ユーザーの高齢化が進むバイク市場
日本自動車工業会による「2019年度二輪車市場動向調査」は、国内メーカーの新車購入者を対象に20年以上にわたって隔年で実施しているもので、定期的なバイクの市場動向調査としては唯一。今回は’18年6月~’19年5月に購入した4967人が対象となった。
まず注目は、購入者の平均年齢が52.7歳から54.7歳と2歳高くなったこと。前回調査と比べ、30代未満の構成比が6ポイント低下し、1ポイント増えた70代以上と同じ12%になった影響が大きい。年々高齢化が進んでおり、30代未満と70代以上が同じ比率とは、かなり驚きの結果だ。
一方で新規の普通&大型二輪免許の取得者は増加。’13年以降減少していたが、今回は普通二輪が前年比6000人増、大型は1000人増加した。またオートマ125㏄まで乗車できるAT小型限定普通二輪免許が1000人増に。これは一日の教習時限制限が3→4時限に緩和された効果も大きいだろう。
一般の人から見たバイクのイメージは向上
回ごとにタイムリーなテーマを調べるトピック調査では、ユーザーと一般の人から見たバイクのイメージに関して興味深い結果が。一般人は「暴走族のイメージが薄れてきた」「自由人」などポジティブに捉えた回答が多く見られた。一方、ネガティブなイメージはライダーの方が多く、運転の仕方や安全性を懸念するコメントが多かった。
ユーザー(ライダー)のイメージ
【ポジティブ】
- 昔は暴走族というイメージだったが、今はもう少し大人の乗り物というイメージ(40代男性)
- 大きいバイクに乗ると格好いいという自意識はある(40代男性)
- ちょいワルみたいなイメージ(50代男性)
【ネガティブ】
- すり抜けのイメージが強い。スピードを出す人が多い。車の間を縫っていくバイクがいるのでそこが危険と感じる(40代男性)
- スクーターのイメージが悪い。都内ではスピードを出してすり抜けていく人が多い(20代男性)
- 事故が多いので怖い。何かあったときには命に関わる(20代女性)
- ヤンキーのイメージ(30代男性)
- あまりお金を持っていない人がバイクを買うイメージ(60代男性)
- ナルシストが多いイメージがある(50代男性)
【ニュートラル/その他】
・若者は原付二種、年配者は輸入車など大排気量に乗るイメージ(40代男性)
・女性で大型に乗ると性格のキツそうなお姉さんのイメージ(20代女性)
・必要のない人は買わない乗り物。出かけるのが好きな人が買うイメージ(50代男性)
・よいイメージと悪いイメージが二極化している(60代・男性)
非ユーザー(一般の人)のイメージ
【ポジティブ】
- 暴走族は昔に比べて減っており、暴走族のイメージは薄くなってきた(60代男性)
- 趣味のイメージが強い(30代男性)
- 自由人のイメージ。基本的に一人で楽しむ人が多い(30代女性)
- 自転車のマナーが悪いので、自動二輪車のほうが自転車よりもマナーがよい(50代男性)
- 女性がバイクに乗っているところを見ると格好いいと思う(50代男性)
【ネガティブ】
- エンジンをかければすぐに乗れる気軽な乗り物だが、車と比較すると専門性が高く、難しいイメージがある(30代男性)
- スピードを極端に出す、高速走行中に割り込んでくるなど、自己中心的なイメージ(30代男性)
【ニュートラル/その他】
- こだわりが強そう(30代女性)
- 地方では便利だが都会では不便な乗り物。地方には駐車スペースがあるが都会には駐車スペースがない(30代男性)
- イメージはよい人と悪い人が両極端(50代男性)
- カジュアルな感じではない(50代男性)
(ユーザー29名、非ユーザー17名にインタビュー)
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