テストはドイツの「PS」誌が敢行!

【2019海外直送・独日最強決戦】直4スーパーバイク1000 全開スーパーTEST[#01 プロローグ&BMW編]

  • 2019/7/27

2019年は日本車キラーのBMW S1000RRが、『シフトカム』などの新テクノロジーを盛り込んでフルモデルチェンジ。ついにサーキットへと解き放たれた。ドイツ・PS誌では日本に先立ち、条件が同じ1000cc直4スーパーバイクのライバルを集めて、サーキットで全開テストを敢行。最強の座を明らかにするため、独日決戦が火蓋を切って落とす!

文:Volkmar Jacob(PS) 写真:Arturo Rivas(PS) まとめ:宮田健一

2019年 最大の疑問にシロクロを付けよう

2019年の最も重要な疑問はズバリ「BMWのニューS1000RRは、どの程度優れているのか」、これに尽きる。先代のS1000RRはこれまで峠最速のうちにいて、我々PS誌の比較テストでもしっかりと表彰台の常連として、しかも多くの場合その頂点に輝いていた。しかし、ここ最近はライバルたちとの競争が激しくなり、BMWに弱体化の影が見え隠れしだしていたのも事実だ。

ようやく今年、S1000RRはデビューから10年、大掛かりなマイナーチェンジを受けてから5年を経て、完全なモデルチェンジを果たした。可変バルブタイミング機構の「シフトカム」など、その革新的なメカニズムはこれまで様々なメディアで説明されてきたとおり。PS誌や日本のヤングマシン’19年5月号でも、さっそく単独試乗を行ったが、その戦闘力が大きくアップしているのが確認できた。

そこで、今回はあらためてライバルとの戦力比を正確に把握するべく、初の直接対決を行うことにする。S1000RRの相手として用意したのは、日本製のスーパースポーツ4台。いずれもエンジンは並列4気筒、排気量は1000ccのスーパースポーツと、カテゴリー的には同条件となる。さらにS1000RRにはMパッケージ、CBR1000RRはSP、ヤマハはYZF-R1M、GSX-R1000 はR、カワサキはZX-10RRと、それぞれサーキット向けに用意された上級バージョンを揃えた。タイヤも公平を期するためにピレリのワンメイクで統一。つまり、直4スーパーバイクの世 界最強を決めるのが今回の戦いとなる。V4エンジンや排気量が1000ccを超えるようになったドゥカティとアプリリアは、今回はお休みだ。

用意されたスーパーバイクは、BMW S1000RR、HONDA CBR1000RR SP、YAMAHA YZF-R1M、SUZUKI GSX-R1000R、KAWASAKI Ninja ZX-10RRの5車だ。

270km/h超えの限界テストだ!

テスト内容は、限界走行によるタイムアタックと、エンジン&シャーシのライダー評価、ベンチマシンによるパワー&トルクの実値測定と、全方位から判断する。場所は、スペイン南部のアルメリア南部に出来た新サーキット。テスターにはスーパースポーツ世界選手権パイロットのクリスチャン・ケルナーを筆頭に、スペインのペペ・バーガレタとイタリアのアンドレア・パドバーニが参加。ここに270km/h超え全開アタックの独日決戦が始まった。

舞台はスペイン・アンダルシア!

アンダルシア・サーキットは南スペイン・アルメリアにあり、旧コースの隣に約1年半前に完成したばかり。旧コースと接続することもできる。全長約4km半で習得は難しく、特にピット出口から数百m先の山頂直後はカーブが縮小し、早めのターンオフが必要となる。

舞台は新コースが完成したばかりのアンダルシア・サーキットだ!

タイヤはピレリで統一!

イコールコンディションでのテストを期するために、タイヤはピレリで統一。しかも、サーキットでの限界性能を引き出すことに挑戦するため、銘柄にはレーシングスリックのDIABLO SUPERBIKE SC1をチョイスした。このタイヤはSBK=ワールドスーパーバイク世界選手権の公式タイヤでもあり、まさにガチ仕様。タイヤ専門のスタッフも派遣され、エア圧などは厳密に管理された。

タイヤはレーシングスリックのDIABLO SUPERBIKE SC1に統一。

BMW S1000RR:電光石火で突っ走る生粋のサラブレッド

猛り狂ったS1000RRは、1kmに及ぶ長いストレートを地平線に向かって一直線にぶっ飛ばす。こいつの直列4気筒は鬼神のようにマシンをプッシュし、プッシュし、そしてひたすら加速。もはや何をもってしてもその勢いを止めることはできない……。

