違いは、エンジンの最高出力設定(ロッソは112ps、RR SCSは140sp)と、スマートクラッチシステムの有無となっている。
【MV AGUSTA BRUTALE 800 RR SCS / ROSSO[2021 model]】主要諸元■全長2045 全幅875 全高― 軸距1400 シート高830(各mm) 車重175kg(乾燥)■水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ 798cc 140ps/12300rpm【112ps/11000rpm】 8.87kg-m/10250rpm【8.67kg-m/8500rpm】 変速機6段 燃料タンク容量16.5L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:253万円【198万円】 ●色:黒×銀、赤×銀【赤】 ●発売日:2021年6月 ※【 】内はロッソ
MV AGUSTA BRUTALE 800 RR SCS[2021 model]
MV AGUSTA BRUTALE 800 ROSSO[2021 model]
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