リラックスした乗車姿勢とロングホイールベースによる怒濤の直進安定性を誇り、悠々と旅ができる……のがクルーザーの定義だが、カタチは様々。中でも今年、勢いがあるのがマッスル系だ。人気のディアベルが初のビッグチェンジで第2世代に進化する。そして最大の目玉はロケットIII。世界最大の怪物が復活だ!
WEBヤングマシンで全33回にわたってお送りした新車アルバムをまとめたのがこのページ。カテゴリー別に分け、さらには排気量区分によりライバル車を直接比較しやすいように各ページにまとめてある。記事があるも[…]
- 1 主流の重厚長大に対し、カジュアル化が進行中?
- 2 トライアンフ ロケットIII TFC:2458cc、常識破壊の怪物が帰ってくる
- 3 ドゥカティ Xディアベル/S:日常域の快楽を追求、スポーツもOK
- 4 ドゥカティ ディアベル1260/S:パワークルーザーからビッグネイキッドへ回帰
- 5 ヤマハ ボルト/Rスペック:モダンなデザインと軽やかな走りが光る
- 6 ハーレーダビッドソン ストリート750/ストリートロッド:水冷ユニットを積む軽量コンパクトな新世代
- 7 カワサキ バルカンS:コンパクトで扱いやすい優美なアーバンランナー
- 8 ホンダ レブル500:ミニマム&無骨が味わいのお気軽ミドルボバ―
- 9 写真をまとめて見る
主流の重厚長大に対し、カジュアル化が進行中?
一口にクルーザーと言っても、タイプは大まかに3タイプある。まずマッスル系。ドラッグレーサー風の加速とスポーティさを堪能できるマシン群だ。シンボルだったVMAXが殿堂入りした一方、ライバルのディアベルが’19年モデルで初のビッグチェンジ。兄弟車のXディアベルともども輝きを増している。
’19最新潮流
・ロケットIIIほか、マッスル系に魅力作
・レブル、GLと軽量小型化が進行中?
最大の注目株はロケットIIIだ。2294ccを誇るモンスターだったが、’08で国内販売が終了。欧州で生産は続いたが、排ガス規制に対応せず昨年絶版となった。これの復活がつい最近発表され、なんと排気量は2458ccというから驚き!
続いてアメリカン系。ロング&ローフォルムに長いフロントフォークを備え、本家のハーレーを筆頭に層が厚い。最近充実してきたのがボルトやストリート750らのカジュアル路線。昨年はより手軽なレブル500も加わった。
最後はハーレーのウルトラ系に代表される豪華巨艦路線。大型カウルやケースを備え、大陸横断もこなす。同路線では昨年、軽快さを増した新型ゴールドウイングが評判だ。ヘビー級がひしめく大型クルーザーだが、体力がキツイ中高年ライダーは先進国で年々増加中。この路線もダイエットが進む?
