無人コンパウンド・ヘリコプター「K-RACER」

【映像】310psのヘリ?! カワサキ「ニンジャH2R」スーパーチャージドエンジンが空を飛ぶ!

川崎重工は、北海道大樹町多目的航空公園において、無人コンパウンド・ヘリコプター「K-RACER」の飛行試験に成功たと発表。従来型のヘリコプターでは限界がある高速化を目指し、なんとNinja H2Rのスーパーチャージドエンジンを搭載した。今回の試験では安定した飛行を確認することができたという。

航空宇宙システムカンパニーが開発、動力源は「H2R」のスーパーチャージドエンジンを使用!

川崎重工は、北海道大樹町多目的航空公園において、無人コンパウンド・ヘリコプター「K-RACER」の飛行試験に成功。K-RACERとは「Kawasaki Researching Autonomic Compound to Exceed Rotorcraft」の頭文字を取ったものだという。

従来型のヘリコプターでは高速化に対し技術的に限界があったというが、川崎重工は無人試験機による技術実証を行い、今回の試験では自律制御による安定した飛行を確認することができたという。

このヘリコプター「K-RACER」は、メインローター(直径4m)のほか、テールローターの代わりに左右両舷に主翼およびプロペラを持つ、コンパウンド(複合型)ヘリコプターと呼ばれる特殊な形態の試験機。左右のプロペラによってメインローターの回転に伴うトルクを打ち消すとともに、前進推力を発生することができる。また、前進飛行では主翼が揚力を分担することでメインローターの負担を減らし、従来のヘリコプターでは達成できない高速飛行が行えるというのがコンセプトだ。

開発は川崎重工内の航空宇宙システムカンパニーによるもので、動力源はモーターサイクル&エンジンカンパニーおよび技術開発本部の技術シナジーにより、カワサキ製モーターサイクル「Ninja H2R」のスーパーチャージドエンジンを搭載している。

川崎重工は、消防・防災やドクターヘリとして活躍するBK117ヘリコプターシリーズをはじめ、各種ヘリコプターの納入実績も数多い。今回の試験で得られた成果を、有人/無人のヘリコプターをはじめとしたVTOL(vertical take-off and landing/垂直離着陸機)機および各種サービスと連携した航空機運航システムの開発等に活用することを目指すとともに、将来VTOLシステムの実現も含め、今後も航空技術を通じて社会に貢献していくという。

残念ながらエンジンがどのように格納されているのかは外から見ることができず、また映像に音声が収録されていないためニンジャH2Rのような爆音なのかも確認できなかった。いつかその姿を拝みたいものだが……。


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