公称207ps、我々のテストベンチで正真正銘の214psを叩き出したこのサラブレッドの動力性能は、本クラスにおけるバイクとしてはまさしく新記録だ。これまでと同じようにフラットなパワーカーブを実現するために、S1000RRでは中速域での性能を従来型よりも最大10Nm(1.02kg-m)押し上げている。だがその一方で、クランクシャフトが1900gも軽量化されたことでエンジンの回転が速くなり、確実に従来型よりも積極的でシャープな性格に変貌した。

エンジンもシャーシもひたすらシャープなS1000RR。

シャーシの方もエンジンに負けず劣らずシャープな反応を示すようになった。バンプ通過と同時にハードな方向転換をするような場面では、スロットルを全開にしているハンドルバーに、時々ぴくぴくとした痙攣が伝わってくる。だから全開アタックでは、冷静で丁寧なライディングを心がけることがちょっと必要だ。

サーキット用のライディングモード「Pro」もあり、車重約200kgのマシンでコーナーの中や周囲をとても楽しく、素晴らしいハンドリングで満喫させてくれた。これは主にカーボンファイバー製のホイールと約35%低くなったクランクシャフト慣性のおかげだ。また、Mパッケージの一部として用意されているホイールに装着されたブレーキディスクは厚さ5mmで、ノーマルでは4.5mm厚。この強力になったディスクがブレーキポイントをグッと奥に持ち込めるようになって、従来型とは段違いになった。ボトム付近の利き具合も新しいブレーキの大幅な改善を意味している。

可変バルブタイミング&リフトのシフトカム機構を搭載し、エンジン、車体ともすべて新しく生まれ変わった新生S1000RR 。サーキットパーツを組み込んだMパッケージも用意されている。

ライディングポジションについても同じことが言える。Mパッケージのスペシャルシートとハンドルバーが少し前傾度を強めるため、フロント荷重が増してライダーはよりアクティブな姿勢となる。高速道路など公道向けの配慮からか、ハンドルバーは従来モデルよりも20mm高く、ライバルと比べると最大40mmも高いが、レース用には上部トリプルクランプの巧妙なボルトオン構造のおかげで、簡単により深い状態にすることができる。

最終的に新型は従来よりも極端で妥協ないものとなっていた。従ってライダーにももう少し敏感さを必要とするようになったが、電光石火のようにコースを回り、気付けばあっという間にトップタイム。この結果に日本製スーパーバイクは唇を噛んだに違いない。

S1000RRが刻んだベストラップは1分51秒1。これが日本勢の目標値となる。

S1000RRのディテール

フロントまわりはマルゾッキの倒立フォークにラジアルマウントキャリパー。厚さ5mmのブレーキディスクは、カーボン製(写真)とアルミ鍛造製のスペシャルホイールのみに装着。ノーマルサイズは4.5mm厚となっている。

多数のサブメニューを備えたカラーTFTメーターで、レイアウトは公道用やサーキット用で切替えも可能。工場オプションとなる電子制御サスペンション(DDC)の管理もここでバッチリ行える。

マフラーは右1本出し。車体下に膨大なプリボックスがあるおかげでサイレンサーはコンパクト。スイングアームのアクスルシャフト後方には、まだ十分なスペースが残されている。

丸山浩のミニインプレ:トップエンドはターボのように加速

第一印象は「エンジンがメチャクチャ速い」。9000rpmで可変バルタイ=シフトカムが作動した後の加速は圧巻。特に1万2000rpmからはターボのように爆発の一発一発がマシンを前に押し出す。電子制御も大幅に進化しているため、速くてシビアなのではなく、安心してスロットルを開けていけるマシンだ。

丸山浩はS1000RRの国際試乗会に参加。ターボの如き加速に驚嘆した。

テストはドイツの「PS」誌が敢行!

テストはドイツの「PS」誌が敢行! テストを行ったのは、最新スポーツバイクを中心に扱うドイツのナンバー1バイク月刊誌の「PS」。我々ヤングマシンのように実測テストで白黒つける妥協のない本格ガチンコテストが誌面作りのモットーで、今回もスーパースポーツ世界選手権ライダーの“ケリー”ことクリスチャン・ケルナーをメインテスターに熱い戦いを誌面で繰り広げた。

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ミヤケン

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天然のヤング脳を持つ伝説の元編集部員。現在は超フリーライター。

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