価格と適合車種、生産個数なども判明
カワサキ 東京モーターショー出展概要が少しずつ明らかに! 再生産Z1/Z2用シリンダーヘッドを世界初公開
- 2019/10/19
カワサキは東京モーターショーに650-W1やNinja H2 CARBON、そして最新トレールモデルのKLX230を出展すると公式発表しているが、さらにSNSなどで踏み込んだ展示概要を明らかにしはじめている。なかでも注目は、再生産するZ1/Z2用シリンダーヘッドの世界初公開だ。
再生産のZ1/Z2用シリンダーヘッド(黒、銀)の精巧な仕上がり
以前から報じられてきた、カワサキによるZ1/Z2シリンダーヘッドの再生産計画だが、ついにその実物を目にするチャンスが訪れる。10月24日から一般公開の「第46回東京モーターショー2019」のカワサキブースにて、再生産版のシリンダーヘッドのを世界初公開するというのだ。
1973年に発売された750RS(Z2)と、その国外向け輸出仕様である900 super4(Z1)の人気ぶりはここで振り返るまでもないほどで、世界では累計10数万台以上が販売され、カワサキのモーターサイクルを象徴する歴史的なモデルとなっている。発売からすでに47年が経った現在も、走行可能な車両が現存もしくはレストア等によって復活し、多くのファンに愛され続けている。
そんなファンの悩みのひとつは、これからも良好なコンディションを保つために必要な純正パーツの確保だろう。そこでカワサキは、これらのZ1/Z2のシリンダーヘッドの再生産を決定。当時の図面に規定された仕様を、現在の設計基準、製造技術、製造法により具現化するというコンセプトで、新たに開発することにした。そう、再生産といいつつも、じつは当時設計のまま新開発という手法をとっているのだ。もちろん生産は日本国内の明石工場である。ちなみに、シリンダーヘッド以外の部品について、またZ1/Z2以外の歴史的なモデルの部品についても、ファンの声を聴きながら検討していくという。

部品構成は「シリンダーヘッド本体」および「カムシャフトブラケット」となり、写真のように黒と銀が生産される予定。当時の製造技術・製造法の結果として生じた細部の形状や表面の質感などを復元するものではなく、またカムシャフトやシリンダーヘッドカバー、バルブ、タペット、ガスケット類などは含まない。

シリンダーヘッド本体とカムシャフトブラケット。排気管取り付け用のスタッドボルト寸法は、後期型のM8を採用しているという。

KZ1000Mk.Ⅱなど通称「角ヘッド」のモデルには適応しておりません、とのこと。
日本で先行販売され、Z1用としての海外試乗への販売は検討中。生産個数は1000個とし、注文の状況に応じて増産も検討するという。販売方法は、2019年12月中旬に開設予定の販売専用サイトにて受注を開始。2020年2月中旬頃から受注した順に発送する。株式会社カワサキモータースジャパン、カワサキプラザネットワークおよびカワサキ正規取扱店での販売、取扱いは行わないとのことなので注意が必要だ。気になる販売価格は、黒:26万4000円/銀:25万3000円となっている。

1972 Z1

1973 Z2
KAWASAKI 500 MEGRO K2
既報通り、東京モーターショーには650-W1など歴史的なモデルも展示される。今回カワサキが明らかにしたのは、カワサキ500メグロK2(KAWASAKI 500 MEGRO K2)だ。日本に多数存在していたバイクメーカーのほとんどが小排気量車を製造していたなか、カワサキはビッグバイク時代を先駆ける1台として496ccのOHV並列2気筒を搭載したカワサキ500メグロK2を登場させた。エンジンは1927年創業の目黒製作所(1960年代にカワサキに吸収された)が開発・製造していたものがルーツ。1965年登場のカワサキ500メグロK2は、メグロのKシリーズをベースとしながら、川崎航空の技術によりパフォーマンスを向上したもの。これがのちにW1へと発展していく。

KAWASAKI 500 MEGRO K2

KAWASAKI 500 MEGRO K2

KAWASAKI 500 MEGRO K2

KAWASAKI 500 MEGRO K2
KAWASAKI 650-W1
こちらは既報の650-W1。K2をベースに排気量を496→624cc(当時の日本車で最大排気量)へと拡大し、第12回東京モーターショー1965に出展された。最高速度は185km/h、0-400m加速は13.8秒を公称し、カワサキのビッグバイクメーカーとしての地位を築く礎となった。

KAWASAKI 650-W1

KAWASAKI 650-W1
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