「雑誌屋がSNS に踊らされてどうする!?」と自嘲しながら、動向を追ってしまったZ1/Z2 シリンダーヘッドリバイバル。いかに天下のカワサキZといえ、絶版車ユーザーに向けたメーカーの底力に感服、感動で迎えた2020年1月。サイトオープンから2時間足らずで完売となった初回ロットを幸運にも購入できた、モトメカニック編集部の栗田。床の間に飾ります(笑)。
● 文/写真:栗田晃 ●取材協力:井上ボーリング ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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絶版車ユーザーに向けたメーカーの底力に感服
全国のオーナーやショップから、数多くの内燃機加工の依頼を受ける井上ボーリング。中でもトップクラスのシェアを誇るのがZシリーズだが、今回のリバイバルヘッド販売は大歓迎だと語る井上社長。その理由とともに、井上ボーリングが誇るICBM®と組み立てクランク技術とのセットによるエンジン改善作戦の全貌を伺った。
バルブシートカットやバルブガイドの打ち替えなどの内燃機加工とともに、折れ込んだボルトの抜き取りや潰れたプラグ穴の再生などの修理仕事も行う井上ボーリング。”このヘッドを使わなければ次がない”というZユーザーの手助けも行ってきた。
それでも「もう50年近く経過して素材自体も劣化しているので、お金を掛けて修理しても間を置かず別の場所が壊れたりして、残念な気持ちになることもあります」と井上社長。だからカワサキの手によるシリンダーヘッドの復刻は大賛成だという。
「弊社ではアルミメッキスリーブのICBM®
と、独自オーダーコンロッドを用いた組み立てクランクシャフトのオーバーホールが可能で、残すはシリンダーヘッドという状況でした。ここで技術力と信頼性のあるメーカー”純正”ヘッドが加われば、Zのエンジンは完璧なんです。本当に”よくやってくれました!”という気分です」。
リバイバルヘッドで得られるのは馬力向上や最高速アップではなく、良好なコンディションが長期間持続できるという耐久力と安心感である。そうであるなら、スリーブが回ってしまう純正シリンダーや、ベアリング音が不安な純正クランクシャフトも、合わせて手当てしておくのが賢い選択であることは明白だ。
雌ネジのナメや燃焼室のクラック。当時物ヘッドのトラブルは当たり前
プラグのネジ穴やカムシャフトのベアリングキャップの雌ネジがナメているのは日常茶飯事。M6ボルトがM8に交換されているのも当たり前。バルブシートとプラグ穴の間にクラックが入っているものも多いが、いたちごっこのように修理が続くとお互いに疲弊してしまう。
素材を変えて性能アップは復刻ヘッドと同様。シリンダー再生に最適なICBM®
アルミ製シリンダーバレルと鋳鉄スリーブの膨張係数の違いで、スリーブが回ったり踊ったり、位置が定まらなくなるのがZの悪癖。そのデメリットを解消するだけでなく、軽量で放熱性が高く、表面硬度アップによって耐摩耗性まで向上するのがアルミスリーブに特殊メッキを施したICBM®
。現行車でアルミメッキシリンダー採用車が多いのは、鋳鉄に対して利点しかないから。リバイバルヘッドがZX-10R用と同じ合金で硬度と耐久性をアップしたように、ICBM®
でシリンダーの耐久性を向上させたい。
新品シリンダーヘッドは大歓迎。ICBM®とクランクシャフトOHの3点セットで、Z2/Z1のエンジン全体をモダナイズ
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