トライアンフ ロケットIII TFC:2458cc、常識破壊の怪物が帰ってくる
世界最大の2458cc並列3気筒、最大トルク22.5kg-m、車重370kg……過激なスペックで、乗る者と見る者を驚愕させ続けたロケットIIIが復活。プレミアムなカスタム車を限定発売するTFC(トライアンフファクトリーカスタム)の1台として販売される。排気量は458ccに拡大され、車体は完全新設計で新たに片持ちスイングアームを採用。フロントは従来同様、倒立フォークだが、キャリパーをブレンボのラジアルマウントに変更した。製品版は750台限定。5月1日に正式発表され、価格などの詳細が明らかにされている。
2004年に初代が発売されたロケット3(TRIUMPH ROCKET III)は、まるで建造物のような存在感を放つ巨大な3気筒エンジンを搭載したモンスターバイクだった。そして今、2458ccの新型トリ[…]
ドゥカティ Xディアベル/S:日常域の快楽を追求、スポーツもOK
ドゥカティが「ロースピード」のジャンルに切り込んだ一作。可変バルブを採用した1262ccのLツインは、低回転のトルクが豊かで、わずか5000rpmで最大トルクを発揮。同社初のベルトドライブで加速感も滑らかだ。アップハンとフォワードステップによるライポジはリラックスしているが、最大バンク角40度と同社らしいスポーティさは健在。’19欧州仕様に新色の艶消しグレーが登場した。
ドゥカティ ディアベル1260/S:パワークルーザーからビッグネイキッドへ回帰
’11年のデビュー以来、安楽なポジションでSBKシリーズ由来のLツインが放つ強烈加速を満喫できるとあって人気のディアベル。’19では第2世代に進化し、Xディアベル譲りの心臓により1198.4→1262ccに排気量アップ。可変バルブのDVT、IMU連動のコーナリングABSも獲得した。シャーシも新設計で、よりシンプルな鋼管トレリスフレームを採用。Sは前後オーリンズや専用ホイールを備える上級版だ。分類ではクルーザーとしているが、新型はビッグネイキッドといったほうがよさそう(関連リンク参照)。
2019年モデルでフルモデルチェンジを受けたディアベルは、その名もディアベル1260 およびディアベル1260Sとなった。見た目のイメージは前作を引き継ぐが、エンジンも車体も全く新しくなっている。その[…]
ヤマハ ボルト/Rスペック:モダンなデザインと軽やかな走りが光る
シンプルなボバースタイルをセンスよくまとめた1台。空冷60度Vツインは鼓動感と中速域のパワフルさが特徴。ややコンパクトな車体と相まって走りは軽快だ。Rスペックはリザーバータンク別体式リヤサスや切削キャストホイールで質感を高めた。’19北米仕様では、タンク上面にのみロゴを配した黒がSTDに登場。RにはXSRと同様、艶消し銀×赤ストライプを設定した。
ハーレーダビッドソン ストリート750/ストリートロッド:水冷ユニットを積む軽量コンパクトな新世代
749ccのコンパクトな水冷45度Vツイン=レボリューションXを搭載したストリートモデル。軽い車体とF17&R15インチの足まわりで気負わずに操れる。重厚なハーレーのイメージを覆し、お手頃なプライスも話題になった。ストリートロッドは、高圧縮によりトルクが8%(0.6kg-m)アップ。φ43㎜倒立フォークやWディスク、ピギーバック式リヤサスでスポーティさを高めた。’19年モデルは2車とも車体色とグラフィックを実施。STDが茶色などを追加して7→8色に。ストリートロッドは5色のうち3色を入れ替えている。
カスタムカルチャー全盛期の1970年代アメリカが生んだ伝統のチョッパーとカフェスタイルが融合したモデル、ハーレーダビッドソン「アイアン1200」。新たなカスタムスタイルの潮流を生み出すこのモデルをベー[…]
カワサキ バルカンS:コンパクトで扱いやすい優美なアーバンランナー
クルーザーらしいフォルムに、全身を曲面や流線形で構成した個性派モデルがバルカンSだ。旧ニンジャ650譲りのコンパクトな並列2気筒と旧ER-6系の特徴的なパイプフレームを全面改良し、’16で投入された。車体はライバルより軽い229kgで、低重心設計も採用。抜群に扱いやすく、ストリートのクルージングはもちろん、峠道でも機敏に走れる。’19では車体色を一新。ブラックとブルーの2色を設定した。
ホンダ レブル500:ミニマム&無骨が味わいのお気軽ミドルボバ―
’17年、久々に登場した国産クルーザーで、往年の人気車「レブル」を襲名。ボバ―スタイルにくびれを強調した斬新なデザインを融合する。フレームが300/250cc版と共通なのも斬新だ。心臓部はCBR500R系パラツインをベースに、鼓動感とトルクを強調。カスタムのしやすさも美点だ。’19ではフレーム色を艶消し黒に変更。車体色は赤を廃止し、黒を追加。従来色の艶消し銀は継続となる。
2017年4月のデビュー以来、順調に販売台数を伸ばし、2018年はスクーターのPCX150を押さえて軽二輪クラスで堂々のトップに躍進したホンダ・レブル250が2019年モデルで初のカラー変更を実施。国[…]
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