プロのライダーがオフロードを楽しむテクニックを指南

[#2 ニーグリップはしない!?]小林直樹が教えるオフロードを楽しむ5つのポイント #ゴー・ライド

  • 2019/7/18

令和とともに創刊した「オフロードマシン GoRIDE(ゴー・ライド)」がWEBヤングマシンに登場だ! オフロード総合雑誌で30年以上の実績のある編集部が、ホンダワークスライダーとして全日本トライアルなどで活躍した小林直樹を師範とし、オフロードマシンのテクニックを5つのポイントにわけ紹介する。2回目となる今回は、オフロードライディングの基本となるバランスとコントロールをテーマにお届けする。じっくり読んでポイントを理解したら、ゴー・オフロード!!

ポイント2:くるぶしグリップ&ニーグリップ編・・・・・・くるぶしグリップはニーグリップよりも大きくボディアクションできる!

スタンディングする理由が分かったら、正しいスタンディングフォームを身につけて、実際のダートライディングで試してみよう!

小林直樹が教えるオフロードを楽しむ5つのポイント

師範:小林直樹 Naoki Kobayashi ホンダワークスライダーとして全日本トライアルに参戦。引退後はトライアルデモンストレーターとして全国各地のイベントで、トライアルの魅力を伝えてきた。ライディングスクールも全国で開催し、オフロードライディングの基礎を分かりやすく伝えることには定評がある。

ボディアクションできる範囲はこんなに違う!

直樹師範 「スタンディングするとシャープなマシンコントロールができるといったけれど、それはシッティングしている時よりもボディアクションの量を増やせることも理由なんだ。前後左右に大きくボディアクションできれば、それだけバランス修正できる幅も広がり、転倒を回避しやすくなる。また、積極的にボディアクションをしやすくなるから、フロントサスやリヤサスを縮めたり(このボディアクションを荷重するともいう)、縮めたサスの反発力を使ったり、路面から受けた衝撃を吸収したり(これらのボディアクションを抜重するともいう)といったこともできるようになる。

そうしたボディアクションで荷重と抜重をコントロールできると、マシンコントロール性を高めることになり、オフロード走破性を高めることにもなる。林道のギャップやワダチで振られにくくなったり、ダートで確実にブレーキングできたり、安定したコーナリングができたりといったことにつながっていくんだ」

と、ここで写真を見比べてほしい。両方ともスタンディングしているのに、ボディアクションの可動域に差があるのが分かるだろう。

くるぶしグリップ:前後の可動域が広い

くるぶしグリップでは、ステップを軸に体を動かすことができるため、とても自由度が高い

身体を後ろに引く際にも、思い切って移動できる。くるぶしでホールドできているので不安はない。

ニーグリップ:前後の可動域が狭い

マシンを挟んでいるので安心感があるような気がしてしまうが、ヒザがつっかえ棒のようになって身体の動きが小さくなっている。

身体を後ろに引きたいときにも同様で、ニーグリップが邪魔になっている。

直樹師範 「この差の原因は車体をホールドしている位置なんだ。広いほうはくるぶしで車体をグリップしていて、狭いほうはニーグリップ。ニーグリップすると上半身を動かしにくくなってしまうので、バランス修正できる幅も狭くなる。だからオフロード走破性を高めるためには、ニーグリップではなく、くるぶしグリップのスタンディングが重要になるんだ」

左右への自由度もくるぶしグリップで変わる!

くるぶしグリップはボディアクションの可動域が広くなっているが、もうひとつ違いがあるのが分かるだろうか? そう! マシンを倒し込む角度も違うのだ。マシンを倒し込める角度が大きければ、バランス修正できる幅が広がるし、タイトターンやアクセルターンもしやすくなる。この時、倒し込んだマシンの反対側に身体を出してバランスをとっているのだが、直樹師範はこれを「V字バランス」と呼んでいる。くるぶしグリップは、このV字の開きを大きくできるのがメリットなのだ。両ヒザで車体を挟み込むニーグリップは、マシンをしっかりホールドできるのがメリット。だが、オフロードで使う機会はほぼなく、高速道路など高速巡航中に横風で振られるのを防ぐ時に使うイメージでとらえてもらえればいいだろう。

くるぶしグリップとニーグリップの違い ※左右の可動域の違いに注目

まずこちらがくるぶしグリップ。ヒザまわりが固定されていないので可動範囲が大きくでき、V字バランスの幅も広くなる。

こちらはニーグリップの場合の可動域。ヒザでマシンを押さえると、身体の動きには柔軟性がなくなってしまう。

プロが教える! 直樹流スタンディングフォームのとりかた

路面からの衝撃を吸収したり、積極的にボディアクションするためにスタンディングポジションをとるのだから、ステップ上で棒立ちしても意味はない。そこでお伝えしたいのが、直樹流スタンディングフォームのとりかただ。車体が突き上げられても吸収できる余裕は、こうしてつくる!

通常のシッティングポジションをとるが、ハンドルは持たずにOK。その状態から……

ステップ上で直立する。

ヒザを曲げて上体を低くしつつ、頭をフロントサスの延長線上に合わせる。

ハンドルを持って、顔を前に向ける。ヒジとヒザに力を入れる必要はなく、余裕を持たせる。

棒立ちは衝撃を吸収できない

リラックスしているように見えるが、これでは路面やマシンの動きの変化に対応できない。

ステップ上で直立した後に、身体全体でハンドルを握りに行くと(迎えに行くともいう)、このヒザが伸びた棒立ちスタンディングになってしまう。ヒザが伸びていると、路面から受けた衝撃で身体が突き上げられてしまう。スタンディングはただ立つだけではなく、少し構えて立っているフォームになることを意識しよう。

レバーの角度も重要!

自分がレバー操作しやすい角度にセットするのが基本。目安としてはスタンディングした時に、手首が極端に上がったり下がったりしない位置だ。まず、水平から少し下向きにセットして、自分の体格や手の大きさで調整していくといい。

このぐらいを基準に。これなら身体を動かしても手首が曲がり/反り過ぎることもない。

レバー操作は指1本か2本がけで

レバーを確実に握り込むために、教習所などでは指4本がけで指導されることが多い。しかし、滑りやすいダート路面では繊細なブレーキングも必要で、レバー操作にもシビアさが求められる。ミリ単位の繊細なレバー操作がしやすいのは、ブレーキもクラッチも人差し指1本がけなのだ。残りの指でグリップをしっかり握ることができるので、ボディアクション時にグリップから手が離れるのも防げる。しかし、つねに1本がけだと指が疲労するので、人差し指と中指の2本がけで疲労を低減しよう。

ブレーキ/クラッチ操作時にハンドルが振られてもグリップから手が離れないように、小指と薬指はレバー操作に使わないのが吉。

4本がけのワシづかみはNGだ。

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ゴー・ライド編集部

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