背伸びせずに付き合える1台

ホンダ レブル250 ABS 試乗インプレッション【シンプルで等身大、自分が主役に】

  • 2019/5/4
ホンダ レブル250 [2019]

2017年4月のデビュー以来、順調に販売台数を伸ばし、2018年はスクーターのPCX150を押さえて軽二輪クラスで堂々のトップに躍進したホンダ・レブル250が2019年モデルで初のカラー変更を実施。国産でクラス唯一となったクルーザーの人気を探るべく、あらためて試乗した。

ちょうどいいサイズ感を追求

ホンダ レブル250 [2019]

【HONDA Rebel 250 ABS [2019]】主要諸元■全長2190 全幅820 全高1090 軸距1490 シート高690(各mm) 車重170kg ■水冷4スト単気筒DOHC4バルブ 249cc 26ps/9500rpm 2.2kg-m/7750rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量11L ■ブレーキF=ディスク R=ディスク ■タイヤF=130/90-16 R=150/80-16 ●価格:58万8600円 ●色:銀、茶、灰、黒

ホンダ レブル250 [2019]

フレームはスチール製のダイヤモンドタイプで、要所にハイテン鋼を使用。スイングアームはφ45mmのスチールパイプで、これにツインショックを組み合わせる。ホイールは前後とも16インチで、クラスを超えた存在感を演出するためファットなタイヤを選択。丸型ガラスレンズのヘッドライトも特徴の一つだ。

ホンダ レブル250 [2019]

原付スクーターよりも低い690mmというシート高とナローフレームにより、足着き性は抜群にいい。上半身はわずかに前傾する(身長175cm、体重62kg)。

ホンダ レブル250 [2019]

(左)重厚感とパルス感を強調する2室構造のサイレンサー。打音などメカニカル音も追求する。 (右)CB250R などに搭載されている水冷単気筒をベースに、吸排気系やFI セッティングを最適化している。

ホンダ レブル250 [2019]

【Fまわりにひとワザあり!】230mmワイドスパンのφ41mm正立式フロントフォークは、キャスター角28度に対して30度に設定。この2度のスラントアングルによってトレール量を最適化(110mm)している。

ホンダ レブル250 [2019]

【シンプルこそ美徳】景色を眺めやすい抜けのいいコックピットがコンセプト。φ100mmのシンプルなLCDメーターは表示が反転タイプで、バックライトはブルー。ハンドルバーはインチサイズだ。

ホンダ レブル250 [2019]

(左)レブル250の象徴とも言える燃料タンク。キャップは小型エアプレーンタイプだ。タンク左下にメインキーを配置しているのもポイント。 (右)タンデムシートはボルト1本で脱着可能だ。鉄板プレス成型のリヤフェンダーと、アルミ鋳造製のシートレールも容易に取り外せる。

(◯)見た目はクルーザーだが走りはネイキッド的だ

軽二輪販売台数トップ(下表参照)を裏付けるかのように、確かに街中で見掛ける機会が増えたレブル250。ライダーのスタイルはジェットヘルメットに普段着という組み合わせが非常に多く、彼らのライフスタイルにレブル250が溶け込んでいることが容易に想像できる。

ホンダ レブル250 [2019]

2018年の軽二輪販売台数ではPCX150を抑え1位に。国内4メーカーのラインナップにおける唯一の軽二輪クルーザーというのも支持された理由だろう。

エンジンは、クルーザーの定石である空冷でもVツインでもなく、設計の新しい水冷単気筒だ。レブル250用に吸排気系とFIセッティングが最適化されており、スロットルを大きく開けなくても街の流れをリードすることができる。特に感心するのは一般道を40〜60km/hで流しているときのパルス感で、歯切れの良い排気音と共に巡航が楽しめる。ちなみにタコメーターがないので計算したところ、トップ6速100km/hでの回転数は約6200rpm。単気筒ながらも高回転域までスムーズに吹け上がり、パワーも必要にして十分。クラッチやシフト操作が軽いというのも見逃せないポイントだ。

この扱いやすいエンジン以上に光るのがハンドリングだ。ファットな前後タイヤに低いシート高、大きく寝かされたフロントフォークなどから、どうしても特異な操縦性を想起してしまいがち。だが、その素顔は拍子抜けするほどナチュラルで、ネイキッド並みに扱いやすい。車体の傾きに対して素直に舵角が付き、潤沢な接地感を伴いながらスルスルと向きを変える。ホイールベースが250ccとしては長めの1490mmのため、旋回力は決して高いとは言えないが、すぐにステップが接地するというバンク角の少なさを恨めしく思うほどに、コーナリングが楽しいクルーザーに仕上げられている。

乗り心地については、サスにコストダウンの影響を感じるものの、エアボリュームの多い前後タイヤとしなやかなスチールフレームがそれをフォローしており、決して悪くはない。ブレーキについても必要にして十分な性能であり、特にリヤはコントローラブルなことを好ましく感じた。レブル250はクルーザーというスタイルを借りたスタンダードなバイクであり、だからこそ幅広い層のライダーに支持されているのだろう。

(△)積載性に難ありだが工夫も楽しみのひとつ

荷かけフックがなく、またタンデムシートの座面も狭いので、素の状態で大荷物を積むのは困難。とはいえ、純正アクセサリーとしてサドルバッグやリヤキャリアが用意されているし、社外品も豊富。それらの選択も含めて遊べるバイクなのだ。

結論:価格も含めて背伸びせずに付き合える秀作

試乗車はタイプ設定のABS仕様で、それ以外にライダーエイドな電子デバイスは一切なし。それでも、たとえリヤタイヤが流れても制御できそうなほど軽くて扱いやすく、全てが手の内にある。平成の名車として語り継がれるだろう。

ホンダ レブル500 [2019]

【兄弟モデルの500も設定】250とほぼ共通の車体にCBR500R系の471cc水冷並列2気筒を搭載する。最高出力は250の26psに対して46psを発揮。同じく’19年モデルでカラーチェンジを実施した。〈HONDA レブル500 ●価格:78万5160円〉

●写真:真弓悟史
※取材協力:本田技研工業

※ヤングマシン2019年5月号掲載記事をベースに再構成

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大屋雄一

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紙面版にて厳正なる新製品テストを担当するベテランジャーナリスト。